地域の台所 ちゃぶ台

岐阜県羽島市のボランティアグループ「だんらん」が運営するフリースぺース「地域の台所 ちゃぶ台」の活動記録です。

江戸しぐさ

2013-03-17 13:21:51 | ひとりごと
「江戸しぐさ」という言葉をご存知ですか?
いろんなメディア等で取り上げられる機会も増えたので、ご存知の方も多いでしょう。
今回の記事は、そんな「江戸しぐさ」について触れてみたいと思います。

江戸時代の江戸は、いろんな人が暮らす世界有数の大都市でした。
そんな江戸という街の平和を守り、かつ、いろんな人と上手に共生していくための知恵…それが「江戸しぐさ」です。

具体例をいくつか挙げてみましょう。

うかつあやまり
例えば、人とぶつかったり足を踏んでしまった時に、する方が謝るのは当然ですが、
された方も「こちらこそ、うっかりしていてすみません」と謝りました。
こうして、その場の雰囲気をよく保とうとしていたのです。

傘かしげ
雨の日に傘をさしていて、他人とすれ違う時に、お互いが濡れないように、傘を外側に傾ける気遣い。
これもお互いを思いやる心からうまれた仕草ですね。

こぶし腰うかせ
乗り物(江戸時代では乗り合い船)に乗った時、後から来た人が座れるように、こぶし一個分腰を浮かせて移動し、席を作る事。それに比べ、現在では、例えば電車のロングシートに我が物顔で陣取っている人を時々見かけます。これはいただけないですね。

相身互い
同じ境遇や立場、身分の人が「困った時はお互い様」と助け合う心。
大勢で一つの建物に住む長屋住まいが大多数だった江戸市民は、米や味噌の貸し借りを普通に行って、支え合って暮らしていたそうです。
現代では、夜遅くまで開いている店が増えたので、米や調味料の貸し借りをする、という事自体考えにくいとは思いますが、一方的に自分だけが得をしてやろう、という心持ちでの人付き合いは控えたいものです。

束の間つきあい
江戸の人々は見知らぬ人も仏の化身と考え、たまたま渡し船に乗り合わせたり、店先で顔を合わせると、和やかに軽く挨拶を交わしたそうです。
せっかく、居合わせたのだから共に過ごしたひとときを大事にしようという心持ちから産まれたのでしょう。

他にも「江戸しぐさ」は沢山あります。
もっとも、現代と江戸時代では、当然、時代背景が違いますから、そのままでは真似出来ない事も沢山あるでしょう。
しかし、「周囲の人を慮る気持ち」は、時代が違っても大切だと思うのです。

上手に周囲と共生していく知恵を、誰もが実践できる簡単な「江戸しぐさ」から学んでみませんか。
自分も頑張ります!