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日々徒然なるままに

うちの可愛い犬猫やお気に入りの映画・マンガのことなどをちょっと暴走気味に語ってます。ネタばれありますのでご注意下さい。

「 ハート・ロッカー 」

2010年09月11日 | 映画

対イラクの爆弾テロを扱った作品です。流血や残酷な描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

< 戦闘での高揚感は ときに激しい中毒となる ー クリス・ヘッジス
<戦争は麻薬である>

バグダッド 2004年

始めに出てくる画面は遠隔ロボットが映し出す映像で、道に沿って進むので とても不安定で緊迫感に満ちています。そのロボットは何かに向かって動いています。
が、突然、武装した兵を乗せた装甲車が町中に出て来て、兵士たちが人々を家の中に戻し始めます。画面には、先程のロボットと兵士たちや人々の映像が交互に映されていて、緊迫感がありますが 少し観づらいです。

次に 遠隔ロボットを操作している兵士たちが映されます。どうやら ロボットが目的物に到着したらしく、袋に入っている物体をロボットに中を開かせて処理しようとしているようです。
中が開き、そこには破壊力が凄いという 155ミリ榴弾がある事がわかります。兵たちは それを爆発させようとしています。彼らは爆発の規模や爆風の向き、破片の飛び散る距離なども十分予測できる、危険物処理専門だと言う事がわかります。

いよいよ遠隔ロボットをその榴弾に向かわせて爆弾をセットしようとした時、ロボットの荷車が道の岩に引っかかって止まってしまいます。
仕方なく 指揮をする兵が自ら行くと言い出して、起爆装置をセットしに完全武装して現場に向かいます。
現場では、上空でヘリの音が煩く 民間人とおもわれる若者が近づこうとしたりして、観ているこちらも苛立たせるほど緊張感が高まります。
武装した兵がロボットの荷車を確認して、起爆装置に支障なかったことが分かります。彼は装置をセットして戻ろうとします。

しかし、その時、別の兵が 近くの店の中に携帯電話を持った民間人がいることに気づき、その民間人に携帯電話を使わないよう警告しようとして走り寄ります。
しかし、言葉がその人物には理解できず、彼は兵に銃を向けられているため、うろたえている様子です。兵たちは 走り寄っていくその兵に口々に その民間人を撃つように叫びますが、兵は 「 俺には撃てないっ!」と答えるのみです。

そうしているうちに、うろたえていた民間人が携帯電話を操作してしまい、起爆装置が働いて激しい爆発が起きます。
当然、傍にいた完全武装した兵も爆発に巻き込まれてしまいます。
「 軍曹ーっっ 」 彼の階級を叫ぶ兵の叫び声…凄まじい爆発…。
そして、爆風を直接 受けて倒れ伏す彼…飛び散る無数の破片…。

場面替わって、一人の兵がアメリカ行きの輸送便の箱の中に 亡くなった彼の遺品を持って来て入れます。入れられた遺品は亡くなった彼の認識票だけ…。
部屋中に並んでいる同じ箱が、いかに同じように亡くなっていく兵がおびただしいかを感じさせます。
遺品を箱に入れた兵は、沈痛な表情で それを見つめます。


先程の兵が兵舎に入ってきます。そこでは けたたましい音楽が鳴り響いています。
兵はその部屋にいる男に自己紹介してお互いに握手します。
「 ジェームズ軍曹 、ブラボー基地へようこそ。サンボーンだ 」
「 よろしく、ウィルだ 」
サンボーンはウィルに、この基地の名前が1週間前に  ビバリー基地から 縁起のいいビクトリーに変わったことや窓に取り付けてある板が夜中に飛んでくる迫撃砲の破片を防ぐためのものだと説明します。
ウィルは それを聞いても、「 屋根にくらえばひとたまりのない。それに日差しが好きなんだ 」と言って、板を外します。

二人の話で、ウィルが亡くなったトンプソン軍曹の後任できた班長であると分かります。
「 トンプソンは気の毒だったな、優秀だったと聞いている 」
「 そうだ、立派な班長だった 」
「 俺は代わりにはなれないが、ベストを尽くす。よろしく頼む 」
そう言ってすぐ ウィルはサンボーンがまだそこにいるのに、再びけたたましい音楽をかけてタバコを吸いながらベッドに横になります。

サンボーンが仲間の兵たちと装甲車に乗って道を走っているとき、連れの兵エルドリッジが彼に話しかけます。
「 こんなに戦車があると嬉しいね、ロシアが来たら ハデな戦闘になる。役に立たない、爆弾を投げ込まれたら一発で終りだ。イラクに来たってことは死ぬってことだ。戦車なんかあっても意味はない 」
サンボーンが静かにするよう声をかけますが 彼は新人をビビらせたくて、と答えます。ウィルはそれに対して、前にアフガンにもいて同じようなものだったから、と気にしていません。

<ブラボー中隊 任務明けまで38日>
サンボーンのいるブラボー中隊は装甲車で舗装された道路を走っていますが、渋滞した車で なかなか先へ進めません。
ようやく町中に入りますが、そこには≪近づくものは撃つ≫という警告の紙が貼られ、女性や少年たちが遠巻きに眺めています。 
道にはゴミが溢れ、通りを歩く人影もありますが、閑散としています。
中隊は無線隊に連絡を取り、目標の座標を確認しますが、どこに敵や爆弾があるのか分からないため 緊張感は続きます。
ようやく 連絡してきた味方と合流して詳細を聞くと、そこから20メートル先のモスクの瓦礫の中に爆弾で使われるワイヤーが見えたという、信用できる情報があったことが知らされます。

新しい隊長のウィルは、サンボーンの ここは危険地域だという意見を無視して、遠隔ロボットでの確認をせずに 自分が防爆スーツを着て処理する、と言い出します。
サンボーンが再度 ウィルにロボがあるから自分が行かなくても とか、初日だから そんなに張り切るな と言っても、大丈夫だから と答えます。
エルドリッジは 「 度胸がある 」 と言いますが、サンボーンは 「 むちゃだ 」 と言います。

不審物に向かっていくウィルは途中、缶を道に転がして煙幕を張ります。
何が起こったのか分からないサンボーンはウィルに無線を入れますが、彼から連絡はありません。サンボーンが何度もウィルに無線を入れると、ようやく彼から 「 目くらましだ 」 と、落ち着いた声で返答が返ってきます。サンボーンは敵がいるのを危惧して、エルドリッジを壁の上に上がらせて確認しますが、煙幕に遮られてなんとかウィルの姿が確認できる程度です。

援護の隊が配置についている中、突然、1台の民間車が防爆スーツのウィルに向かって突進していきます。車はウィルの手前1,2メートル付近で何とか停まります。
ウィルはその運転手に向かって銃を突きつけます。
一触即発のなか、サンボーンは起爆する危険から、ウィルに発砲の制止を叫び、援護兵を向かわせます。
援護兵たちは 銃を構えて運転手に車から降りるよう命令しますが、一向にその若い運転手は降りてこようとしません。
ついにウィルが車の近くや運転席の窓ガラスに発砲し、運転手に降りるよう促しますが 効果がないため、彼の頭に銃を突きつけます。

…数瞬後、車がようやくバックしはじめて、援護兵たちが 車からその若者を降りさせて捕獲に成功します。
ウィルは 「 これでまた 不満分子が増えた 」 と、ジョークを言うほど冷静です。
まるで廃墟のような中を建物の上から見物している人たちの視線を受けながら、ウィルは進んで行き、ついに爆弾が埋められている地点に到着します。

ウィルは埋められている爆弾を始末するために、慎重に爆弾の周囲を掘って 鉛管を切断します。切除に成功して援護兵に伝えますが、その爆弾がさらに別の数個の爆弾とワイヤーで繋がっている事が判明します。そのため 援護兵は再度 配置に戻る事になりました。

繋がっている爆弾は6個ほどあり、ワイヤーにつながれてウィルの周りを囲んでいるシーンはゾッとするものがあります。
彼は再度 一つずつ爆弾の鉛管を慎重に処理していきます。
が、そのとき、それを建物の中から凝視していた現地の民間人と思われる中年の男が建物の階段を下りてきて、ウィルに近づき視線を交わしますが何か( おそらく起爆スイッチ )を道に落として走り去っていきます。

…そうして、なんとか 誰も被害者が出ずに爆弾の処理は終わりました。
無事に帰還したウィルにサンボーンは、無線に応答する事やウィルを守る事が自分の任務だと伝えますが、ウィルは 「 これは戦争だ 」 と答えて 彼の忠告に全く耳を貸そうとはしません。

兵舎で、エルドリッジが、調子はどうか?と聞いてきた軍医に バトルゲームをしながら問いかけます。
「 ≪君も陸軍で挑戦!≫て、新兵募集のCMだけど、こんなイラクでくたばるのが≪挑戦≫な
  んですか?理屈から言って ここは戦場だ。毎日誰かが死んでる。僕だって 」
軍医は彼に答えます。
「 他の事を考えるんだ、悩むのはよせ。今、何を考えている?」
「 考えてること?こういうことですよ。トンプソンがいる、死んでる、生きてる。トンプソンンは死
  んでる、生きてる。死んでる、生きてる!」
それを聞いた軍医は思わず瞑目します。

兵舎では、現地の子どもがウィルにDVDを買わせたりする場面が入ります。

兵舎の洗面所では、サンボーンがウィルに昨日のウィルの行為について 「 やりすぎだ 」 と非難しますが、ウィルは気にしていません。話で、ウィルが以前は奇襲部隊にいたことをわかります。サンボーンはウィルに話します。
「 俺は7年 諜報部にいた。おかげで あらゆるクソダメを覗いてきた。お前みたいなデタラメな道を行くやつもいた 」 
「 お前の道は正しいのか?楽しみだな 」 皮肉たっぷりにウィルは答えます。

<ブラボー中隊 任務明けまで37日>
国連の建物に警報が鳴り響いて、中にいた人々が避難するために建物から外に出てきます。
到着した処理班に別の部隊の兵が状況を説明します。ワイヤーや煙は見えないが 違法に停まっている車の車体が土に沈んでいて かなりの重量があることから、その車に爆弾があると推察できる、ということです。

早速、ウィルが防爆スーツを着用してその車に近づきますが、建物の陰から車が狙撃されて車は炎に包まれます。
援護班は逃げた狙撃者に発砲しますが、逃げられます。ウィルは援護兵から受け取った消火器で車の火を消そうとし、サンボーンに援護を命令します。
サンボーンが建物の屋上に上がり 援護の配置に着いた頃、車も鎮火します。
そのとき、狙撃者が捕まりますが まだ瀕死の状態なのに、捕らえた班の長が 「 助からんな 」と部下に言った後、銃声が聞こえます。

ウィルが鎮火した車のトランクを蹴り開けると、中には大量の爆弾が入っていました。それを見たウィルは、 「 マジかよ… 」と呟いて手にしたレンチを思わず落とした後、防爆スーツを脱ぎ出して 部下に持ってこさせた道具を受け取ります。
「 大量の爆弾だ。死ぬなら気持ちよく死にたい 」 とウィルは部下に言います。遠くから見ているサンボーンには、ウィルが何を考え 何をしようとしているかは全く伝わりません。

ウィルは電気コードを切断し、起爆装置を探しますが、車内のあらゆる所を見ても見つかりません。
援護兵はサンボーンに自分たちにカメラを向けてビデオ撮影している若い男に気づきます。
起爆装置が見つけられずにウィルは次第に焦ってきますが、サンボーンは時間が経ちすぎて周りに野次馬が集まってきたため、撤退を彼に進言します。しかし、ウィルはサンボーンの言葉に苛立ち、無線のヘッドホンを放り投げてしまいます。サンボーンの命令でエルドリッジがウィルにマイクを着けるよう伝えますが、効果はありません。

そのとき、近くの尖塔にいた男達のうちの1人がビデオを撮っていた男に合図を送っているのに気づいたサンボーンは部下に撤収を命じます。しかし、同時にウィルも起爆装置を見つけて切断に成功します。
装甲車に戻ってきて、「 面白かった 」 と 休憩しているウィルをサンボーンは殴りつけ、「 二度と無線を切るな 」と言い捨てます。

そんなウィルの傍に 狙撃者の銃殺を命じたと思われる、別の班の上官が近づいてきて、スゴイ男だ、と褒めちぎります。彼に 「 爆弾処理で一番大切な事は何か?」と聞かれてウィルは 「 死なない事です 」と答えます。

休日の日、ウィルは前に不良品のDVDを売りつけてきた少年と今度はサッカーのシュートで賭けをしたりして親しくなります。

軍医がまた、エルドリッジの所に来て、彼の隊長の事を尋ねるので 彼は調子の良いことを伝えます。エルドリッジは 「 班長( ウィル )といれば 僕は死ぬ。任務中なら誇り高い 」 と軍医に話します。軍医は「 そう悪く考えるな。戦場なんて一生に一度の体験だ。楽しめ 」 と言うため、エルドリッジは戦場に出たのか、その戦場( フィールド )は校庭のことかとケンカ腰の口調で言うために軍医が、君が嫌ならもう来ないと言うと、彼は謝罪します。

<ブラボー中隊 任務明けまで23日>
いつものように爆発物処理をしていると、サンボーンとエルドリッジの二人を残してウィルが手袋を忘れたと言い出して装甲車で爆弾の方に行ってしまいます。残されたサンボーンは装置がよく誤作動する、と言い出してエルドリッジに( ウィルを )殺す気ですか?と聞かれます。
お互いの腹の内を探ろうと二人は暫し 顔を見合わせます。

ブラボー隊は、荒野の中でイスラムの衣装をつけた4人の男たちが車の傍にいるのを見つけます。すぐさま、相手方に銃を捨てるよう警告しますが捨てようとしないため、サンボーンが彼らの傍に行き 銃をそれぞれ回収してまわります。すると、ターバンを取った彼らのうちの1人が味方であると皆に伝えます。
どうやら 敵を捕獲して運ぶ途中、パンクしたところに道具がなくて立ち往生していたようです。

しかし、安心するのもつかのま、彼らは突然、銃撃を受けます。
捕虜も逃げ出してしまい、合流した隊のリーダーは50万ドルがフイになるとぼやきます。途中、機銃掃射していた味方が撃たれて状況は悪くなります。機銃の弾がなくなりエルドリッジは命令で、撃たれたリーダーの血がこびり付いて固まってしまった弾丸の血を自分の唾で擦り取りますが、手が震えてなかなかできないようです。サンボーンはウィルの指揮で次々と敵を撃ち殺していきます。
暫しの膠着状態の間、ウィルは 構えた態勢のまま動けないサンボーンが飲めるように、アルミパックに差し込んだストローをくわえやすいようにします。
今度はエルドリッジが離れた橋の上からこちらを狙ってくる相手を撃ち殺します。
その後、彼らは、相手方が一向に動きを見せないため撤収します。

兵舎では、ウィルの部屋で3人が飲み会を開いています。
どうやらさっきの戦闘で、3人の心の距離は縮まったらしくウィルもは2人に聞かれるままに子どもや別れた( はずの )妻の話をします。サンボーンは、まだ 子どもをつくる決心がつかないと話します。
ウィルは無造作に箱に入れられているものが何か聞かれて、自分が関わった爆発物の部品だと答えます。
「 思い出が詰まった箱だ、死にかけた俺の。( 指輪は )結婚指輪だ、それでも死にかけた。なぁ、でも、こんなの面白いと思わないか?こんな物が人を殺しちまうんだ… 」
ウィルは部品を手に取りながら話します。
「 こんなの 電気屋で売ってるガラクタばっかだ!」
サンボーンはそう言って それを箱に投げ入れたので ウィルは唖然とします。
しまいには酔いも手伝ってか、サンボーンはウィルに強く殴られたから1発殴らせろと言い出して、二人で交互に殴りあいます。しかし、ワル乗りしたウィルがサンボーンに馬乗りになったために、サンボーンが彼にナイフを突きつけてしまい 飲み会はお開きになります。

<ブラボー中隊 任務明けまで16日>
その日、急に軍医が装甲車に乗り込んできたため、エルドリッジは緊張した顔になります。
今回は不発弾の処理ですが、警備兵がいないせいで いつ敵が襲ってくるか分からないために皆 警戒しながら建物の奥に向かいます。
そこで3人は、以前ウィルにDVDを売りつけた少年に似た子どもの死体を見ます。彼は全身血まみれで、サンボーンは、「<人間爆弾>を見たことがあるか?」と、エルドリッジに聞きます。
ウィルは建物ごと爆破させるつもりでエルドリッジに用意をさせます。
ウィルは少年の身体の上に爆弾を置いていきますが、途中で爆破を中止すると2人に無線連絡してきます。彼は少年の身体に埋め込まれた爆弾を手を入れて(!)取り出して、彼を抱えて建物から出てきます。

一緒に来た軍医は非難するように現地の人たちに話していますが、減るどころか人数が増えていきます。しかし、車に戻ろうとした軍医は、突然の爆発で吹き飛んでしまいます。
信じられない出来事にエルドリッジは、地面に転がっていた彼のヘルメットを手にして何度も 「 先生っ!」「 先生はどこだっ?捜さなきゃっ!」 と叫び 恐慌状態のためにウィルが落ち着かせます。

ウィルは妻に電話をかけますが、何も話せない場面が入ります…。

ウィルは少年を雇っていたDVD売りの男に銃を突きつけて、車に乗り込みます。しかし、その男がウィルを連れてきたのは何の関係もない教授の家で、彼の妻が喚きだしたためにウィルは退散します。いつ敵に囲まれるか分からない夜の町を、ウィルは必死で基地に帰り着きます。

帰り着いてすぐさま、タンクローリーの爆発があったために招集がかかります。自爆テロの場合、手段を調べろという命令があったとサンボーンはウィルに説明します。
サンボーンはウィルの様子を訝しがります。また、同乗しているエルドリッジも未だにボンヤリとしたままです。

まだ炎上中のタンクローリーの近くには負傷者や地元の人たちがひしめき合っていて、ひどい有様です。闇の中の燃え盛る炎、人々の怒号や泣き叫ぶ声はさながら地獄の蓋を開けてしまったようです。
それでも、3人は現場を検証します。ウィルは犯人の追跡をしようとしますが、サンボーンは、「 <イスラム狩り>は歩兵小隊に任せておけっ!余計な事をするな!」と怒鳴ります。
が、ウィルは「 奴らは今もどこかで我々を見て、ヘラヘラ笑ってやがるんだっ!そんなの野放しにできるか!」と怒鳴り返して、まるで通じません。軍では上官命令は絶対のため2人は彼に付いて行きます。

3人は通りに散開してそれぞれ調査します。途中で銃声がして、ウィルとサンボーンは集まりますがエルドリッジの姿が見えません。
捜していた矢先に、何者かに連れ去られそうになっているところを銃撃してエルドリッジの身柄を確保しますが、彼は足を撃たれています。喚く彼に応急処置をして、一旦彼らは基地に戻ります。
ウィルは武装したままでシャワーを浴びて、その場に座り込みます。

ある日、ウィルに 前に見た少年が声をかけてきます。あのとき死んでいた少年は人違いであった事が分かりますが、ウィルは全然それに無反応です。
ヘリには病院へ搬送されるエルドリッジが運び込まれたので、2人は顔を見に行きます。
「 歩けるようになるまで半年はかかる。何がいいんだっ ちくしょう!ふざけるなよっまったく!
見ろよっ ちゃんと見ろよ!あんたが銃をぶっ放したりするから こんな目に合ったんだっ!」 と、エルドリッジはウィルを詰ります。ウィルは謝りますが、彼の怒りは収まりません。
「 あんた 最低だ!命を救われたけど、もともと あんなトコ行く必要なかった。楽しむなら一人で勝手にやれよっ!」 彼は叫びます。「 この くそイラクとも これでおさらばだ!」

<ブラボー中隊 任務明けまで2日>
今度は町中で、男が叫んでいます。身体に爆弾を巻かれたと言って検問所に現れたとウィルに報告が入ります。その男は、自分はテロリストじゃないから爆発する前にはずしてほしいと要求しています。
ウィルは通訳できる兵に、男にシャツをゆっくり広げて前が見えるようにしろと伝えさせます。
男の身体には大量の爆弾が巻きつけられているのが確認できて、ウィルは巻き込まれないように半径75メートル以内に近づかないよう兵たちに指示を出します。通訳の兵は男を被害者だと庇います。サンボーンはウィルに和解を申し出てから、男は自殺するつもりだから 射殺指示を求めますが、ウィルは認めません。

ウィルは防爆スーツを着て男の元に向かいます。必死で命乞いする男にウィルは言う事を聞くように説明します。ウィルはサンボーンにボルトカッターを持って来させますが、固定が頑丈で切れません。
爆発まで45秒を切ったため、サンボーンはウィルに離れように声をかけますが、彼は防爆スーツを着ているから大丈夫だから とサンボーンに離れるように命令します。
ウィルの懸命の努力も空しく、男の身体に巻きついた爆弾は爆発してしまいます。
爆風を受けて倒れこむウィル…。しかし、ウィルは大きな負傷はありませんでした。
 
基地への帰還途中、装甲車の中でサンボーンはウィルに話しかけます。
「 まったく、こんなトコ 大嫌いだ。俺はまだ死にたくないんだ 」
「 こんなトコでくたばるもんか 」
「 5センチずれてたら破片が喉を切り裂いて、ブタみたいに血を流して倒れてた。でも、誰も気にしない。親は泣くだろうが、他に泣くヤツなんかいるか?俺には息子もいない 」
「 まだ時間はたっぷりある、これからだ 」
「 いや、ないよ。終りだ。子どもがほしい、男の子がほしいんだ。よく平気でやってられるな、こんな危険な賭け 」
「 何だかよく分からないけど、俺は…何も考えてない… 」
「 でも、あんただって分かってるはずだ。現場に出たら 最後、生きるか死ぬかだ。サイコロを
  振って運を天にまかせる。それは分かってるよな?」
「 ああ、そうだな、そりゃ分かってる。でも、分かんないんだよ、俺は…何でこんな人間なのか。
  …お前なら分かるか?」
「 知らないよ 」

帰還したウィルは妻と一緒にスーパーに買い物に来ています。
そして、樋に詰まった落ち葉を掃除したり、家で静かに過ごしますが、妻には爆弾処理班は必要だと話します。
ウィルは赤ん坊に 大好きだったものを少しずつ忘れていく、パパはひとつだけだ、と独り言のように話しかけます。

そうして、ウィルは新しくデルタ隊に配属され、何度目か分からない任務に向かいます。
<デルタ中隊 任務明けまで365日>
                           END


戦争に憑かれた男の話…非日常のスリルに快感を感じたら、もう日常には戻れないんでしょうか?意外な所でレイフ・ファインズとデビット・モース発見。
キャスリン・ビグロー監督作品。



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