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谷根千 桜と気まぐれ!

1日1回は感動しよー!をモットーに本音と建前を織り交ぜながら書くぞー!

Kへの伝言

2008年06月27日 01時59分51秒 | 人から広がる
Kは初めて会った時から変わっていました。
自分をカルロスと名乗り、なぜ自分がこのお店を作ったのかをとつとつと語り始めるのです。
曰く、自分は飲むのが好きだけど本当に居心地のいい空間のお店がないので自分で作ってしまおうと思った。
曰く、友人に手伝ってもらったけど内装はほとんど自分の手で作った。
曰く、自分がいい気持ちで飲む事が第一の目的だ。お客さんにも同じ心地よさを感じて欲しい。

何回か通う内にKと打ち解けていろいろな話をしました。
共感を持ったり、反発したり、ちょっと口論もしたりして。
自分自身とてもびっくりした事は、かつて誰にも話した事ない僕の内面を彼だけには自然に話せるようになっていたことです。
誰も知らない僕の本音を知っている唯一の人です。

Kは僕の人生に大きな影響を与えました。
普段の忙しい生活の中で自分に言い訳する癖がついた僕に、自分を振り返るきっかけをつくってくれました。
とてもシンプルで誰でも知っている事。
でも知っているだけでは意味のない事。
人を愛し、
自然を愛し、
物を愛し、
そして形無いものも愛する。

Kは人前でもよく「愛」を口にしていました。
そんなKを好ましく感じない人もいましたが、
僕はKの事が大好きでした。
僕だけでなくKは沢山の人に好かれています。

Kは人の受け売りではなく必ず自分で考えた言葉で語る人です。
こだわりのある人でしたが、人の考えは否定せずまず受け入れる人です。
「愛」についても自分で考え抜いた結果を言葉にしていました。
彼自身が言動一致しているかというと必ずしもそうではなかったのですけどね(^^)
僕が彼を好きだった理由は彼の語る言葉が素晴らしいからではないのです。
今自分が出来ていないかもしれないけど、
いつかそうありたいと願い、
人の善性を信じて
声を大にして愛を語るからなのです。

とても勇気のいる事ではないでしょうか?
「自分が出来ていない事を口にするな」
「現実はそんな甘いものじゃないよ」
「理想だよね。言うのは簡単だよ」
誰でもきっとこう思うでしょう。僕もそう思いました。
Kもそんな反論は承知していたと思います。
しかし、その反論の先に何があるのでしょう?

現実は違っていても理想に向かって生きてゆけるのが人間です。
結局死ぬ直前でも理想は実現しないかも知れませんが、それに向かって半歩ずつでもいいから努力する事が生きる事の意味ではないのでしょうか?
彼がそう考えていたかどうかは聞いた事はありませんが、僕はKからそれを学びました。
いや、学んだというより思い出しました。
子供の頃は何かを信じて生きていたはずなのに、知識の倉庫に仕舞いこんだままいつの間にか忘れていたのでした。

Kと出会って5年。
ちょびっとだけKに近づけたなと感じています。
Kは天へ召されてゆきましたが、
僕がKからもらった気持ちを忘れない限り
僕の中でK生き続けるのだと思います。

どうもありがとう。K。

はらしま

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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私も「ありがとう」 (junko)
2008-06-27 17:54:11
 まだうまく言葉に出来なくてみのるさんの伝言に、「うん、うん、そうだったね。」と頷いてます。
 すごくみんなに会いたいです…。
 
返信する
はらしま (junkoさんへ)
2008-06-28 23:46:51
いろいろありましたね。
それぞれの人の中に様々な形で残っていることをみんなで語り合いたいですね。
返信する

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