週末ソウル

見てきた夜を全て教えて。

『その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件』新潮45編集部

2005年11月29日 | 読書
暗い気持ちになるし怖くなるのに、また読んでしまった・・・。

特に興味深い事件は、やはり「日野OL放火殺人」でした。
夫の愛人(日野OL)に自分の子どもを放火によって殺された夫婦が、
その後も別れずに、しかも更に二人も子どもをつくっていること。
人間の業って深い・・・なにが善でなにが悪か・・・。
いや、とにかく殺人を犯したOLが一番の悪なのは確かなんだけど。
とにかく一番怖いのは人間。


その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件

新潮社

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『ハルカ・エイティ』 姫野カオルコ

2005年11月27日 | 読書
戦前戦中戦後を生きてきた80歳のハルカさんの歴史小説。
ハルカさんは好感持てる女性で昭和の描写も興味深かった。

だけど、始まり方にしては、終わり方が唐突というか・・・。
もっとハルカさんの違う部分が知りたかったのに、枝葉が多くて。
きっと姫野さんは、昭和の様子を正確に表現したくて色々盛り込んだんだろう。
晩年(まだ生きてるか)のハルカさんの(男性関係の)奔放さ、
それに繋がるような彼女の経験がまったく見えてこなかったのが残念。
あと、80歳のハルカさんが亡くなった旦那様へ感じている愛情の深さも、
結婚生活の描写があれだけではいまいちぴんとこない気がする・・・。

自分の叔母さんがモデルになっているとのこと、
とても前衛的できれいで素敵な女性だったんでしょう。
姫野さんがこの小説で書きたかったことはわかった気がします。


ハルカ・エイティ

文藝春秋

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『離婚ッ!』 安彦麻里絵 他

2005年11月24日 | 漫画
みんな離婚してるなー。
そういうテーマのエッセイ漫画だから当たり前だけど。
でも「なんでこんな人と結婚したの?」って思ってしまう。
なにか恋には魔法があるんだな。盲目になり、すぐ覚める。
離婚は結婚の何倍もエネルギーがいるっていうのはよく聞くけど
こうして他人の経験を見るにつけ、本当にそうなんだろうと思う。
あたしは自分の場合を想像するだけで面倒くさくて、萎えてしまう。

離婚ッ!―まるごと体験コミック

飛鳥新社

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『ある朝スウプは』@多摩映画祭

2005年11月23日 | 映画
もう、人目を憚りながらも涙と鼻水がだらだら出て止まらなかった・・・。
いま思い出しても苦しくて泣けてしまう。つら過ぎる映画。

どうしてこうなっちゃうの?
なんで男はこんなに弱いの?女はそれを守らなくちゃいけないの?
そんなことをぐるぐるぐるぐる考えていた。

一番好きな人と話が通じなくなる。
一番分かり合えていたはずの人が理解できなくなる。
どれだけ話しても伝わらない。違う世界に行ってしまった人を引き戻せない。
これって、あたしにとって一番のホラーかもしれないと思った。
そういう意味で、この映画はとてもかなしいホラー映画だ。

二人がお互いの髪を触りあうシーンが目に焼きついて離れない。
嗚咽がもれるほど泣いてしまった・・・。
そして最後の朝食での「他人なんだね」という彼女の台詞・・・。
他人なんだって、もちろん知ってる。それは誰だって知っている。
でもそれを目の当たりにして言葉にしなくちゃいけない状況の怖さとか哀しさ・・・。
この映画は、この二人が夫婦ではなく恋人同士だというところが、よりつらい。
それは、夫婦だったら他人じゃないってことではもちろんないんだけど・・・。

観終わったあと、いろいろ彼に話しかけたかったんだけど、
(あたしはどれだけ君のこと知ってるのかな、とか、あたしは君を捨てないから、
とかそういう陳腐なことでも、そのときは話しかけたかった。)
でもそんなこと言ったら激怒されるだろうからやめておいた。
なんせ、「どうしてこんな映画を僕に観させるの・・・」とテンション激落ち、
「もうこの映画については、一切話さないからね」と宣言されていたので。

監督の高橋泉さんは、自分のことを「日常障害者」と称していた。
あたしはこういうことを言う人が、普段は大キライだ。
だって、みんなそうじゃない。みんな、生き難く感じながら、
社会と適合できない自分を感じながら、それで普通に生きてる。
それを敢えて言葉にする人が(むしろ自慢げに)、あたしは恥ずかしい。
でも、この監督の言葉には、「確かにこの人は生き難いかもしれないなぁ」
と、そう思ってしまった。それはただ、この人の「才能」において。

いい映画を観た。無理して永山まで行って良かった。
帰りに彼を励ますのに苦労したけどね・・・。

『星ノくん・夢ノくん』@多摩映画祭

2005年11月23日 | 映画
TAMA CINEMA FORUM 「PFF出身の作家たち」特集2本目。

こちらは『バーバー吉野』の荻上直子監督のPFF入賞作品。
『バーバー吉野』はすごく楽しくて好きだったので、これも観る。

宇宙から修学旅行にきた星ノくんと夢ノくんが、
地球で出会った失恋したての女の子と過ごす一日。ちょっとロードムービー?
あたしにはこの奇想天外さがスレスレのところでした・・・。
でも彼はニコニコして観ていたので「あーこの人はこういうの好きだよな」と
ちょっと安心しつつ不思議な気持ちで横顔を眺めていた。ふふ。

作家で言うと栗田有起みたいな感じ。(この意見は彼と一致した)
ばかばかしい夢みたいなお話。

『WEEKEND BLUES』@多摩映画祭

2005年11月23日 | 映画
TAMA CINEMA FORUM 11/23は「PFF出身の作家たち」特集。

この『WEEKEND BLUES』は『運命じゃない人』の内田けんじ監督の初期(?)作品。
なるほど、この作品から更に洗練されて更にエンタテイメント化したものが、
あの名作『運命じゃない人』になったんだなー、って納得した。
なんというか、ストーリーのギミックというか伏線張りが好きなんだね。
あと、結婚詐欺の女の人が好きなんだね、監督。あ、その反対かな?

あたしは主演の中桐さんという俳優が面白くてクスクス笑ってたんだけど
うちの彼はこの映画はあまりお好みじゃないらしく退屈してるご様子でした。
たしかに、最後の種明かしの回想部分はちょっと長くてあたしも飽きそうだった。

自主映画っぽい雰囲気が漂いながらも、なかなか面白い映画だったと思う。


『殺人者はそこにいる-逃げ切れない狂気、非情の13事件』 新潮45編集部

2005年11月20日 | 読書
何も読むものが無くて、とりあえず本屋さんに出掛けたんだけど、
本屋さんに三時間くらいいても何も選べず途方にくれ、あげくこれ。
ほんとは軽い漫画かなんかを選びたかったんだけどな・・・。

また、幾つもの「殺人事件」に詳しくなってしまった。
同じ人間とは思えない人がこんなにいる。ほんとホラーだよ。

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件

新潮社

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『ガール ミーツ ボーイ』 野中柊

2005年11月18日 | 読書
夫が突然失踪したあとの母子家庭の物語。
悲壮さはそれほどなくて、周囲の人たちとの関わりが明るい。
お母さんの子育ての仕方も共感でき、男の子は可愛い。
男の弱弱しい勝手さ、本当にばかばかしいなぁ、って思う。
どんな場所でも、女の人のほうが強いんだよねぇ、と改めて思った。

結構好きな小説だった。併録の、子ども視点の短編も良かった。
ただやっぱり、タイトルがよくわからない。
もっといいタイトルありそうだけどなー、と野中柊はいつも思う。

ガール ミーツ ボーイ

新潮社

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『にぎやかな天地(上・下)』 宮本輝

2005年11月17日 | 読書
待ちに待った宮本輝の新刊。
あたしは宮本輝の新刊が出るのを楽しみに、普段の読書生活を送っている。
と言っても過言ではないかもしれない・・・。言い過ぎかな・・・。

概ね満足しました。
ほんとは「あれはどうなったの?この人はどうなったの?」と
まだまだ続いてほしいくらいだけど、言葉が多ければいいってもんじゃないよね。
いつも主人公の男の人が時代にそぐわない特殊な職業(大抵自営)に就いてるけど
そこもまた宮本輝大先生らしく、奇想天外さがとても面白い。

次回作は二年くらい先かしら?
それまではまた、大事に既刊本を読み返して待っています。


にぎやかな天地 上

中央公論新社

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にぎやかな天地 下

中央公論新社

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『半径50センチのできごと。』 oka-chang

2005年11月16日 | 読書
ミクシーというSNSで「友人の友人まで公開」されていた日記。
それを「全体に公開」したのが本書ということ。そのまま横書き。
ちょうど芸者を辞めたり離婚したりの時期の日記のようで、
なかなかいろいろつらそうだったり、それを払拭しようとしてたり。

ミクシーにいるのかぁと思って検索してみたら、いた。
でも相変わらず日記は「友人の友人まで公開」のようで、読めなかった。


半径50センチのできごと。

主婦と生活社

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