星野君これまでホームラン、2塁打、シングルヒットを打っていた。
あと3塁打を打てばサイクルヒットだ。
星野君は意気揚々とバッターボックスに入った。
カウントはノーストライクツーボウル。
ヒッティングカウントだ。
最終回同点で裏の攻撃ノーアウト満塁。
「良し、打つぞ」
星野君は思った。
その時監督はベルトを触った。
待てのサインだ。
「何でや」
ノーアウトやぞ。
同点やぞ。
サイクルヒットやぞ。
監督は落合のファンだったのだ。
「狙わなどうすんねん」
ピッチャー投げた。
ど真ん中に絶好球。
ブン。
星野君はフルスイング。
球は転々左中間。
走者一掃、星野君は3塁打でサイクルヒット。
チームも勝利。
しかし、サインを守らなかったことを理由に星野君は2軍に落とされた。
その後星野君に代わり監督の息子がレギュラーメンバーに入った。
チームプレー、団体行動。規律を守る。
それができない奴は結果にかかわらず、罰を受けるのだ。
星野君は大人になって家業のホテル経営に乗り出し、星野リゾートを日本中に作る大金持ちになった。めでたしめでたし。
監督は国民年金で質素な暮らしを続けた。
君はどう思う?