ずいぶんと投稿に間が…(笑)
ともかく、ロックアウトについてです。
いろんな工場によって呼び方は違うのかも知れませんが、ガッツリ言うと
ロックアウト=命を守る鍵 です。
自動車工場には様々な機械があります。
とくに金型成型とかなら…人がすっぽり入るサイズのプレス機とか。
車のバンパーを作っている機械、私は本物を見たことはないですが
上下or左右にバカでかい機械が動いてきて、中の素材を圧縮させて
カタチを作る…何トンものチカラがかかるものもあります。
この、バンパーを作る過程で、事故がありました(どこの工場かは忘れました)。
いつも通り、素材を流してプレスする、成型されたバンパーを取り出す、
バリやキズがないか目視でチェックする、そんな流れでした。
完成品をチェックする担当が、同じ部分に繰り返しバリが出ているのを発見、
オペレーターに連絡をしたそうです。機械を見てくれ、と。
オペレーターは機械を止め、自分が止めて中に入っていることがわかるように
名前と顔写真のついたプレートを、機械の操作盤にかけておきました。
オペレーターが中に入って数分後、別のオペレーターもこの機械にやって来ました。
彼もまた、自分が中に入るため、プレートをかけました。
これで、機械の中には2人のオペレーターが入っていることになります。
あとから入ったオペレーターが先に出てきました。
自分のプレートを取り、もうバリが出ないかどうかを確認するために、
機械を動かしました。すると中から、「おいやめろ!とめてくれ!!」
…この先は想像にお任せします。
この事故の原因の一つに、プレートがありました。
スマホくらいの大きさで、ビニールのような素材でカバーされているプレート。
これ、重ねるとくっついちゃうんですよね。
だから1枚、自分の分だけ、と思って取ったプレートが、実は2枚くっついていた。
それに気が付かず、もうプレートがかかってない=誰も入ってない、と思ってしまった。
こういう事故をなくすために、機械の操作盤にプレートをかけるだけではなく、
運転ボタンのところに大きな南京錠をかけてボタンをロックすることが義務付けられました。
こうすることで、仮にプレートが重なったまま取ってしまっても、鍵がかかっているから
運転ボタンを押すことが出来ない、中に人がいるとわかる、ということです。
この鍵、工場で働く人に一人一つ支給されます。
さらに、自分のロックアウトを解除できるのは自分だけ、スペアキーが存在しません。
工場のどこにもないし、鍵屋さんもスペアキーを作りません。
解除する鍵は常に本人が身に着けているので、他者は解除できない仕組みです。
もし鍵をなくしてしまったら、南京錠をぶった切るしかありません。
このロックアウト、詰所前にあるボードに引っかけて保管するんですが
工場って毎朝の点呼がないんです。
朝、来たらまずロックアウトを身に着けて、仕事に出て、帰る前にボードに戻す。
このボードさえ見ていれば、誰がいないとかすぐにわかるんです。
とにかく、本当に大事な物です。
まあ、私は出勤確認以外にロックアウト使うことはありませんでしたけども(笑)
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