教授のホンネ・ホンネの教授

大学教授の生活を、時には赤裸々に、時にはソフトに語ります。

科研費さまざま

2007-04-15 11:01:03 | Weblog
じゅうぶん負け惜しみに聞こえるだろうが、今年度の科研費、はずれてホッとした。
計画では、夏にアメリカ方面で調査だった。

でも、夏には、この科研費を統括している日本学術振興会からお金をもらってヨーロッパに行くし、これとは別にアジアにも行く予定。
これじゃ、体がもたないと、びくびくしていた。

じゃ、なぜ、毎年毎年、儀礼のように科研費の申請をするのか?
もちろん、研究費をもらいたいといったこともあるが、別のプレッシャーもある。
付き合いで、というか・・・

たとえば、「ともかく申請数を増やせ!」という大学当局の意思。
しかも、科研費に、申請したか、しないか(採択されたか、されないか、ではなく)で、大学の個人研究費の配分を変えるぞ、という脅しがかかる。

そんなわけで、別の財団からの助成研究を引きずりつつも、別の研究課題をたてて昨年も科研費の申請をしたわけである。
正直、あんまりやる気がないのだが、仕方なく。
腹癒せ(?)に、申請書にカラー写真をばんばん入れたが、審査した人にはどう思われたのか。

ところで、科研費に「あたる」とか「はずれる」とかいう言い回しも、大学の業界用語だろう。
でも、宝くじとは比べものにならないくらい、あたる確率(採択率)は高い。
たぶん、20~30%くらいじゃないのか。
だから、本当に必要な人には、配分されるしくみにはなっていると思う。
「あたる」「はずれる」という言葉を使って、科研費にまつわる神話を作り出す研究者の心理は、少し歪んでいるかもしれない。