あれは10年以上前の事
近所の羽振りが良いおじさんが
川に大きな鯉を逃してた
野生の勘で
一見、在来種の様だが
ペットショップで購入した
高価な外来種と分かった
大黒さんは見て見ぬ振りをした
しばらくして
おじさんは不治の病で亡くなった
余命を察し
飼っていたペット達を整理したのだろう
男の人が
両腕でやっと抱えるくらいの鯉は
誰も貰い手がなかったに違いない
人は誰しも
こころの拠り所が必要だ
おじさんにとってはペットだった
川に離す姿を見た時
ゴリラ🦍に
『あれは良くない』と言ったが
50代になり
亭主が定年を迎える今、
おじさんを責める事が出来ない
突然、死が近くに迫った時
球根類ではなく
生命ある
しかも
世話が大変な魚だった場合
川に離さざるおえなかった
おじさんの墓は境内にある
大黒さんの姿をどう見てるのか…
さて、
大黒さんはどうするのかな?
しっかりと見させてもらうよ
笑われないように
頑張らなくてはいけない