一人一日当りのごみ排出量と同様に、他の市町村と比較できる項目としてリサイクル率(R)があります。今回は福津市のリサイクル率の分析を行います。環境省ではリサイクル率(R)とは、排出量に占めるリサイクル量の割合(%)と定義されています。リサイクル量とは、直接資源化量、中間処理後リサイクル量、集団回収量を足し合わせたものと定義されています。ところで直接資源化量とは、市町村によって資源化物として収集され、中間処理施設を経ずにリサイクル業者に直接引き渡された量をいいます。中間処理後リサイクル量とは中間処理施設で処理後に発生した生成物のうち資源物として利用された量をいいます。集団回収量とは、子ども育成会等の団体によって資源物として回収され、リサイクル業者に引き渡された量を意味します。このリサイクル率(R)を福岡都市圏の市町村別に優良な順に並べていくと、次のグラフになります。私たちがリサイクル率を算出するに用いた表を次頁に添付します。福津市の数値は、私たちが試算した結果を使用しています。
リサイクル量のうち最も多いのが中間処理後リサイクル量です。福津市うみがめ課が提出した一般廃棄物処理実態調査では、資源化したものを引き渡し、搬出した量を中間処理後リサイクル量としています。
また、宇美町、須恵町、篠栗町、粕屋町、志免町の5町はクリーンパークわかすぎのRDF施設で可燃ごみを破砕、乾燥、選別、成形し固形燃料(RDF)化しています。この固形燃料(RDF)も中間処理後リサイクル量として算入しているので、リサイクル率が他の市町村と比較して2倍上高いのです。一方福津市では、木くず全量を直接資源化量に入れていて、福津市のリサイクル量は文字通り”水膨れの数量”なのです。
つまり、このリサイクル率比較は、福津市のように自分勝手な解釈で、実態とは異なる数値で公開されていますので、公平な比較とは言い難いものです。このため修正リサイクル率(R')で比較する方が、真のリサイクルの実態を理解するには適しています。次回はこの修正リサイクル率(R')を分析することにします。