“グリーン・ニューディール政策”についておききします
Q1
アメリカのオバマ大統領は、景気回復をはかるため、環境やエネルギー分野に10年で1500億ドル(約15兆円)を投じ約500万人の雇用を生み出そうとしています。あなたは、こうした環境対策への集中投資が経済を活性化させ雇用状況を回復させることにつながると思いますか?
① つながると思う ② 難しい面もあると思う ③ つながらないと思う
(なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい) ① つながると思う 15兆円は、世界規模の投資額として十分とは言えない。だが、太陽光発電や風力発電、蓄電池開発にスポットとして注入すれば、太陽光関連を突破口に住宅関連、半導体関連、自動車産業に資金が流れ、景気回復は加速するに違いない。 風力発電プロジェクトを例にとれば、それが、土木から造船技術まで含めた総合的な部門の集大成だからだ。全世界的な特需があれば、潤う人間も少なくないに違いない。 今、エネルギー技術革命が進行中である。石炭・石油・原子力と進んできたエネルギー革命が今後、新たな展開を見せるに違いない。過去、石炭や石油といった化石燃料を使う技術が活況を呈したことがあった。しかし、時代は次へと動き出している。現在、石油関連企業も続々と自然エネルギー分野に軸足を移してきている。つまり、炭鉱労働者が炭鉱の町を去り、他の職種へ移行したように、新分野へ本格的に移行すれば、経済は活性化し、雇用も回復するに違いない。しかも、その新たなエネルギー技術革命こそ環境保全に直結しているのだ。 |
*グリーン・ニューディール政策
アメリカのオバマ大統領が掲げた新経済政策。太陽光や風力など再生可能エネルギーの開発・研究を促進するため、今後10年間に1500億ドル(約15兆円)を投じ、500万人の雇用を創出しようという政策です。2025年までに再生可能エネルギーを電力全体の25%まで引き上げ、2050年までに温暖化ガスの排出量を1990年比で80%削減する目標を掲げています。
具体的には、今後10年で低所得者層の家100万軒を省エネ構造に改修。家庭から直接充電できるプラグインハイブリッド車を2015年までに100万台普及させ、そのためのインフラとして次世代電力網「スマートグリッド」を整備していこうとしています。
Q2
日本でも、環境ビジネスを120兆円市場にまで拡大させ、新たに140万人の雇用を生み出す「日本版グリーン・ニューディール」が発表されました。あなたは、この取り組みが経済を活性化させ雇用状況を回復させることにつながると思いますか?
① つながると思う ② 難しい面もあると思う ③ つながらないと思う
(なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい) ② 難しい面もある
この変革には、痛みが伴うからだ。今は、明治維新にも似た全層・全階級での革命が進んでいると言える。江戸幕府の官吏は、あるものは新政府軍と徹底抗戦して散り、あるものは新政府に取り込まれながらアジアにおいて欧米列強と争えるまでの力を持つ国を育てた。富国強兵は結果として不幸を招いたが、新しい世界を生み出したことは認めねばならない。政府は、明治維新や信長の仏教勢力弾圧や諸侯の討伐に象徴されるような大変革を果断に推し進めるといったリーダーシップをとれない可能性がある。成否は、速やかに必要な対策に対してリーダーシップを持って果敢に執り行えるかにかかっている。そのためにも優先順位を見間違えないようにしてほしいが、既得権益を持つ多くの旧勢力に資金の集中投下を阻止され、方向性を生み出せない可能性がある。環境省と経済産業省の軋轢といった省庁の縦割り行政も事態を困難にしている。 |
*日本版グリーン・ニューディール
環境省は、太陽光発電や電気自動車など環境分野への公共投資によって、2020年までに環境関連の市場を120兆円(現在の50兆円増)に拡大し、新たに140万人の雇用を生み出す試算を打ち出しています。具体的には、太陽光発電の設備を公共施設に集中的に設置することや、太陽光で発電された電力を高値で買い取るよう電力会社に義務づける制度を導入。さらにエコポイントをつけることで省エネ家電への買い換えや、ハイブリッドカーなどの購入を促進する税制優遇を拡充することなどをあげています。
Q3
「日本版グリーン・ニューディール」では、エコ家電を購入するとポイントがもらえる制度や、ハイブリッドカーなど環境負荷の小さい自動車への税制優遇、また太陽光発電への補助制度などが導入されます。