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濱西慎一のTRAIN-BLOG

濱西が気になった鉄道関連の記事を書いていきます。

なぜ横須賀線だけ車両タイプが違う?~濱西慎一の好きな車両ベスト1 ~

2021-07-12 13:29:36 | 鉄道

濱西慎一が大好きな横須賀線の車両、E217系について語ります。

E217系(横須賀線)
[E217系(横須賀線)]

JR東日本の東海道線E217系が、2015年の3月に引退しましたね。でも、この事実には意外と気づいていない人も多いかも?


[E217系(東海道線)]

みなさんが東海道線といわれて思い浮かべるのは、E231系とE233系ですよね。おなじみの、オレンジとグリーンのライン。いわゆる、湘南色と呼ばれる車両です。

E231系(東海道線)
[E231系(東海道線)]

E233系(東海道線)
[E233系(東海道線)]

現在運行中の217系の概要

東日本旅客鉄道の直流近郊形電車であるE217系は、横須賀線と総武快速線で運用されていた113系の置き換え車両として1994年に営業運転を開始しました。JR化以来、近郊形車両として初めて4扉構造を採用し、車内の座席配置は通勤形向けのロングシート構造を基本にしているのが特徴です。

「スカ色」としてお馴染みの車両ですが、同じカラーを採用していた113系や115系が消滅してしまったため、現在スカ色の伝統を受け継いでいるのはE217系横須賀線・総武快速線のみとなってしまいました。戦後間もないころの80系までさかのぼる伝統色で、もとはイギリスのグレートノーザン鉄道の機関車を参考にしたものでした。それが、211系や現在の車両にまで受け継がれているわけです。

そして、これらにまぎれてこっそり湘南カラーで走行していたのが、E217系だったんです。E231系や233系との大きな違いは、前面の貫通扉です。これは非常時のために設けられたものですが、217系ではすでに廃止されたにもかかわらず、その痕跡だけがデザインとして残っているんです。横須賀線を利用している人なら、ピンとくるのかもしれませんね。そう、これは横須賀線の車両の色違いバージョンなんです。前面の貫通扉も、もとはといえば、横須賀の品川-錦糸町間のトンネルのために必要だったものなんですね。

横須賀線のブルーとホワイトのラインがオレンジと緑に塗り変えられた理由とは?

では、なぜ横須賀線のブルーとホワイトのラインが塗り変えられたのか。そのきっかけとなったのが、2004年の湘南新宿ラインの増発。それにともない、車両をすべてE231系へ統一。結果として、横須賀線の一部にE231系が乗り入れ、もともと走行していたE217系ははじき出されることになりました。

反対に車両が足りなくなった東海道線へ、2006年にE217系が3本転属されたわけです。その後、何度か横須賀線と転属を繰り返しますが、その間に走行していた湘南色のE217系は、それだけめずらしい車両だったんですね。残念ながら、2015年には完全に運行終了。東海道線はすべてE231系とE233系に統一され、二度とその姿は見られなくなってしまいました。もちろん、E217系はふたたび横須賀線に転属されて、今でも元気に活躍しています。

今後、横須賀線で使用する新型車両のタイプは?「E235系」が2020年度から順次導入中


[E235系(横須賀線)]

横須賀線などで使用のE217系が、2020年度以降、新造のE235系に順次置き換えが始まっています。横須賀線やJR総武快速線を中心に運行しているE217系は、導入からすでに30年近く経過しているため引退が近い車両として注目されています。

E235系は2015年から量産先行車として、2017年から山手線を運用している車両です。2020年から現在主力車両となっている横須賀線や総武快速線を運用するE217系が、E235系に置き換えられることになりました。車両数は11両編成が51本、4両編成が46本の合計745両です。

運用区間では以下のような営業運転で行われます。

  • 横須賀線:東京~久里浜
  • 総武快速線:東京~千葉
  • 総武本線:千葉~成東
  • 外房線:千葉~上総一ノ宮
  • 内房線:蘇我~君津
  • 成田線:佐倉~香取・成田~成田空港
  • 鹿島線:香取~鹿島神宮

E235系の特徴は?

E235系の車体は、現行のE217系と同様にステンレス製で最高速度は120km/hです。次世代列車情報管理装置である「インテロス(INTEROS)」を搭載し、大量データを扱ったり、車両設備を常時監視したりするなど、保守や故障予知として利用していきます。また、停電や異常時に車両が停車してしまうことを想定し、非常走行用電源装置も搭載されています。故障に強い車両にするためにモーターなどの主要機器は2重系で設計していることも大きな特徴です。

この他に車両設備として、空気清浄機、デジタルサイネージ、客室内防犯カメラ、ドア開閉ボタン、車椅子対応型トイレなどが設けられています。グリーン車には電源コンセントや無料公衆無線LAN、フリースペースなどが設置されていて、利用者の利便性を重視した車内設備が整っています。

E217系とE235系の比較

ここまで、E217系やE235系の特徴をそれぞれにお伝えしてきましたが、ここでは今一度E217系とE235系を比較して見てみようと思います。実際に2つの車両の特徴を比較してみると、以下のようになります。

E217系とE235系の比較
 

E217系

E235系

登場時期

1994年

2015年

設計思想

113系などの老朽化車両の置き換え

E217系などの後継車両、さらなる高性能化とバリアフリー化

車体

ステンレス製

ステンレス製

扉数

4扉

4扉

座席

セミクロスシート (一部車両)

ロングシート

前面デザイン

貫通扉を持つ独特なデザイン

シンプルでモダンなデザイン

内装

シンプルな内装

空気清浄機、デジタルサイネージなど、設備が充実

E217系の後続となるE235系は、見た目の違い以外にも加速性能や制動性能、省エネ性能が上がっています。バリアフリーにも配慮されていて、各車両にベビーカーや車いすを使う人が利用しやすいフリースペースが設置されているんです。ここにも色々工夫がされていて、例えば壁には2段の手すりや腰あてのクッションが付いています。

E235系の横須賀・総武快速線は、普通列車のグリーン車としては初めて公衆無線LANの導入と各座席へのコンセント設置がされました。全車がロングシートになったのもE235系からです。

濱西慎一の好きな車両ベスト1【E235系】

山手線では既に新造車両であるE235系が投入されていますが、2020年には全ての山手線車両に置き換えられました。同じように横須賀線・総武快速線にもE235系が順次導入が始まっています。このように新型車両が次々と導入されることによって、旧型国電車両が貴重な存在になりつつあります。



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