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暗い男の趣味

貧乏人根性は一生治らない

Loakeを我慢

2014-07-18 20:41:02 | 靴Maker
 正直なところを話せば、俺の頭の片隅には英国製紳士用品に憧れがあるのは確かだ。そして以前からLoakeの靴を履いてみたいと思っていた。



 Loakeとは、イギリスの靴工業地区で有名なノーザンプトンのMakerだが、「英国皇室御用達」と宣伝している割には値段が10万も20万もするわけでもない。幾つものSeriesに分かれたModelの数は豊富で、誰でも全製品をひと通り見れば、欲しいなと思う靴が1足は見つかるのではないだろうか。
 しかしこのMakerの難点は、とにかく取扱店が見当たらないことである。日本に代理店でもできれば状況が変わるのだろうが、現在のところ、希望するModelを手に入れるには通信販売に頼らざるを得ない状況であり、試着してから購入したい俺としては非常につらい。

 上野アメ横にLoakeを店頭販売している店を見つけたので、そこに立ち寄ったことがある。
 俺が欲しいModelの靴は置いてなかったのだが、正直期待していなかった。というのも、Loakeなんて知っている人間は俺の周りにはいないし、誰かと話題にできるのはREGALぐらいまでで、Loakeなど口にしようものならドン引きされるのがオチである。需要の絶対数からして、在庫を抱えてくれる店があるだけでも御の字だからだ。
 そこの店員には悪かったのだが、欲しい靴が置いてないと分かるや、LoakeのSize表示やLast毎の履き心地を偵察するという目的に切り替え、並んでいる靴を何足か試着させてもらった。



 別にどれを買いたいというわけではないのだから、店員から出されるまま試着を繰り返していたのだが、その中で「ムッ、これは」と感じ、思わず店員に品番を聞き返した靴が1足あった。
 それはLoake 1880 SeriesのAldwychというStraight TipのModelだったのだが、革のコシの強さが明らかに他のModelとは違っているし、窮屈なのだが当たりが何ともマイルドなのだ。履いた瞬間、Fitもさることながら、しっかりと足元を支えてくれると直感したのだが、店員から1880 Seriesは最上級ラインだと聞いて納得した。
 思わず欲しいと思ったが、残念ながら黒のStraight Tipはもう間に合っている。心の中ではこの靴を絶賛していたし、俺が持っているStraight TipはFitしていないために四苦八苦しているのだが、それを口に出せば店員がプッシュしてくるに決まっている。ここはグッとこらえて試着だけに留めた。


    http://www.rakuten.co.jp/loake/

 その店にいたのは時間にして1時間弱だったろうか、何足も試着し、店員からも色々話を聞け、有意義だったことは間違いない。
 LoakeとはModelの数やDesignだけでなく、本格的な靴を作るMakerだということをこれで確信したが、それに加え、ますます分からなくなったというべきなのだが、Fitするしないは数字で表せるものではないことも分かった。
 Lastが違うとSizeも違ってくるというのは予想できたことだが、Last、Sizeとも同じであっても、Designが違えばまた事情が違ってくる。さらに店員が言うには、「同じ製品でも履き心地は1足1足違う」とのことだが、買った後の革の伸びや足への馴染み方などを考えれば、もう製品情報なんてあってないようなものだ。
 一瞬「そんな無責任な」と思ったものの、よくよく考えてみると、自然素材で手作りするとはそういうことなのだ。他人の犬を羨ましがってペットショップへ同じ犬を買いに行っても、それは絶対同じ犬ではない。仮によく似た犬がいたとしても、その後何を食べさせるかで容姿も変わってくる。革靴を買うということは、裏を返せばそういうことを求めるということだ。

 と言うことで、俺が得ようとしたSizeやLastに関する情報は、選ぶ基準にはなるものの、買う決め手にはなり得ないということを学んだ。この先通信販売で靴を買うことがあるにしても、そういった現実を割り切って考えなければならない。

 靴のNet販売は出会い系Siteの一種ということだな。

※2015年3月Loake上野アメ横店は閉店したとのこと

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