麹町レター

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ジャリ穴は蟻地獄

2005-08-14 14:05:22 | Weblog
今の京王線西調布駅は、昭和30年代には上石原という名前だったが、3両編成の電車が止まると、ホームは一杯になってしまうほど小さかった。
その駅から八幡様の脇を下ってジャリ穴までは、子供の足で30分くらいだったと記憶している。埃だらけの道は、時折ジャリを運ぶトラックが通ると暫くは何も見えなくなってしまうほどひどく、息を止めていられなくなると下の畦に飛び降りて深呼吸したものだ。近所の子供達の多くは、炎天下の道をトラックの真っ黒なチューブを転がしながら連れ立って、ジャリ穴に泳ぎに行く。当時の多摩川は大腸菌の数が基準より多く、学校からも遊泳禁止になっていた。学校には無論プールなどという上等はものないから、ジャリ採集の後にできた湧き水の溜まったじゃり穴が唯一の人工プールなのだ。本当は遊泳禁止だが。
魚やザリガニを釣ったり、泳いだり、湧き水で水がきれいな分冷たく、すり鉢状になっているのでスベリ落ちやすい。地元の子供でさえ年に数人も水死するが、怖さを知らない都内から遊びに来る人たちにとっては、さらに危険だ。私が遭遇した水死者の数は、10をくだらないほどだ。最も深いところは5~6メートルはあったと思うが、私でさえ藻に足をとられておぼれかけたことが2回ほどあった。
今では、埋め立てられて跡形もないが、当時ジャリ穴の周囲にあった朝鮮で、昼ごはんや水代わりに10円で買って食べたポップコーンとスイカの味が、今でも忘れられない。

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