GOREとにゃんこの桃源郷

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さくらんぼブービーの解散

2010-02-02 | お笑い
 今更この話題というのも、旬を過ぎていると思う。ただ、解散という報告を知ってから暫く、溢れんばかりの驚きと悲しみに包まれ、何のメッセージも書く気になれなかった。2009年末、単独ライブで発表されたという解散の事実は、その翌日、Mixi内の本人の日記で知った。最後に行われた単独ライブの題名は『Birthday』である。二人がそれぞれ新しい道を歩み始めるといった、生まれ変わりを想像してしまう。新しい道であるものの、ピン芸人と放送作家に分かれるだけで、全く笑いを扱わなくなるのではない。
 異質な雰囲気をもつ、あの独特のコントが見られなくなってしまった。そう思うと悲しいが、今までに発売したDVDを所持しているのは、せめてもの救いだ。

 彼らは常に、新しい笑いを模索し、提供してくれていた。総ての活動が、前衛的であったのかは分からない。しかし、少なくとも私が観たDVDやライブに於いては、頑ななまでに斬新な笑いを披露していた。よく分からないものや、奇抜なものに対し、前衛的という言葉で統括してしまうのは、世の中の悪癖として語られる最たるものだ。ゆえに、本来の意味で前衛的だと言えるのか、その答えは時代の変遷に委ねるほか無い。ただ、彼らは決して大衆的と言えない笑いを、おそらく自分たちのために、ひいてはお笑いの未来のために演じていた。そして、彼らが思う面白さに、多くの人々が惹き付けられ、納得していたはずだ。それは、単に新しいと思ったからではない。彼らの笑いは面白いと、確信していたためである。これは彼らが、衆に抽んでた、抜群の発想力を備えていただけではない。発想を、笑いに変える、類稀なる技術力も持ち合わせていたと言える。
 時代がどう移り変わってゆくかは誰にも分からない。それゆえ、現代を生きる私たちは、次のような宣言が可能だ。解散こそしてしまったが、さくらんぼブービーは「面白かったお笑い芸人」などではなく、今なお「面白いお笑い芸人」として現行なのだと。


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