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爆縮レンズ

2012-02-29 17:55:41 | 資料
爆縮レンズ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

原子爆弾に核分裂反応を発生させるための技術のひとつ。

爆縮レンズの原理 マンハッタン計画の科学者らは、爆破加工に用いられていた爆薬レンズを応用し、燃焼速度の速い火薬と遅い火薬を組み合わせる方法を考えた。

球形のプルトニウムの全ての位置で、圧縮力と伝わるタイミングが一致するようした。この圧縮力の伝わり方がレンズの中の光に似ているため、爆縮レンズと呼ばれた。


電気値上げ 燃料高値買いは背信だ

2012-02-29 10:58:20 | 近況
【社説】
電気値上げ 燃料高値買いは背信だ
2012年2月25日


 火力発電の主力燃料、液化天然ガス(LNG)を世界一の高値で買えば電気料金も自(おの)ずと高くなる。唯々諾々と産ガス国の言い値に従い、消費者にツケを回す電力業界の構造は限りなく背信に映る。

 東京電力は企業向け料金の値上げ発表に続き、家庭向けも国に値上げ申請する。原発が失った発電能力を火力で補っているため、燃料費が年八千億円以上増え赤字経営に陥るからだという。

 日本が保有する原発は計五十四基。今や動いているのはわずか二基だ。

 韓国は日本企業が投資したロシアのサハリン2から日本の半値以下で輸入し、三年後にはガス輸出国に転じる米国とも安値で契約済みだ。なぜ電力業界は、のほほんと大手を振っていられるのか。主たる理由は原燃料費調整制度の存在だ。

 産ガス国が値上げしても、為替変動で輸入価格が上昇しても、上がった分を電気料金に自動的に上乗せできる制度なので、過保護を見抜かれた電力業界は産ガス国の言い値で押し切られてしまう。

 産業界からの批判を避けるため、大口企業と割引契約を結んでいるともいわれている。中小・零細企業や家庭など、力の弱い需要家ばかりにツケを回し、声の大きい企業は割引で黙らせる。

 こんなあしき構造を許しては原燃料費調整制度を続ける政府も背信のそしりを免れない。円高を活用した海外ガス田の権益獲得など燃料調達も視野に入れた料金制度のゼロからの見直しを求める。


議事録指針策定を表明 岡田副総理

2012-02-28 15:46:28 | 新聞
岡田副総理:議事録指針策定を表明 震災時未作成、山口・公明代表が「違法」
 岡田克也副総理は28日、津市で記者会見し、政府の東日本大震災緊急災害対策本部や原子力災害対策本部などの議事録が作成されていなかった問題を受け「どれくらいの議事録・議事概要を作るのか、一定のガイドラインを作ることを考える。省庁によって違うのは望ましくない」と議事録作成の指針を策定する考えを表明した。

 この問題では、公明党の山口那津男代表が同日、水戸市で開いた党会合で「(政策決定過程の文書作成を義務づけた)公文書管理法に明らかに違反する。法律を作る時には民主党が『情報公開に備えて記録を残すべきだ』と強く主張し、その趣旨に沿った修正までやった。にもかかわらずこの体たらくだ」と批判した。同法は自公政権時代の09年6月に成立し、昨年4月に施行されている。岡田氏は「事後の作成もあり得るという法律の立て方になっている。事後といってもできるだけ速やかに」と述べ、議事概要の作成を急がせる意向を強調した。【野口武則、岡崎大輔】

毎日新聞 2012年1月29日 東京朝刊

震災議事録:岡田副総理、作成指針策定を表明

◆政治



震災関連会議、10組織で議事録作らず

巨大地震
 政府は27日午前、東日本大震災に関連する10組織で会議の議事録が未作成だったとする調査結果を発表した。

 このうち、首相が本部長を務める原子力災害対策本部、緊急災害対策本部、防災相がトップの被災者生活支援チームの3組織では議事概要さえなく、2組織は議事概要の一部を作成していただけだった。

 民主党政権のずさんな対応は、震災対応を検証するうえで支障となる。野田首相は同日の国会で陳謝した。

 調査結果は岡田副総理(公文書管理担当)が同日の閣議後の閣僚懇談会で説明した。調査対象は当初8組織とする予定だったが、最終的に15組織に拡大した。このうち、議事録、議事概要の双方を作成し、公文書管理に問題がなかったのは、原子力被災者生活支援チームなど4組織しかなかった。復興対策本部は議事録のみ作成していた。

 議事概要さえ残していない原子力災害、緊急災害対策の両本部、被災者生活支援チームは、震災と原子力発電所事故対応の中核的な組織。原子力災害対策本部の事務局を担当する原子力安全・保安院は、未作成の理由に緊急事態だったことを挙げている。昨年4月に当時の滝野欣弥官房副長官(事務)は、各府省連絡会議で「震災関連の資料保存に留意をしてほしい」と各府省に指示していたが、守られなかった形だ。

(2012年1月27日14時34分 読売新聞)



福島第一 対応「場当たり的」

2012-02-28 15:01:38 | 新聞
【福島原発事故】
福島第一 対応「場当たり的」 民間事故調が報告書
2012年2月28日


 「福島原発事故民間独立検証委員会」(民間事故調、北沢宏一委員長)菅直人前首相らから事情を聴き、東京電力福島第一原発の事故当時、政府内部が混乱していた状況を詳しくまとめた。問題点として、場当たり的な対応、規制当局の能力不足、縦割り行政

 報告書によると、1号機の原子炉内の蒸気を放出するベント実施前に、避難区域が三キロとされたことについて、班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長は「(放射性物質を含む気体を直接放出する)ドライベントは失念していた。ドライベントの場合、避難は三キロでは足りない」と述べた。

 1号機の水素爆発時、班目委員長は「あー」と頭を抱えるばかりだった。民間事故調の聴取に「水素爆発はないと首相に話していたので、水素爆発だと分かっても何も言えなかった」と答えた。

 官邸の危機感が頂点に達したのは、2号機の状態が悪化した三月十四~十五日。東電の清水正孝社長(当時)から福島第一原発からの撤退を申し出る電話が枝野幸男官房長官(当時)らに何度もあり、「まだやれることはある」とする官邸と対立。菅前首相の東電乗り込みにつながった。一方で枝野長官らは近藤駿介原子力委員長に、事故が深刻になった場合を想定した「最悪シナリオ」を作るよう依頼しシナリオは九月の菅前首相退任まで秘密にされた、としている。

 民間事故調は、シンクタンク「日本再建イニシアティブ」(船橋洋一理事長)が主導し、委員六人と約三十人の作業グループが調査に当たった。政府関係者を中心に三百人に聴いたが、東電首脳への聴取はできず、事故調は「協力が得られなかった」としている。


官邸主導の対応疑問 国会事故調で米規制委元委員長
2012年2月28日 朝刊

米原子力規制委員会(NRC)元委員長のリチャード・メザーブ氏が二十七日、国会の福島第一原発事故調査委員会(黒川清委員長)の第五回会合に出席した。菅直人首相(当時)が格納容器のベント(排気)を指示するなど事故の初動対応が首相官邸主導で行われたことに、「米国では大統領が意思決定することは考えられない」と述べ、指揮系統のあり方に疑問を示した。

 
 一方、国会事故調をめぐっては、調査対象の細野豪志原発事故担当相が、原子力規制庁設置関連法案を説明するため、黒川氏と面会した問題がある。

 黒川氏は「細野氏から申し入れがあったので説明を聞いた。国会での議論に資したいということだと思う」と述べるにとどめた。

キリヌキ参照


◆【社説】
首相沖縄初訪問 謝罪では普天間返らぬ
2012年2月28日


 野田佳彦首相が初めて沖縄県を訪問した。米軍普天間飛行場の県内移設に理解を得るのが狙いだが、県側の軟化は望み薄だ。普天間返還の実現には、現行の移設計画を根本から見直す必要がある。

 国会審議の合間を縫っての沖縄訪問となった。平和祈念公園や旧海軍司令部壕(ごう)など激烈を極めた沖縄の戦跡を訪れたり、市街地が迫る巨大な米軍基地を視察したりと、今も続く沖縄県民の苦しみの一端に触れたことだろう。

 首相が今回の訪問から多くを学ぶのであれば、その意義も認められよう。ただ、より早期の訪問が望ましかったのではないか。

 就任後半年近くたっての沖縄訪問は、消費税率引き上げに血道を上げてきた首相にとっての沖縄問題の優先順位の低さを、目に見える形で表してしまった。

 首相は仲井真弘多県知事との会談で、鳩山由紀夫元首相が県外移設を掲げながら結局、名護市辺野古への県内移設で米政府と合意した「迷走」を陳謝し、田中聡前沖縄防衛局長の沖縄「犯す」発言についても謝罪した。

 政府に対する沖縄の信頼回復は為政者として当然としても、それで県側が県内移設受け入れに転じる状況でないことは知事自身が語る通りだ。ここは知事が言うように「県外移設を検討」した方が、普天間返還の早道ではないか。

 首相は沖縄訪問二日前、移設先を辺野古とする理由を「沖縄の地理的特性を考えると、そこに存在する海兵隊の抑止力維持はとても大事」と述べた。

 しかし、海兵隊の沖縄駐留が抑止力にならないことは、米国の著名な学者らが県外移駐を提唱していることからもすでに明らかだ。

 そればかりか、海兵隊のグアム先行移駐で合意した際の日米共同発表では、海兵隊を西太平洋地域に分散配置する理由に、攻撃に耐えてなお機能を維持する、運用面での「抗堪(こうたん)性」を挙げている。

 海兵隊にとって、軍事力の増強著しい中国に近い沖縄が万が一攻撃されても、分散配置しておけば対応は可能ということだろう。この場合、地理的特性はむしろ脆弱(ぜいじゃく)性として認識されている。

 日本政府はなぜ米政府の戦略転換から目を背けて県内移設にこだわり続けるのか。理解に苦しむ。

 首相はすでに破綻した海兵隊抑止力論に固執せず、米政府に対して国外・県外移設の提起を決断すべきだ。首相の沖縄訪問がその転機となるのなら救いである。

◆【社説】
河村市長発言 なぜ素直に撤回しない
2012年2月28日


 名古屋市長は「南京事件はなかった」との発言を撤回せず、訪問団にも非礼ではなかったとの考えを、きのう述べた。率直な議論で「ノドのトゲを抜こう」と主張するが、その土台は一体あるのか。

 河村たかし市長は会見で「いわゆる南京事件はなかったのではないか」という発言が「南京大虐殺はなかったという持論を展開」と報道され、「南京では何もなかった」と誤解されたと釈明した。

 市長は「象徴的に三十万人とされるような組織的大虐殺はなかったとの趣旨」と説明。「友好団に面と向かって三十万人の大虐殺と申し上げるのは言葉がいかにも残虐なので、あえていわゆる南京事件と申し上げた」と釈明した。

 当初の発言は、市長が南京大虐殺はなかったと公にしたと受け止められる言葉である。報道により南京市民の誤解を招いたというのは、とんでもない責任転嫁だ。

 南京で虐殺がなかったという研究者はほとんどいない。日中歴史共同研究の日本側論文も「集団的、個別的な虐殺事件が発生し」と明記する。市長自身「非戦闘員の殺害はあっただろう」と認めており、日中で隔たりがある被害者数を問題にする意図であったのなら、そう明言すべきであった。

 市長は共同研究を「学者の個人的見解」と批判するが、国や政治レベルで埋まらぬ歴史認識の溝を、少しでも客観的に埋めようとの知恵であった。中国主張の「三十万人」を市長が真っ向から否定しては、南京市側は率直な議論のテーブルにはつけぬだろう。

 敏感な問題でも、政治家が主義主張を掲げるのは結構だ。だが、首長は政治家であるとともに自治体のリーダーでもある。歴史的な米中、日中国交正常化の扉を開いたピンポン外交の舞台である名古屋のトップの公式発言としては不適切だった。日中四十周年の記念すべき年に、友好都市が公の交流を停止し、記念行事や経済活動にも影を落とす。苦しい釈明ではなく、素直に撤回できないものか。

 昨年春、南京市の公園で日中の百人以上が友好の桜を植えた。南京出身で十五年以上も名古屋に住む韓金龍さんが中心となり、過去五年で千本余を植えた。韓さんは「手を携えて桜を守り、友情の証しにしたい」と話した。

 「公の交流停止」と言う南京市のシグナルを、敏感に受け止めてほしい。民の交流の根は深く、広い。民の交流を支えてこその市長であろう。








双葉町長反発し中止

2012-02-27 16:59:00 | 新聞
■【政治】
政府と中間貯蔵施設意見交換会 双葉町長反発し中止
2012年2月27日 朝刊

福島第一原発事故の汚染土壌を保管する中間貯蔵施設の設置場所などを話し合うため、細野豪志環境相と平野達男復興相、福島県双葉郡八町村の首長が二十六日、同県郡山市で意見交換会を開く予定だったが、双葉地方町村会の会長である井戸川克隆双葉町長が欠席したため事実上、流会となった。

 井戸川町長は同日、役場機能を移している埼玉県加須市で記者会見。中間貯蔵施設建設用地を事故前の地価で取得する方針などの会議内容が事前に報道されたことを欠席理由に挙げ「先祖代々の土地に住めなくなるのは大変重い問題であり、丁寧な話し合いを求めてきたが、食い違いが出た。信頼関係に問題が生じた」と述べた。

 また、東日本大震災前、政府の地震調査委員会事務局が、宮城-福島沖での巨大津波の危険性を指摘する報告書を電力会社側の要請で修正したとされる新聞報道にも言及し「絶対に許されることではない。冷静に話し合うことができないと思った」と話した。

 会合は双葉地方町村会の主催。井戸川町長は同日朝、事務局を通じて各町村に会合の中止を連絡。政府側には直接中止を伝えたという。会見で「話し合いをせずに一方的に決めていくやり方に恐怖感を感じた」とし「もう一度、冷静な判断の下で会議を設けたい」と語った。



【社説】
自宅で暮らす安心を 介護と医療の役割
2012年2月27日

在宅を支える介護や医療のサービスが四月から拡充される。「施設から在宅へ」ケアの方向が転換するためだ。地域に住み続ける安心は実現するのか。

 「二十四時間介護以外は介護サービスにならない」

 新潟県長岡市の高齢者総合ケアセンター「こぶし園」の小山剛総合施設長の介護に対する考えは明快だ。食事や入浴などの介助や、看護師による体調管理などのケアは常に必要だからだ。

 
 六年に一度の同時改定となった今回、介護も医療も在宅を支えるサービスの充実を図った。

 介護では二十四時間対応する訪問サービスが始まる。これまで一日一、二度だった訪問介護が深夜、早朝問わず何度でも受けられる。呼べばヘルパーが来る。看護師も来てくれる。料金は月決めで最も介護が必要な要介護5で自己負担は月約三万円になる。

 診療報酬で受けられる在宅医療の充実も図る。

 深夜や早朝の看護師の訪問や、がん患者の緩和ケアの経験がある看護師の訪問に報酬を付ける。

 みとりも含め二十四時間対応の診療所を増やすため、夜間や緊急時の往診の報酬を手厚くする。歯科医師の訪問診療料も上げる。

 サービスがうまく動けば、利用者が退院して自宅に帰っても、入院時の状況を介護と医療の担当者が共有して、必要な在宅ケアをスムーズに提供できるはずだ。

 国は施設ケアに比べ費用を抑えられる在宅ケアの拡大で増え続ける介護・医療費の抑制も狙う。ただ、必要なサービスが行き渡らなくなるような事態は困る。質の確保が前提になる。

 サービスの普及は簡単ではない。課題は人材の確保だ。

 国は二五年度に現在から、介護職員を最大で一・七倍の二百四十四万人に、看護師を一・五倍の二百五万人に、医師は五万人増やして三十四万人にする計画である。

 威勢はいいが介護現場では今でも人材不足なのに、人員を確保できるのか不安の声がある。

 巨大津波警戒の報告書修正 電力会社の注文受け文科省

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201202260070.html

東日本大震災の8日前、宮城―福島沖での巨大津波の危険を指摘する報告書を作成中だった政府の地震調査委員会事務局(文部科学省)が、東京電力など原発を持つ3社と非公式会合を開催、電力会社が巨大津波や地震への警戒を促す表現を変えるよう求め、事務局が「工夫する」と修正を受け入れていたことが、25日までの情報公開請求などで分かった。

報告書の修正案は昨年3月11日の震災の影響で公表されていない。調査委の委員を務める研究者らも知らされておらず「信じられない」などの声が出ている。電力会社との「擦り合わせ」とも取られかねず、文科省の姿勢が問われそうだ。

文科省は「誤解を招かないよう表現を修正した」などと説明。東電は「文科省から情報交換したいとの要請があった。(修正を求めたのは)正確に記載してほしいとの趣旨だった」としている。

作成中だった報告書は、宮城県などを襲った貞観地震津波(869年)の新知見を反映させた地震の「長期評価」。貞観地震と同規模の地震が繰り返し起きる可能性があると指摘されていた。

開示された資料や取材によると、会合は「情報交換会」と呼ばれ、昨年3月3日午前10時から正午まで省内の会議室で開催。青森、宮城、福島、茨城各県に原発を持つ東電、東北電力、日本原子力発電から計9人が出席した。

巨大津波への警戒を促す記述について、東電などは「貞観地震が繰り返していると誤解されないようにしてほしい」と要求。文科省は「内容は変えないが、誤解を生じにくいよう文章を工夫したい」と応じ、数日後には「繰り返し発生しているかは適切なデータが十分でないため、さらなる調査研究が必要」などとする修正案を作成した。

電力会社側はさらに活断層評価に関する意見交換会も要求。昨年3月末に会合が予定されたが、結局開かれなかった。

政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会によると、東電は昨年3月7日、経済産業省原子力安全・保安院に「貞観地震の記述を変更するよう文科省に求めた」と報告している。

■巨大津波警戒の報告書修正 電力会社の注文受け文科省

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201202260070.html

東日本大震災の8日前、宮城―福島沖での巨大津波の危険を指摘する報告書を作成中だった政府の地震調査委員会事務局(文部科学省)が、東京電力など原発を持つ3社と非公式会合を開催、電力会社が巨大津波や地震への警戒を促す表現を変えるよう求め、事務局が「工夫する」と修正を受け入れていたことが、25日までの情報公開請求などで分かった。

報告書の修正案は昨年3月11日の震災の影響で公表されていない。調査委の委員を務める研究者らも知らされておらず「信じられない」などの声が出ている。電力会社との「擦り合わせ」とも取られかねず、文科省の姿勢が問われそうだ。

文科省は「誤解を招かないよう表現を修正した」などと説明。東電は「文科省から情報交換したいとの要請があった。(修正を求めたのは)正確に記載してほしいとの趣旨だった」としている。

作成中だった報告書は、宮城県などを襲った貞観地震津波(869年)の新知見を反映させた地震の「長期評価」。貞観地震と同規模の地震が繰り返し起きる可能性があると指摘されていた。

開示された資料や取材によると、会合は「情報交換会」と呼ばれ、昨年3月3日午前10時から正午まで省内の会議室で開催。青森、宮城、福島、茨城各県に原発を持つ東電、東北電力、日本原子力発電から計9人が出席した。

巨大津波への警戒を促す記述について、東電などは「貞観地震が繰り返していると誤解されないようにしてほしい」と要求。文科省は「内容は変えないが、誤解を生じにくいよう文章を工夫したい」と応じ、数日後には「繰り返し発生しているかは適切なデータが十分でないため、さらなる調査研究が必要」などとする修正案を作成した。

電力会社側はさらに活断層評価に関する意見交換会も要求。昨年3月末に会合が予定されたが、結局開かれなかった。

政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会によると、東電は昨年3月7日、経済産業省原子力安全・保安院に「貞観地震の記述を変更するよう文科省に求めた」と報告している。


■ 核燃サイクルは絵空事撤退提言 馬淵元国交相に聞く(東京新聞・核心 2月26日)
2012-02-27 05:00:00 | 日記 政府が今夏をめどに是非を判断する原発の核燃料サイクル。与党、民主党の中堅、若手議員ら約70人でつくる「原子力バックエンド問題勉強会」が核燃サイクルの撤退を盛り込んだ提言をまとめ、今後の議論に一石を投じている。会長を務める馬淵澄夫元国土交通相にその狙いなどを聞いた。以下は一問一答。(聞き手=寺本政司、中崎裕)

 ◆原発は「トイレなきマンション」と言われ、廃棄物をどうするかが最大の問題。

 ◆核燃サイクル撤退を主張している。

 再処理で燃料を再利用するというが、その過程で余分な核物質が出てくる。この量がいったいどれくらいで、どう処分するのか見当すらつかない。六ケ所村再処理工場(青森県)や高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)を動かせば、建物が放射能で汚染される。膨大な放射性廃棄物が出て、廃炉が大変になる。いま止めれば、その手間と費用が省ける。

 -使用済み核燃料をどうするのか。

 とりあえず30~50年の単位で中間貯蔵するのが現実的。問題の先送りと言われるかもしれないけれど、放射性廃棄物の最終処分は10万年かかるのだから、立ち止まってじっくり考えるべきだ。米国だってネバダ州の最終処分を白紙に戻した。貯蔵施設の設置場所は住民の受益と負担の公平性を確保しながら、国が主導的に進めるのが得策だと思う。

 ◆提言後、「原発ムラ」の巻き返しはないか。

 特に経産省はすさまじい。これまで経済性一本やりで推してきたが、最近は安全保障と絡めてくる。詳しくは言えないが、例えば、現在行っている米韓原子力協定の改定交渉。米国は韓国が再処理工場を持てば、北朝鮮を刺激するので思いとどまらせたい、と考えるかもしれない。そこで、日本が再処理を引き受ければ、東アジアの安定につながるとの理屈で、六カ所村の再処理工場が正当化されてしまう。外交上の秘密となれば、国民の知らないところで議論が進んでしまう。

 
 まぶち・すみお 民主党衆院議員(奈良1区)。奈良市生まれ、51歳。2003年に衆院初当選。05年に発覚した耐震強度偽装事件や道路特定財源の問題を国会で厳しく追及し、政権交代後は菅内閣で国土交通相を務める。昨年の福島第一原発事故後は、6月まで首相補佐官として事故対応にあたった。8月の党代表選に出馬し野田佳彦首相に敗れた。

<原発のバックエンド> 原発の建設や運転、核燃料の加工などをフロントエンドと呼ぶのに対し、使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理、廃炉作業などを指す言葉。日本は使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を高速増殖炉などで燃やす核燃料サイクルを推進してきた。しかし、欧米の主要先進国は高コストを理由に核燃サイクルから相次いで撤退。使用済み核燃料を再処理せず地中に埋める直接処分を採用する国が多い。高濃度の放射性物質のため管理、保管は10万年かかるとされ、日本を含め各国とも処分場探しに苦労している。

 ◆【社会】
東電17%値上げ 再考促す 都、中部電に電力要請 庁舎分
2012年2月25日 07時06分

 東京都が新宿区の都庁舎で使用する電力の供給を中部電力(名古屋市)に要請していることが二十四日、分かった。二〇〇五年四月の電力自由化で、電力会社が営業区域を越えて、企業や自治体など大口需要家に電力供給することが容易になっており、都が中電と契約を結べば、他の大口需要家へ波及する可能性がある。大口需要家向けに平均17%の値上げを表明している東京電力に値上げの再考を促す狙いもある。

 都が中電東京支社を通じて契約を打診した。都庁舎では昨年三月~今年一月までの十一カ月間で三千五百万キロワットの電力を使用。今月末までの一年間では約三千八百万キロワットと見込まれ、東電へ支払う電気料金は五億五千万円に上る見通し。東電が四月以降に17%を値上げすると一億円の負担増になる。

 都は停電リスクを避けるため、今年四月から西新宿の高層ビル群に地域冷暖房を供給している東京ガス子会社の発電施設から、都庁舎に三千キロワットの電力供給を受ける方針。都庁舎の契約電力は一万一千キロワットで、残る八千キロワットをすべて中電との契約に切り替えたいとの意向を示している。

 東電株式の2・7%を保有する第三位株主の東京都は、東電のリストラ策など経営効率化の取り組みが不透明だとして、東電に値上げの根拠を示すよう要求。大口需要家向けの一律値上げは中小企業への打撃が大きいとして、値上げ案に強く反対している。

 中電はもともと、他の電力会社と比べて原子力発電への依存度が低く、昨年五月に浜岡原発の運転を停止した後も供給余力があり、この冬も九州、関西、東北の各電力会社に電力を融通。東日本と中部を含む西日本では周波数の違いがあるが、計百二十万キロワットまで周波数を変換して融通できる。東日本大震災を受けて、変換設備の増強も検討されている。

 中電は本紙の取材に、東京都から申し出があったことを認め「現在、検討中であり、具体的にはお話しできない」としている。

 電力会社が営業区域を越えて電力供給する例としては、九州電力(福岡市)が〇五年十一月から広島市内の大型スーパー・ジャスコ宇品店に年間千三百万キロワットを供給している。

(東京新聞)

  ◆【国際】

深刻さ認識 米緊迫 福島事故で規制委
2012年2月23日 朝刊


 【ワシントン=共同】東京電力福島第一原発事故で、米原子力規制委員会(NRC)が公表した電話会議などの議事録で、原発から三百キロ以上離れた場所にいる米国民についても、自主避難を呼び掛けるかどうか議論していたことが二十二日、明らかになった。

 実際には、米国による避難勧告は半径八十キロ以内だったが、自国民の安全確保を最優先に、さまざまな検討を行った様子が浮き彫りになっている。

 昨年三月十三日の議事録によると、第一原発から百八十五キロ離れた海域で、米側が通常の約三十倍の放射線量を検出した。

 当時、日本は半径二十キロを避難指示、二十~三十キロを屋内退避としていたが、同十六日の電話会議の出席者は「もはや日本の避難勧告には同意せず、原発から五十マイル(八十キロ)以内の米国民に避難を勧告する」と伝えた。

 この日の別の電話会議では、ある出席者が「第一原発から二百四十~三百二十キロで場合によっては一~二レム(一〇~二〇ミリシーベルト)の被ばくになる」との予測を示し「この水準の被ばくを避けるため、自主的な避難を勧告するのが理にかなうことではないか」と主張した。

 議事録には、別の出席者が否定的な考えを示したにもかかわらず、なおも「正しいのは、被ばくを合理的に達成可能な限り低く抑えることだ」と食い下がる様子が克明に記録されている。

 同十七日の議事録には、米国民を避難させる飛行機の手配に関するやりとりも。ある出席者は、フライトの半分は大使館員用、もう半分は一般の米国民用と説明。さらに「避難は自己判断だが、できるだけチャーター機を準備しようとしている」と述べた。

 藤村修官房長官は二十二日の記者会見で、米原子力規制委員会が、東京電力福島第一原発事故発生直後から炉心溶融の可能性を指摘していた内部文書を公表したことに関し「当時の対応は政府や国会が検証中で、コメントすることはない」と言及を避けた。

 原発事故当事国として、震災関連会議の議事録が作成されていなかったことに関しては「記者会見などで情報発信はしたが、文書で随時記録されていなかったことは事実。誠に遺憾だ」と述べた。

 キリヌキ参照


  ◆【社説】
河村市長発言 歴史認識はしっかりと
2012年2月23日


 「虐殺はなかった」とする名古屋市長の発言に反発し、南京市は公の交流の一時停止を決めた。南京事件については、日中共同の歴史研究がある。市長としての発言にはもっと慎重であるべきだ。

 河村たかし市長は、友好都市である南京市の共産党幹部が訪問した際に「南京大虐殺は無かったのではないか」と発言した。その問題意識について、市長は記者会見で「子孫のため(歴史認識を)真実へと正すのは六十三歳のじいさま(市長)の社会的、政治的使命だと思っとります」と述べた。

 だが、市民を代表する市長として友好都市の訪問団に会った際に、歴史認識に食い違いのある問題で自らの見解を一方的に公にしたことは配慮が足りなさすぎる。

 二〇〇六年の安倍晋三・胡錦濤首脳会談の合意を受けてスタートした日中歴史共同研究委員会は二年前、南京事件について「虐殺行為に及んだ日本側に責任があるとの認識では一致した」との報告を公表した。一方、犠牲者数は、中国側の「三十余万人」、日本側の「二十万人を上限に四万人、二万人などさまざまな推計がある」と両論を併記した。

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝で悪化した日中関係を改善しようと、双方が歩み寄った知恵が共同研究である。それを両国で共有しながら、今回の市長発言である。個人の信念と公職者としての発言はおのずと違う。

 市長は「謝罪や撤回のつもりはない」と話した。日中間の討論会を呼びかけてはいるが、どれほどの実現可能性をともなっているのか。市として行うのか、一政治家としての呼び掛けか。

 南京市は「市民の感情を傷つけた」と反発している。会談の場で反論しなかった訪問団に、「弱腰だ」との批判がネットで相次いでいるという。市長の言葉がもちろんきっかけである。

 歴史をひもとけば、名古屋生まれの松井石根陸軍大将は終戦後、極東国際軍事裁判で南京大虐殺の責任を問われ処刑された。一九七二年の国交回復後、名古屋市は当初、天津市との提携を望んだが、中国の提案に応じる形で、南京市との提携をあえて決めた。

 七八年の平和条約締結の年の友好提携となった。まさに、歴史を鑑(かがみ)に前に進もうとした当時の日中関係者の英断であった。こうした歴史を踏まえながら、一歩ずつ着実に関係改善に努めるのが、政治家の本当の使命であろう。


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【社会】
事故情報、共有していると思った 現地対策副本部長 黒木慎一審議官
2012年2月24日 07時00分

福島原発事故後の対応について話す保安院の黒木慎一審議官=23日、東京・霞が関の経産省で(川柳晶寛撮影)


 福島第一原発の事故当初、福島の現地対策副本部長として指揮を執った経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官(54)が二十三日、本紙のインタビューに応じ、現地と東京の保安院との間で情報共有がうまくいかなかった問題点などを語った。黒木氏が報道機関に事故の詳細を語ったのは初めて。

 福島第一から約五キロ離れた対策拠点(オフサイトセンター、OFC)に設けられた現地対策本部では、東京電力本店と福島第一の所長らとのテレビ会議によるやりとりを見ており、刻々と深刻化する事故の生の情報が入っていた。

 黒木氏は「東京も同じような情報が入っていると、ずっと思っていた」と語るが、実際には首相官邸などは深刻な情報不足に陥っていた。OFCには連絡手段は衛星回線三つしかなく、東京には必要最小限の連絡しかできなかったことも影響している。

 想定では、住民への避難指示はOFCが中心となって出されることになっていたが、実際には東京にいた菅直人首相(当時)から発せられた。

 発生当日、黒木氏は車でOFCに向かったが大渋滞。急きょ自衛隊ヘリに乗り換えたものの、着いたのは翌十二日午前零時ごろ。

 到着の三時間ほど前に福島第一から半径三キロ圏の住民に避難を指示していたが、黒木氏がそのことを知ったのは、ヘリが福島県内の自衛隊基地に着陸してからだった。

 十二日未明に官邸が避難指示の対象を十キロ圏に拡大した際も「本省から事後に聞いたか、報道で聞いたかのどちらか」といい、現地とのすり合わせはなかったという。

 東電が福島第一からの「全面撤退」を政府に打診したかどうかについて、黒木氏は「現地では、東電からは『必要最低限の人間はずっと置く』という話しか聞いていない」と証言。官邸にいた菅首相や海江田万里経産相(当時)は、本紙のインタビューに、そろって「全面撤退」と受け止めたと語っていた。ここでも現地と東京の間で大きな情報ギャップがあったことが判明した。

 こうした点を踏まえ黒木氏は「初期対応を現地でやるのは困難だった」と説明し、「司令塔機能は移動があることを前提としたシステムに変える必要がある。東京の方が司令塔として適切な場合もあるのではないか」と教訓を語った。

(東京新聞)キリヌキ参照