理想のラグビーに近づいている。早稲田が対抗戦5連覇。慶応を完封

2005-11-24 02:48:17 | Weblog
ラグビーの早慶戦が23日、秩父宮ラグビー場で行われ、早稲田が54-0で慶応に大勝した。来月の早明戦を前に対抗戦グループ5連覇を達成した。早慶戦での完封は1990年に早稲田が慶応に40-0で勝って以来。

昨年、大学王者に輝いた早稲田だったが、昨季は「チーム史上最強FW陣」に支えられていたような気がした。バックスにボールが渡ってゴール前に攻め込んでもパスが乱れてノックオンというケースが多かった。結局、苦しいときのフォワード勝負というケースも多く必ずしも喜ばしい勝ち方だったとはいえない。

しかし今年はFWの強さにバックスの安定感が加わって文句なしのチームに仕上がりつつある。スクラムは安定している。そして集散も速い。味方がボールを持ち込んで倒されても、後続選手のフォローが早いので、スクラムハーフは素早くバックスにパスを供給できる。

バックスもウイング首藤、菅野とフルバック五郎丸の「バック3」だけでなく、センター今村も突破力がある。ボールを持ったらスルスルと抜けていく。多少パスが乱れてもしっかり捕球するので攻撃が持続する。走力があって自ら持ち込めるスクラムハーフ矢富に加え、パスだけでなく意表をついたオープンサイドへのキックなどゲームメークの優れたスタンドオフ曽我部のハーフバックス団も完成度が高い。フォワード良し、バックス良しとスケールが大きいチームになった。

この日奪ったトライは8つ。前半こそ2つと少なかったが、後半になるとトライ攻勢。グラウンドいっぱいにパスを回していく。隙が見えれば、一気に突いてトライが生まれる。正直、今年の早稲田は日本代表が真似してほしい理想のチームだと思う。

慶応は無得点に終わったが、正直、これからどんどん強くなっていく可能性を感じる。フルバックの山田ら将来性ある選手がいるし、愚直なまでにタックルを決めて前半は早大攻撃陣を満足に機能させなかった。課題は前後半戦えるスタミナ。前半頑張っていても後半にへばっていたら仕方がない。そうはいっても来年はもっと手ごわいチームになる予感がする。

私がラグビーでもっとも強く、魅せるプレーをしたと思う大学チームは2002年度の早稲田だ。山下主将(現サントリー)が引っ張り、高速バックス陣が勇躍して大学日本一になった。もっとも今年の早稲田は佐々木主将の強力なリーダーシップの下、さらに偉大なチームになりつつある。早明戦、大学選手権でも進化を遂げていくだろう。このチームの最終型はどうなるのだろうか。考えるだけで楽しくなってくる。