ゴールデン・ライフ(生き生き生涯現役)を目指す---素晴らしい研究者たちとの出会い---松川雄二

このブログを、「健康増進システム研究会」(厚労省・健康増進企画官主催)の研究仲間や武井伸次氏(元課長補佐)に捧げます

期待される第5の選択肢ー4

2009-02-04 23:09:20 | Weblog
そして近年ヒトの悪性腫瘍の予防、治療に大きな夢と期待を可能ならしめる製品が、安保先生の同門の先輩である松田忍博士によって研究開発されつつあるということになります。

松田博士は、1938年生まれ、東北大学大学院農学研究科修士課程を修了後、「インターフェロン誘発剤の研究」で、東北大学大学院医学研究科より、1970年、医学博士号の学位を授与されています。

先生は、武田薬品中央研究所に28年間在職し、その間ヒト風疹ウイルス生ワクチンの開発、ヒトインターフェロンの開発、抗生物質アナフィラキシーショックの発生メカニズムの解明、肝硬変完全発症動物モデルの開発等多くの優れた業績を上げ、社長表彰を2回(主担)授与されました。

松田博士は大学院時代、東北大学医学部細菌学教室に出向、日沼頼夫助教授(京大名誉教授、元京大ウイルス研究所所長,2009年11月3日、文化勲章を叙勲されました)、本間守男助教授(神戸大名誉教授、元神戸大医学長)など我が国で一流のウイルス学者から直接研究指導を受けました。

また、武田薬品工業(株)中央研究所在職時代にも、何回か母校の東北大学医学部細菌学教室に留学、病原ウイルス、化学療法、免疫、疫学などの分野で世界的に著名な石田名香雄教授からも直接に研究指導を受けていました。
1970年代のはじめ、石田教授(当時東北大学医学部長、後に東北大学総長)と共同で肝炎ウイルスに関する優れた研究を次々と発表しています。

また、1974年には、米国フィラデルフィアの癌研究所(ICR)のブランバーク博士(ウイルス肝炎研究でノーベル賞受賞)の研究室へも留学しています。

 なお、免疫について理解を深めていただくために、新潟大学医学部の安保徹教授の著書、「免疫革命」より次の一文をご紹介します。安保先生は、「粘膜免疫療法」を実証された、前述の東北大学歯学部熊谷勝男名誉教授と師弟関係にあります。

「・・・胸腺は、生物が上陸して肺呼吸をするようになり必要のなくなった、えらから進化したものである。上陸以前、水中にいたころの生物の免疫システムは、主に内部の異常を監視するだけで十分だったが、上陸することによって、処理すべき外来抗原が急激に増え、それに対応するために、胸腺とそこで分化、成熟するT細胞を進化させたのである。上陸する前の生物の免疫系はどこにあったかといえば、ほとんどすべて消化管のまわりであった。皮膚の下にもあったようである。えらは上部消化管である。ある意味では、粘膜免疫といわれるように、消化管をとりまいている粘膜が免疫の始まりなのである。・・・」
(安保 徹著 「免疫革命」 講談社インターナショナル 2003年) 
  
 

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