まずは木下正道さんの作品をご紹介したいと思います。

後列左から2番目の方です。
武生国際音楽祭ではもちろんですが何かしらお世話になっており、これまでに姉はX[iksa]で「愛の糸」やトリオの作品(2009年のPATH公演)など初演、私はオーケストラ作品「問と炎」を初演させていただきました。
リラックマ好き、そして基本的に菜食主義というのもファルファーレと共通しています(笑)
作品のタイトル:「 水の記憶を失った海の子供たち IV」
Les enfants de la mer qui ont perdu la memoire de l'eau IV
タイトルは、エジプト生まれでフランス語を話すユダヤ人の詩人(国籍はイタリア)、エドモン・ジャベスの詩句から取りました。「水の記憶を・・・」は、同種楽器、もしくは非常に近い発音原理をもつ楽器同士のアンサンブル作品シリーズです。リコーダーと尺八のための「I」、フルートと尺八のための「I-b」、打楽器四人のための「II」などを既に作曲しました。今後も幾つかシリーズとしての作曲を予定しています。
この「IV」では、2つのハープが、それぞれ固有の調弦の中でそれぞれの世界を作りつつ、お互いに対話していきます。つかずはなれずの関係を維持しつつ、実はお互いを真似ようともしているのですが、それは厳密には真似にならず、両者はわずかの共通点の中に一つの場所を見出そうとします。それらは
極めて密やかな対話、時々口ごもりながらも何とか意思を伝えようとするような、幾つもの迂回路を通るような直接的な意味を剥がれたような何かです。それらは幾つかの音風景を巡回しながら進みますが、やがて時は経ち、お互いに交歓し合おうとしたのもつかの間、音楽の時間/空間の中に沈黙が旋回し始め、ゆっくりと全ては消尽していきます。(木下記)
プロフィール
木下 正道 (きのした まさみち)
1969年福井県大野市生まれ。ブラスバンドとハードロック/ヘビーメタルの経験の後、東京学芸大学で音楽を学ぶ。武満徹作曲賞(2001年)、文化庁舞台芸術創作奨励賞(2002年)、現音新人賞(2003年)などに入選。現在はアコースティック楽器のための作曲、電気音による即興演奏、尖鋭な演奏会企画の三つの柱で活動を展開。2013年は、メキシコでのコンポーザーインレジデンス、秋吉台の夏2013招待作曲家、武生国際作曲ワークショップディレクターなどを務める。なお武生国際音楽祭には2001年より毎年何らかの形で参加し、2005年からは毎年作品 (主に新作)が演奏されている。
http://soundcloud.com/masamichi-kinoshita/les-enfants-4-for-2-harps?utm_source=soundcloud&utm_campaign=mshare&utm_medium=email&utm_content=http://soundcloud.com/masamichi-kinoshita/les-enfants-4-for-2-harps