飛翔

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濫読の楽しみ

2013年05月09日 | 

2013/5/9  今日より、読んだ本の全てをここに記す。 

                                                                       

        色んなジャンル、作家、経済、技術、等々、まとめは後で。

         とに角感じたことを記す。

                読後の感動、感想を忘れないうちに。

  

1.「ローマ人の物語(文庫本22~25)」 塩野七生著

       やはり、10巻までの、スキピオ、ハンニバル、カエサルの建国時代に比し中だるみはやむを得ず。       

        一方、ローマ帝国建国後の5賢帝以降の皇帝時代になると、登場人物が普通の人なのが、何かほっとする面あり。

        今読んでる22巻の主人公は、ヴェスパシアヌス皇帝。産まれも庶民で、秀でた才能もないが、健全な常識人であった。

      慎重に、帝国の再建を手がけ、ローマ帝国の安定的成長に導く。天才の出現は偉大だが、この様ないわゆる凡人皇帝の出現も、心が和むから不思議。

 

2.「山中伸弥先生に人生と、iPS細胞について聞いてみた」 山中伸弥、緑慎也著

         山中先生の人間性が最も出てて非常に興味深い本です。

         特に、「理論的にキッチリした筋道が説明出来ることは、必ず実現する。」との言葉には、大変勇気付けられました。

         これがVISIONであり、あとはWORK HARDだということです。

 

3.「量子力学の数学的基礎」 ノイマン著、

         巻頭言を湯川秀樹博士が執筆。シュレ-ディンガーの波動方程式とハイゼンベルグの量子力学が相次いで出たことで、物理学者は量子力学を理論的に理解した。

         しかし、数学者は、まだ理解の域に達していなかった。

        本書で、ノイマンがヒルベルト空間の理論を用いて、量子力学の数学的理解の域に達するに至った。

        大変な名著なのです。

        私が、少し理解できたのは、電子の軌道というのは、通り道が一本の決まった道ではなく、いくつもの可能性のある道を通っているということです。従って、この軌道を表現するには、単なる幾何

        学では無理で、一定の確率による空間を想定しないと数学的に表現できないということだと思います。

        ノイマンは、そのことを、先輩であるヒルベルトが提案したヒルベルト空間を用いて、量子力学を数学的に表現し得たということだと思います。

        内容は読んでも読んでも理解不能です。

 

4.「大いなる不安定」 ヌリエル・ルービニ(ニューヨーク大学教授・経済学者)著

         何故、リーマンショックは起こったのか?サブプライムローンの支払いが滞ったことが引き金となって、ヘッジ・ファンドの組んだ複雑かつ巧妙な仕組みが破綻してしまった。

         でも、その負債は、誰がどの様にして負うことになったのか?

         その当たりを膨大な引用文献をもとに解明した力作です。

         危機経済学者が、今回の反省で、今後どうしたら良いかについて、触れているところは、ホッとしますが。

 

5.「アメリカは、日本の復活を知っている」 浜田宏一(イエール大学教授)

         本が出るより早く、色んなところで安部総裁の経済顧問のような立場で、浜田宏一氏が話題になっていました。

         特に白川日銀総裁の東京大学時代の恩師として、そのデフレ対応で注文を付けたことのいきさつが評判でした。

         本のタイトルは、最初ずれているのでは、と思っていました。

         しかし、読んだ後に腰を落ち着けてじっくり考えると、少し氏の本心が判る気がします。

         アメリカから見て日本の対応が些か引っ込み思案になってると感じられたのでは、と思います。

         実力では、日本はもう復活する力を十分持っているのに。何をモタモタしてるんだ!

         内容的には、平易な表現で金融緩和の必然性を説いておられ、説得力がありました。

         氏は、法学部卒業後、経済学部に入学され、結局経済学を選ばれたのですが、その理由が興味深いですね。

 

6.「スポーツトレーニングの基礎理論」 横浜市スポーツ医科学センター著

         何故運動した後に翌日、翌々日に筋肉痛がするのか?

         その痛みは筋肉繊維が切れてるからだ、何てよく聞いていました。

         本書は、その真髄に医学的、運動学的に詳細な論理付けを行ったもの。

         思ったより難解ではなく、ナルホドと納得できます。

 

7.「アンダーグラウンド」 村上春樹著

       どんな書き方をする人なのか?それを体験したかった。

       何せ長編作家と言うだけあって、大変に分厚い。なのに、読みやすい。これは、ウケルと思った。サラサラ読んで、気が付いたら100ページくらい読んでいた。

       しかし、作者が何を言いたいのだろうか?そのことが伝わって来ない。主題というのか、それがはっきりしない。しかし、引き込まれて行く。

       この本はサリンの被害者の体験を取材したドキュメンタリーである。

       不思議な体験である。もう少し彼の本を呼んでみよう。次は「ノルウエーの森」だ。  

 

8.「ステイーブ・ジョブズ」上下 ウオルター・アイザックソン著、井口耕二訳

        ステイーブ・ジョブズは、常識人ではなく、ビジネスライクを嫌った人でした。

       その点、中盤以降のビル・ゲイツとのカラミが大変面白いですね。

       何度も、共同でビジネスをやろうと話し合うのですが、最後はダメになってしまいます。

       ビル・ゲイツは、誰でもが使えるソフトを提供して、互換性を重視し、ハードには拘らない。

       ステイーブ・ジョブズは、ハードとソフトを含めた一体型で商品開発をする。

       この2人のフィロソフィーの違いが、最後は意見の分かれ目になります。

       ジョブズは、自分の伝記を書かせる意図で、一流の伝記作家アイザックソンと生前から、交流をもっていました。

       その意気込みも凄いが、一切作品のチェックをしなかったというのも、些か呆れてしまいます。だから、麻薬の話なども出てきます。

       ヤクを体験した人間しかハイな発想は出ないなんて言ってるのです。これ、普通なら削除ですよね。