創造せよっ!

アップル社とアイポットのクリックホイールの件で特許訴訟中の発明家齋藤憲彦が物申します。主に延々と続いている訴訟について。

アップルとの事

2014-10-13 18:17:23 | 訴訟
皆さんごきげんよう。

遂に真打登場っ

●アップルとの事

 私はとりあえずアップルジャパンに連絡をとってみることにした。
あれはたしか平成15年クリスマスの少し前の事である。
どうしてその時期に電話したかというと、アメリカでは一年のうちクリスマスプレゼントのシーズンにとてもたくさんのプレゼントが売れる。
一年のうちの販売量の何割もがこの時期に売り上げとしてあがるという事を知っていたからだ。
日本においても、クリスマスや暮れのボーナス時期、暮れ正月お年玉シーズンということで、この時期にIPODが一番売れるだろうと思い、クリスマス前にアップルと話がつけばいきなりビジネスになって、お金が儲かり、現状の生活が楽になるだろうというあまりにも単純で安易な考え方であった。(このときは、まさか自分がサンタクロースになろうとは思いもよらなかった。)

たとえ侵害しているとしても、相手は大メーカーである、いや世界のコンピューターワールドの牽引者の一人でもある。
そう簡単に話がとおるはずは無いとは思ってもいた。

おもむろに電話をかけると、先方の交換手が出て特許の話を始めると、なんだかちんぷんかんぷんな様子である。
とりあえず技術的な内容ならば、ということで、カスタマーサポートの技術部門ではなかったかと思うが、ある技術の多少わかる担当の女性の方がでた。

当時のIPODはリング状のタッチセンサーでそのリングの中央にタッチセンサーのボタンが一つ搭載された旧型のIPODであった。
実は、これも私の特許の中に含まれている。
ただし、今思えば、この部分だけでは特許として完全に成立するかどうかは不明である。
しかし、出願書類の中にはこの構成も完全に含まれている。

それで、その女性の技術担当の方に、御社のIPODは私の接触操作型コンピュータの特許に抵触している可能性があります。
ご検討をお願いしたい。と言うと上司と相談してもどってきた。
「こちらはアップルの日本支社ですから、そのような内容にお答えする権限がありません。米国本社の法務部門の電子メールアドレスをお教えしますからそちらに問い合わせてください。」という返事であった。
この返事はアップルの日本支社にはその権限がないので責任はすべて本社サイドにある。という内容なのであるから今思い返しても何かがおかしい。
権限を与えていないということは、確かに責任は本社にあるはずである。

しかし、何だか妙である。
日本サイドの中間会社が特許関連で起こった問題には責任があるのだから、その中間会社が私の質問に答える責任があるわけである。
それにもかかわらず、アップルジャパンは本社の法務部門にしかその権限が無いと返答しているのだから中間会社に対して、そもそも損害を押しつけられる道理が無いし、その責任を負う事自体が不可能なのである。その責任を負う権限をとりあげられているのだから。

まあ、しかし、それを聞いて私はこう答えた。
それはおかしいですよ、この特許は日本で出願した日本の特許なんです、ですからアメリカは何の関係もないんですよ。
アメリカ合衆国の国内にはこの特許は効力を及ぼさないんです。
日本で品物を販売している御社に影響が出る案件なんです。
アップルジャパンさんが国内においては責任をもたなくてはならないんです。
また上司のところに相談に行った。
もどってきて、それではとりあえず特許番号を教えてください。というので、関連する特許は数本ありますけど、その中で一つといって、接触操作型コンピュータの特許番号を伝えた。
そして、こちらが「へたをすると品物が今の価格で販売できなくなっちゃうかもしれない大問題なんですよ。」
「とにかく、それなりの権限を持った人を電話に出してください。」
とそう言うと、また上司のところに相談にいってもどってきたが、
「上司もそのお話を受ける権限がありませんから、お話をすることができないのです。」と言い張る。
らちがあかないので、さらにこちらの電話番号を伝えて当日は電話をきった。
おいおい!いったいどうなってるんだ?これじゃ話が始まらないじゃないかと思ったが、しょうがなくほったらかしにしておいた。

それからほどなくして、平成15年の暮れか明くる16年早々ぐらいだったと思うが、突然電話が鳴った。
実はアップルに電話した件をすっかり忘れていたので電話を受けて驚いたことを覚えている。
なかなか、技あり一本という感じの渋い落ち着いた声で、
「もしもし斉藤さんですか?私アップルジャパンさんから依頼を受けた弁護士の○○と申しますけど、先日アップルジャパンさんにお電話あった件でご連絡いたしました。
ついては、私どもの事務所に来ていただいてお話を伺いたいと思います。
もし、それなりの内容の事であれば当方も考えなきゃならんでしょうし、お待ちしておりますので1月30日ごろいかかでしょうか?」
というので、内心ヤッターと思いながら、それでは1月30日そちらに伺います。と返事をした。

甲府の知財関係の方々とのやり取りから。

2014-10-12 17:13:11 | 訴訟
皆さんごきげんよう。

ここ数日連投です。実は、「創造せよっ!」という本の原稿は、ある目的の為に私が過去、ある時点で書き起こしてあったものなので、このブログはその原稿の中から訴訟に比較的関連していそうな部分をピーコしてるだけなのでした。


この頃始めてアップルにコンタクトを取り始めた。

ある日、特許流通アドバイザー還田さんが橋渡し企業の訪問の一環としてわざわざ甲府から河口湖の私のところにやってきてくれた。
そして、いろいろとこちらの状況や、特許の内容など聞いてくれて、励ましてくれた。
まず、私の様な小規模な体制で特許出願をした者のところに、M社のような大会社が先方から出向いてくるなどということは、一般にはありえないことで、そもそも、アップルの件以前に、それだけでもとんでもない事なのだと力説して、大いにがんばってやってくれと、そして協力は惜しまないと言ってくれた。
そして、発明協会としても、できうる限り協力することはやぶさかでないと言って帰っていった。
実際のところ、これにはかなり勇気づけられた。

そして、私が接触操作型入力装置の周辺特許情報を検索する為に、費用がかかるはずであったが、もちろん毎日キャベツと大根ともやしとサンマをおかずに食べている私にそんな資金があろうはずがない。
それで困っていると、リサーチアドバイザーの伊藤さんと還田さんで相談して、これは非常にすばらしい事件だからという事で、出願前に同様な物が出願されているか調査するために使う予算枠を、特別に融通してくれて、リサーチして報告書を作って下さった。(なんども来社された還田さん以外のアドバイザーさんは何人か代わっているのでお名前はややうろ覚えで何人か複数の方にお世話になりました。)
これが、後に、早期審査請求を行うときに非常に役立ったのである。
これがなければ、すんなり早期審査請求が出来なかった。

還田さんは、この後もなんどかやってきてくれて、いろいろと親身になって相談にのってくれて、”齋藤さんの件は、あまりにも大きくすばらしく、さらに目の前には大きな困難も待ち受けているから、エベレストに登頂するような物です。”などと言って、激励しながら、この特許のもろもろの件に非常に貢献してくださった。

山梨県工業技術センター内、山梨県知的所有権センター、特にアドバイザーの還田さん、伊藤さん、山本さん、そのほかに複数のアドバイザースタッフの方には、本当にお世話になった。

やはりこういった、特許庁以外で、相談にのってもらえる所が無いと、かなり一人で権利化の道を進むのは厳しい物があると思う。

特に地方におれば、なおさら情報も少ないわけであるから、こういった機関が無いと大変なことになる。また別の意味からいうと、東京にも発明協会があるが、押し寄せる人も多いと思うのであるが、私は都会を離れた地方にいたので、こういった方々の協力を得やすかったのであるとも言える。



クリックホイールになる前のタッチホイールとの出会い。

2014-10-11 20:23:52 | 訴訟
富士河口湖のおサルさんから

皆さんごきげんよう

前回からの続き

それからどのくらいが経過したであろうか、
ぼんやりと、自分の出願した接触操作型入力装置も全部で6本もあるし、6本分の請求項も合計で100を超えているから、審査請求なんて自分でする資金はとうてい出せないし、もうすぐ審査請求期限切れだし、こりゃあこの特許はゴミ箱行きだなぁと、頭の中でゴミ箱の中に入った特許公開公報をイメージしながら考えていたのであった。

ところが、ある日、東京へ出向いて、友人のうっちゃんとファミレスで食事をしていた。
すると、うっちゃんが、斉藤さんこんど僕こういう物買ったんですよと、
リング状のタッチセンサーのついた旧型のIPOD(クリックホイールになる前のタッチセンサーで出来たリングのついたやつ)を見せてくれた。
そして、その便利な使い方の講釈をしてくれたのである。
そして、その装置を見せられた私は、一瞬声を失った。
驚いた事に、そこには、自分の発明のコンセプトをそのまま実体化させた製品があったのである。
「クリックホイールになる前のタッチホイールの時点ですでに私の出願書類ではそれもカバーされていた。」
少しそれをさわらせてもらいながら、やはり、これは私のコンセプトそのものだと確信していた。
そして、なぜか、あきらめともつかぬ情けない気持ちになったのである。
”やれやれ、ついに俺の発明も、大手の企業に無断で使われちゃって、世の中が私に追いついてきちゃったんだな”と。
まったく、戦意が起こらなかったのであった。

たぶん、当時は、M電子部品の営業も失敗して、まったく人生に手がかりを失い、次の発明も考えてはいるものの、出願する気力も失い落胆の日々が続いていて、気力が萎えていたのだと思う。どのくらい気力が萎えていたかというと、当時住んでいた河口湖を一周して対岸に行ってみたことも無かったのである。まるで出かける気力も金も無かったのだ。

そういう事があってからしばらくして、東京の母から電話があった、カテキンを使った洗浄剤がテレビCMに出ている。
その会社に問い合わせて特許出願番号を伝えて検討してもらっている。と、
”これはあたしの特許だから、なんとか手をうってくれ”というので、”まだ審査請求していないのだから、審査請求しなくちゃ駄目だよ”と答えると、”じゃあさっそくやってくれ”と言う。
ものすごい戦闘的バイタリティである。
そのバイタリティに影響を受けて、そういえば、俺も接触操作型入力装置という物がIPODに使われていたなと思い出したのである。いっちょやってみるかと言う気になってきた。

それで、まだ一度も審査請求というものをやったことがなかったので、河口湖から一番近い発明協会をさがしたのである。
あったあった、甲府に発明協会がありました。(正確には、山梨県工業技術センター内、山梨県知的所有権センター)
それで、甲府の発明協会に行って相談してみることにした。
すると、甲府の発明協会のリサーチアドバイザー(正確には、特許情報活用支援アドバイザー)の方が、甲府の商工会議所でやっている発明相談会で弁理士の先生が相談に乗ってくれるから、そこへ行って相談にのってもらうとよいと教えてくれた。そして、相談会の日にちと場所と時間、申し込み連絡先を教えてくれたのである。
さっそく、スケジュール通りの日にちに予約をいれて、相談会にいってみた、
弁理士の浅川先生がいた。
まず、母のカテキン入り洗浄剤の特許公開公報を見せて、内容の説明を行い、どうでしょうと尋ねると、過去の出願の中に同じ物があるか調査しなくてはならないでしょう。と
そして、“まあこんな簡単な物だから、だめじゃないですかねぇ”と言うと、”まあやってみない事もないでしょうな”との回答である。
淡々と、質疑応答が続いたのである。
それが終わって次に、”これは母が考えた物なんですが、私が考えた物もあるんですよ、
実は、これは今アップルさんが発売していて話題のIPODのリング状の入力装置とその小型携帯端末の特許なんですよ”と、ついでに持って行った自分の方の出願書類6通を見せてみたのである。
それで、”ほら、この請求項の何番を読むと確かにタッチホイールの機能構造を包含してますでしょ”と、言うと、
渡した公開公報を読みながら、
”あっホントだ、たしかにこれはIPODのまるいとこの入力装置の事を言っているね、
斉藤さん!すごいのも出してるぢゃないの!”と、
さっきまでの調子とはうってかわって、驚いた様子で、のたまわった。
実は、その様子を見て、このとき私もうれしかったんですよ。しかも自信が出てきて勇気百倍。
とりあえず、相談に乗ってくれたお礼を言い、その場を辞し帰宅した。

そして、甲府の発明協会にはその後、何度か行くことになった。
まず、リサーチアドバイザーの方に相談に乗ってもらって、カテキンの関連する過去の特許の調査の方法を教わり、おいてある調査用のデータベース端末を使ってリサーチしてみた。
すると、なんてこった、こちらの出願半年前に、カテキンを使った洗浄剤の特許らしき物の出願情報がヒットしてきたのである。
残念でした。
次に、接触操作型入力装置の特許の情報をリサーチしてみた、いろいろと出てきたけれど、ど真ん中をついて、同じ物は見つからなかったのであった。
そして、今私の持っている特許はアップルのIPODの特許であって、アップルとライセンス契約をしたいのですと力説すると、事情をわかってくれて、それでは、企業と特許権者の橋渡しをすることが担当の特許流通アドバイザー還田さんを紹介してくれた。

さらに、あくまでも特許情報検索のスペシャリストではない私がリサーチしてみただけなのでこころもとない。そういってリサーチアドバイザーの方に相談すると、プロに頼んでリサーチするとかなりお金がかかるのだと言う。
とりあえず、その日はそれで帰った。

特許出願後一年半たったある日

2014-10-10 19:00:37 | 訴訟
皆さん、ごきげんよう。

久しぶりに、「創造せよっ!」から訴訟に関連する部分より。


●特許出願後一年半たったある日

この頃、実家から引っ越して私は一人で富士山の麓、河口湖のマンションで生活していたのだが、ある日、M電子部品という会社から電話があった。
今までまったくつきあいの無かった会社からの連絡だったので、「おかしいな、Mなんて銀行には借金は無かったはずだがなぁ」とボォッと電話を受けたのであるが、
話を聞いてみると、どうやら特許の件で電話してきたらしいということがわかった。
しかも、すでにこの特許をどこかの会社とがっぷり四つで一緒に展開しているのかどうかと、息せき切って尋ねてきたので、いやまだどこの会社ともやってはおりませんと返答すると、ぜひお会いしたいということで、できるだけ早いタイミングで打ち合わせをすることになった。
打ち合わせは、父の新宿の会社の事務所ですることになった。

どうやら特許出願した書類が一年半たって公開公報に載せられて、外部の人間でも閲覧できるようになったため、それを見て慌てて連絡してきたらしい。

数日後、打ち合わせのために新宿に出向いていった。
M電子部品からは、特許専門の知財担当の方と電子部品関係の企画担当の方の2名が来社された。
わざわざ、M社の総本山の住所位置にある会社、大阪から、こちらの東京新宿の小さな事務所に来ていただいて、おせんべいの菓子包みのお土産まで持って来ていただいて非常に恐縮であった。
まずは、こられて話が始まると同時に、どういうご希望なのでしょうかと尋ねると、私の出願した6本の特許を抱きかかえるようにして、「これが欲しいんです。」と、のたまわった。
このとき、私は天下のM社のグループ企業の担当の方が先方よりわざわざ話を聞きに来てくれただけでも、実際のところ天にも昇りたい気持ちであった。

入力装置の話で、未来の携帯電話として、ネックレスのような形をしていて、言葉で入力するような物も発表されているが、その弱点として、人前で私信を大声で読み上げる者はいないという話をし、
また現在のスイッチやジョグダイアルキーなどの指先入力検知技術から、音声入力技術という入力方式の間には海や山のような大きなへだたりがあり、まだまだそこには永遠の長い距離があって、われわれ入力装置の発明・開発者には、そこがまた未知の領域であり、宝の山でもあると言う話をすると、まったくそのとおりだと、大いに雷同して興奮して話は続いた。
そして、企画担当の方がいまにもなんとか権利を押さえて確保するという意気込みになったので、知財担当の方が、まぁまぁそうあわてなさんなと、とりあえず前向きに協力してがんばってみましょう。まず、この特許の内容でこの入力装置が売り物になるか営業をかけてみますと言われて帰っていった。

M電子部品の来社は、私自身も自分の置かれていた状況が余りにも厳しい状況であったので、私にとっては非常に喜ばしい事だった。
天下のM社が先方からやってきてくれたのだから。

このことを母が叔母に話すと、よかったねぇと叔母が泣き出したと言うことであった。
一族としては、それほどに大きな事件であったのである。

それから1年ほど待ったであろうか、しびれを切らせて電話をして状況を聞いてみると、部品メーカーとしてがんばって営業して、あらゆる装置メーカー、特に携帯電話メーカーに営業をかけてみたのだけれども、そのすべてのメーカーで、断られたと言うことで営業は失敗したとの事であった。
その理由を聞いてみると、明確なクリック感のあるプッシュボタンや、指先での転がし感のあるジョグダイアルの樹脂で出来たリング等と違って、この様なヌルリとした操作感の入力装置は、小型携帯端末にとって不向きであってエンドユーザーには受け入れられないと言うことを言われて、まったく受け付けてもらえなかった。とのことであった。
今日現在においても、このような小型携帯端末の製造メーカー等の当業者の思い込みは解消されておらず、各メーカーの企画部門や設計部門では、なかなか接触操作型入力装置は受け入れてもらえないようである。

別の観点から見ると、実は、このことは接触操作型入力装置を発明する上で、極端に大きな阻害要因となっていることは明白であった。
その当時の当業者であれば、このようなヌルリとした操作感の入力装置は、エンドユーザーに受け入れられないのは当たり前であると思い込んでいるから、絶対に思いつかないのである。
要するに、接触と言った瞬間に設計部門も企画部門も拒否反応が出るということだったのだ。

ともかく、営業的に失敗してしまったので、これ以上話は進みませんという返事だった

国内メーカー各社への売り込み

2014-09-22 17:24:32 | 訴訟
皆さん ごきげんよう

 前回は、接触操作型入力装置について、出願するところまでお話しましたが、
出願してすぐに、国内各メーカーに売り込みを開始しました。
以下は私が昔書いた「創造せよ!」という本の原稿から抜書きです。

そして、営業にかかった。
新型の携帯電話用複合スイッチとして企画書を作って、大手電機メーカーに電話をかけ、企画書を送りまくった。
もともと私の営業方針は、私もしくは私の会社のみの得意分野を定めて、その事の優位性を武器に、いきなり切り込んでいくというスタイルであった。
今回も、この特許は日本で、いや世界で私しか権利を確保できないはずであるから、その事により、かならず相手は振り向いてくれるだろうと、知り合いの無いメーカーについては、イエローブック(電話帳)でいきなり切り込んでゆく。
もちろん飛び込みはがんがんお断りをくらう。

ある会社は、企画相談係につながって、その場でお断り。
ある会社は、企画相談係につながって、企画書を送る。そして、今回は残念ながらご採用に至りませんでした。またどうぞ。(このケースが一番多かった)
N社は企画書を送るなら、その特許について最初から全部こちらによこせ、それに了解でなければ、企画書はいらない。と言ってきたので、企画書も送れなかった。
M社は、会って話しをしようという連絡を受けて待っていたら、また電話があって”やはり会えなくなったごめんなさい”で終わってしまった。
F社は、知り合いのつてをたどって、それなりのセクションの部長さんにまでたどり着いたが、担当部署に問い合わせると、この入力装置を採用するのはムリだとの返答があったとのことであった。
K社は、携帯電話のセクションの企画部にたどりついたが、面談に行って話すと、面白いとは思うが、我が社の部品開発部隊は、カメラ部門にべったりで動いており、部品パーツとして完全に製品化して持って来てくれれば、検討の俎上にはのるかもしれないが、そもそも物がなければ、それも無理であると。
S社は、知財部門に企画書を送ったがぜんぜん返事がこなかったので、直接内部に切り込んでいって、携帯電話のやはり部長さんまでたどりつき、”面白いのでまず意見交換をしたいが、そんなことをしたことがないので知財部門に同席してもらわないといけないかもしれない”ということで、待っていたら、いきなり知財部門から電話がかかってきて、”あなた我々をだしぬいて直接やりましたねっ”とすごい剣幕で怒られて、”そんなことならあなたの企画はこれ以上取り扱いませんよ”と言われ、ぺこぺこ謝って、とりあえず企画書は回覧してもらったが、採用には至らなかった。そこで意見交換しておれば、いまごろ・・。

携帯電話のキャリアなどは、いったいどのセクションに話しをしたらいいかの検討もつかなかったのであった。

さらに、それ以外にも、いろいろと営業してみたのであるが、ついに一社も採用に至らなかったのである。

こりゃダメだ。