今回は福津市行政不服審査について考えることにします。福津市行政不服審査が情報公開条例に定められているだけでしたので、情報公開以外の行政不服審査は、審査請求できないものと思い込んでいました。その為「自治会未加入者のごみを投入することを禁止している自治会名の公表」を目的とする極めて間接的な申請内容でした。このブログのNo.30~47に詳細に審査会報告をいたしておりますので、読まれていない方は是非お読みください。
私達は、うみがめ課の失策により審査会で勝利したものの、驚くべき審査会の実態に触れました。国民の権利利益の救済ではなく行政の運営維持を優先させたい福津市の審査会を知り非常に失望しました。審査会が市役所(行政)に忖度して、公正さを欠いた具体的実態は次の通りです。
①不公正な指導:最初の審議会で、うみがめ課が主張した理由では、情報公開拒否にできないことを決定した後に「処分理由差し替え」を行い継続審議としたうえで、審査請求者に情報公開を拒否できる条文を具体的にあげ、うみがめ課がこの条文を根拠に理由付けができれば、うみがめ課の決定を維持することができると示唆しました。行政側の立場に立って、不公正な指導をしました。
②マニュアル行政のすすめ:審査会の判断を示した答申のなかで、審査会の審議において私達が誤りを指摘した福津市情報公開条例の手引き(マニュアル)を度々引用して、あたかもマニュアルの内容は正しいものとして扱いました。
③不誠実なアドバイス:最初の審査会では、うみがめ課の弁明は「アンケート結果は市との信頼に基づいて記載されている」とその正確性と正直性を強調していました。しかし最初の審査会で情報の非公開理由にならないことが、判明するや二度目のうみがめ課の弁明では「アンケートは二択方式であり回答形式が制限されているので正確な意見ではない」と主張を一変させました。審査会の答申では二度目のうみがめ課の弁明のみを採用して「自治会名を公開する場合に、正確な情報でないことを加える」ように、アドバイスするなど公正な立場で判断しなければならない人物の意見としては信じられない内容でした。
令和元年度の審査会の会長が、現在も同じ人物であれば審査申請して市役所の活動を是正することは、困難だと判断します。長期間、審査会会長をしていて、市役所とのなれ合いが生じたためと考えます。審査会のメンバーは裁判とは異なり、忌避注することができません。公正さを取り戻すためには、メンバーの任期は延長なしの3年とするために、福津市行政不服審査会条例の第3条第3項(委員の再任)を削除する改正を行うことが重要と考えます。
注)忌避とは:有斐閣 法律辞典から
特定の職務執行をする者について、不公正を疑わせるような事由がある場合に、当事者からの申し立てによって、その者をその職務から脱退させること、又はそのための申し立てをすること。