思いのままに空を舞う君を羨み
ときおり僕の頬をぴしゃりと打つ
君の背中のまぶしい羽を愛した
やっと側に来たとたん
目の前でぱたばた羽ばたいて
とても遠くへいってしまった
抜け落ちたたくさんの羽を残して
今はもう
羽がなくても飛べるんだね
きっと
捨てられぬ
不器用な女もいるのだ
もっと上手に男をあしらえれば
自分も傷つかずに済んだのに
両刃の剣を振り回すしか術がなかった
女の
研ぎ澄まされ一途であやうい心のふるえの記憶
ひんやりとした感触の愛おしさで
男の
穴だらけの心臓が
またえぐれる

黙々と
石を積むごと
鬼が蹴散らす
また積む
鬼が蹴散らす
先立った業を背負った毛穴に
刺さる陽射しが眩しい
果てもなく救いもない
寨の河原にて
抱くことだけで伝わっていたと
願った
信じた
求めた
言葉では伝えきれない
燃えている体温を
皮膚と皮膚の感触を
体液と体液の交わりを
百の囁きよりも
ひとときのぬくもりに
頼った