本日のトピックは、原子力発電所に関する博物館を訪れたことの記録です。写真がたくさん出てきます。「そんなもの見たくはない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いま原子力発電に関して学べる施設の紹介ということで、どうかお許しいただきたいと思います。
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さて、その博物館とは、中部電力が運営している「浜岡原子力館」という施設です。もちろん、原子力発電の必要性と安全性を訴えるために作られたものと考えていいでしょう。この施設がいま、来場者を迎え入れているのかどうか、ということで、グループホームに居住している養母の見舞いの帰り、実母とともに立ち寄ってみたのでした。
この施設は子連れファミリーでも学べるように作られていますが、大人が見ても、学べるところはたくさんあると思います。ただ繰り返しになりますが、あくまでも中部電力の PR 施設であるということは、念頭に置いておいた方がいいでしょう。
入口には写真のような貼り紙がしてあり、ちょっと緊張しそうですが、少なくともきょう春分の日の午後は、子ども連れやカップルが訪れる、平和でにぎやかな博物館でした。
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エントランスホールでは、浜岡原子力発電所の現状に関する展示が目に入ります。1~5号機の現在の状態や、周辺に設置されているモニタリングポストの状況を説明しています。
順路に沿って進むと、まず地球規模でのエネルギーに関する説明から始まります。展示の仕方を見てみると、原子力発電の必要性を4つの理由で説明しています(写真)。
眺めのよい展望台があるので、横幅の広いエレベータで母と一緒に上がってみました。発電所の施設がよく見えますし、太平洋や街の風景なども見下ろすことができます。
ちょっと、興味を持ったのが「ここは海抜62メートル」という表示です。どう感じるかは人それぞれですが、地上37メートルの展望台の高さを海抜で掲示するというのは、なんとなく違和感が残りました。
発電所全域としてみると、だいたい海抜12メートル以上あるようですが、原子炉建屋の敷地は海抜6~8メートルのようです。
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ふたたび幅広のエレベータで展望台を降ります。このエレベータの特徴は、昇降中に実物大の原子炉模型を眺められることです。この実物大原子炉模型は、原子力館の1階部分に設置されているのですが、なにせ実物大ですから、かなりの高さがあります。これをエレベータに乗って上方からも見下ろせるのは、博物館として良い設計といえそうです。
この浜岡原子力発電所3号機の実物大模型は、説明のためいろんな部分が光ったり、制御棒などが動いたり、ビデオや音声で説明が行われます。おかげで原子炉の構造や各部分の役割について、非常にわかりやすくなっています。しかし今となってはその青白い光が、なにか少し、不気味に感じてきます。
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実物大原子炉模型の周囲にも、いろいろな展示が並んでいます。ペレットや燃料棒、5号機の 1/20 模型、タービンを回す蒸気の冷却に使用する、海水の温度差を体感できる装置、そして制御卓などです。制御卓のところには、記念写真用に顔部分をくりぬいた作業員の人形が置かれています。
スイッチやメータ、モニタ画面などがたくさん並んだ制御卓を操作するようなシーンは、男の子ならほぼ間違いなく憧れるシチュエーションです。制御卓は東芝製です。
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このエリアを出るとき、お父さんが小さな子どもを抱きながら、原子炉模型を見上げていました。
ほかにもたくさんの展示、ミニ映画館のような施設、原子力発電所の「管理区域」をバーチャル見学してみるコーナー、地下500メートルへエレベータで降りて、放射性廃棄物の廃棄状況を見学(もちろんバーチャル)する設備などがあります。
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ということで、見学してきたことをザッとご紹介しました。当然、いろいろな感想や意見はあると思いますが、原子力発電について学んでみるということ自体は、決して悪いことではありません。もちろんこの博物館だけで原子力発電に関するすべてを俯瞰(ふかん)できるわけではありませんし、今後の展望と問題について示されているものでもありません。
しかし、原子力発電についてキチンと知らなければならない時代に生きて、立ち会っている私たちとしては、その取り掛かりとして、このような施設を訪れてみるのも有用ではないかと思います(入場は無料です)。
個人的には、原子力発電について考えるというだけでなく、日本という国全体のエネルギー問題についても考えをめぐらせてみていただければと思います。そうすることによって、原子力発電に関しても、日本と諸外国との関係を視野に入れたものの見方、考え方ができるようになり、より俯瞰的、長期的な考えができるのではないかと思うからです。
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見学を終え、東海道新幹線の掛川駅で土産物屋を歩いていると、目につく貼り紙がありました。
以前、掛川駅には「事実、原子力発電はCO2を出さない」というコピーを載せた、中部電力の広告が掲げられていました。それと比べて眺めていたのですが、この貼り紙、張り出した人や団体の名称が書かれていません。どうも、「こだわり」を持つ個人が、駅の通路に張り出しているようです。
【中部電力浜岡原子力発電所 浜岡原子力館】
http://www.chuden.co.jp/hamaoka-pr/index.html