茶房絵夢

日々の ではなく
一事の話を、とあることを、
書き連ねつつ
一期一会の うたかたの紀

蹴上発電所

2012-07-26 18:44:34 | 紀行
1891年(明治24年)、
京都に日本で初めての商用水力発電所が完成し、営業を開始した。
商用の水力発電は当時、世界でも珍しかったので、注目されたらしい。
当時は必要があれば、工場や会社などでは、自前で発電機を備えていたし、
一般家庭に電気製品は、ほとんど無かった。

琵琶湖の水を、京都市へ通ずるために作られた水路(琵琶湖疏水)の水を利用。
疎水工事の時に、将来の電気需要を見越して、この発電所も作られた。




写真は
1912年(明治45年)に完成した第2期蹴上発電所




中央の大きな窓の上方の沢山の穴、そこからは送電線が出ていた。
今は中に設備は無く、建物のみが残っている。




落差約30m、この水圧力で発電機を回転させて発電した。

出力は今時の原子力発電所と比べたら、百分の一にも満たないけど、
この、蹴上発電所から送られた電気で、
京都の町に電灯が灯され、
1895年(明治28年)には、
日本初の電気鉄道、京都電気鉄道(京電)、が塩小路(現在の京都駅)から伏見まで開業運転。




落ち着いた自然の中に違和感無く佇む送水管。

当時、毎月1日と15日は水路の藻刈りのため発電所は運転休止、電車も運休となっていたそうで。閑か~。

発電所も地産地消、環境にも優しいのが望ましい。