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ハーレムワールド/HARLEM WORLD

いつかはどっぷり浸かってみたかったニューヨークのハーレム。秋には現地からハーレムと黒人文化についてアップする予定です。

ジャンプできない白人、泳げない黒人

2006-06-25 16:42:07 | ブラックカルチャー
バスケットボール、野球、フットボールや各種陸上競技での活躍に比べ、水泳界に黒人選手がほとんどいないのは何故か。2000年シドニーオリンピックの100メートル自由形ではムサンバニという赤道ギニアの黒人選手が颯爽と、というにはほど遠く、よたよたと泳いでいた姿をご記憶の方もいるだろう。彼の記録は1分52秒72で、優勝したオランダのP・ファンデンホーヘンバンドの48秒30の2倍以上という超スロースピード。

私は黒人と付き合いがある頃からなぜ泳げない、泳ごうとしない黒人が多いのか不思議に思っていた。理由は幾つかあるが、今回インターネットで調べてみてわかったのが身体的理由。

「黒人アスリートはなぜ強いのか―その身体の秘密と苦闘の歴史に迫る/Taboo : Why Black Athletes Dominate Sports and Why We Are Afraid to Talk about It (タブー:なぜ黒人アスリートは強いのか、そして、なぜ我々はそれを語ることをためらうのか)」」(ジョン・エンタイン/創元社)に、こうあるそうだ。

「アフリカの西アフリカ出身は短距離・跳躍系に強く、エチオピア、ケニアなど東アフリカ出身は長距離系のランナーに向く」。

アフリカ系アメリカ人のルーツは西アフリカ。西アフリカ人の筋肉には、速筋繊維と、酸素を必要としない酵素が多く、ほとんど無呼吸で走る短距離走に向く。一方、東アフリカ人の筋肉は、乳酸のような疲労物質を作りにくいので長距離に向くのだそうだ。

水泳に関しては、黒人は骨密度が他人種より高く、非常に筋肉質なので体重を支えるだけの浮力が得にくいというのだ。

その他の理由としては、黒人は髪が濡れると逆立ってしまうので特に女性にはプール嫌いが多いと言われるが、「キング・オブ・コメディ」でもセドリックが「白人女性は泳ぐ、だけど黒人女性は髪が濡れるのを嫌うから泳がない」と言っていた。案外信頼できる説かもしれない。

差別により、黒人がプールに入れなかったという事情もある。アメリカでは屋内プールがある会員制の水泳クラブには白人の(という決まりはないにしても)金持ちしか入れないとも聞く。それでは黒人の水泳人口も増えないし貧乏な黒人は選手になれない。

また、水泳は「金にならない」ので貧しい黒人達には魅力がない。よって黒人スイマーの数は増えない。

「食えない」という事ではこんなエピソードが日本にもある。55歳で他界した「貴ノ花」改め二子山親方は中学時代は水泳選手だった。3年生の時に全国選抜中学水泳大会100mバタフライで中学新を記録し、将来のオリンピック選手候補に挙げられたが、「水泳では飯を食えない」と言って相撲を選んでいる。

スポーツには身体的適性があり、金とも密接な関係があるのだ。

追記
“White man can not jump/白人は跳べない”は、NBAの黒人プレイヤーが白人プレイヤーを揶揄する言葉。同名の映画もある。


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