藝藩志・藝藩志拾遺研究会

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コロナ感染に関する一つの見方

2020年08月23日 15時03分39秒 | オピニオン的解説
 キッチリと資料を示しつつ論理的に述べるべきだとは思うのだけれど、
殆ど1年中そんな時間は無いので、説得力の無い話になってしまうと思う。
 

 まず、第一波、第二波という言い方については、
第一波が2,3月中旬迄の武漢型だと考えると、
4,5月が第二波、7,8月は第三波とするのが妥当だとする意見もある。
 なので、ここでは4,5月を「(感染拡大の)第一期」
7,8月を「第二期」と称したい。

 第一期の感染者数と第二期の感染者数を比較して、
感染者が倍増したという、明らかに危機感を煽る報道が多く、
検査基準も検査態勢も違うものを比較しても意味が無いという意見は
ほぼ無視されているという問題。
 第一期では明らかに感染していると思われる人が検査を受けられずに、
感染者数に加算されない事例が幾つも報じられていた。
 第二期でも直ぐに検査を受けられない事例が報じられていたものの、
全く検査を受けられないということではなくなっている。
 第一期の検査基準は感染の可能性が非常に高いと思われる人、
第二期の検査基準は感染の可能性があると思われる人、
無症状感染者が多いと思われる状況では、
是等の状況の違いから、
第二期の方が感染者数が多く出るのが当然の帰結といえる。

 すると第一期で同じ状況で検査が出来たと仮定すれば、
第一期第二期感染者数は同じくらいであった可能性も考えられる。*1

 扨、政府は死者数、重症者数を基準にして、
重篤化比率が同程度であると仮定した場合、
感染者実数の推定値は第一期に比べて第二期の方が
少ないのではないかと見ている。
 勿論、医療体制の充実、治療経験からの治療効率の改善等、
諸般の要因が影響している可能性はあるが、
最近では「コロナ感染」が世間体との兼ね合いで憚られる風潮もあり、
受診が遅れて重篤化するケースが少なくないといわれている。
 是等のことを勘案して重篤化率が変化していないと仮定するなら、
感染者実数は第一期より第二期の方が少ないのではないかとする見方もある。
                               *2
一方では、初期の武漢型コロナに比べて感染し易くなり、
それに比して重篤化率が下がった欧州型が広がっているのではないか
とする見方もある。
 しかしながら、
欧州型は3月初旬頃には欧州への旅行者から日本に入っていた
第一期は欧州型であるとする見方)とするなら、
第一期二期もほぼ同じものか、
更に重篤化率が下がったという見方も出来る。*3

 そこから考えられる事は、明確に比較出来るデータが無いが、第一期より第2期の方が重篤化し易くなったという可能性は考えられず、重篤化率は現状維持、或いは下がった可能性の方が高いといえる。
 
 以上の事から第一期第二期の比較で、
感染者実数が爆発的に増えているとは云えないという結論になる
 又、重篤者数、死者数共に少なく、
状況が悪化したと云う様な状況にはないと推測することが出来る。
とはいえ、重篤者数、死者数は一定の数が出てしまう事は避けられない。

二つの可能性
第一期第二期の感染者実数が同程度なら、重篤化率は下がっている。
②重篤化率が同程度なら、第一期より第二期の方が感染者実数が少ない。
 これをまとめると、第一期より第二期の方が状況が悪化しているとは
考えにくいという結論にしかならない。
 しかも、第一期では緊急事態宣言下で自粛自粛の真っ只中にあったが、
第二期は緊急事態宣言が解除され、GoTo真っ只中での話。
 これは、自粛して得た感染抑制効果と同様の効果を
経済活動しながらでも出す事が出来る事を意味している。

 
 環境面で見ると、
自粛ムードの高まった4月初旬には既に感染のピークは過ぎていたと
見られている事が報じられたが、
今回も8月上旬には感染のピークは過ぎていると思われる。
 この流れから、
感染が拡大すると、皆が警戒するので感染が収まり、感染者が少なくなると気が緩み、感染が拡大する。また警戒するので感染が収まる。
 単純にこれを繰り返しているだけであると見える。
 しかも、必ずしもロックダウンしたら感染が無くなるわけではなく、
単に人と人の接触が少なくなるから
感染機会が減るだけの一時的効果にしかならず、
人間が生きていく上で人と人の接触は避けられない以上、
コロナ感染以外の理由で人間の健全な生活を阻害された結果との
バランスを考える必要がある。
 
 ①経済的に生活が成り立たなくなる弊害。自殺者の増加。
 ②コロナ感染を恐れるあまり、精神的、肉体的な不健全。
 ③経済活動の停滞と企業活動の後退。景気の後退。
 ④将来の増税への加速化。
 
 他にも沢山あるだろうが、
コロナ感染対策だけを見ていたら、
他の要因で苦しむ者が拡大していき、
おそらく来年以後、明確な格差社会が実現していく。
 
 政治家は国民が今要望する事だけを見て対処していたら
衆愚政治に陥ってしまう。
 国民が将来要望するであろう事をも見越して、
バランス良く対処する必要がある。
 時に政治は批判に晒されても断行しなければならない政策がある。
 将来的に納得して貰える様に批判に耐えなければならない事も。
 だから説明せずに何でもやって良いとは言わない。
 敢えて揚げ足取られないように説明を避けている部分もあると思うが、
メディアが聞き出すのが下手な面もある。
 
 GoToキャンペーンも期限を設けず始まった。
 キャンペーン利用者の判断に委ねられているから、
直ぐ対処して欲しい人にも、
もう少し様子を見てからにしたい人にも対応出来る。
 従って兎角始めてしまえば成功したといえる。
 運用法やコロナ感染対策の面では
見切り発車してしまったのは事実であるが、
強引にでも始める事が出来れば成功といえる。
 あの時、躊躇してしまったら、
おそらくキャンペーンを開始するタイミングは無くなっただろう。
 そうして9月には観光業其他で倒産企業が相次ぐ事になっただろう。
 勿論、その危機が無くなったわけではないのだが、
少なくとも多少の救済にはなっていると思われる。
 メディアや批判的な考えの人は失敗を強調したがるが、
実際、観光地では不安な声もあるといっても、
歓迎している企業も多い事が報道されている。
 「今日の売り上げが確保出来なければ、将来の売り上げは無い」
という切羽詰まった状況にある人が多く、
実際に期待している人は少なくない。

大臣等のメディアへの受け答えを見た上で、その背景を考えると、
政府が裏で考えていることはこういう事なんだろうなという結論に至る。

 これに対して岩手県知事がGoToキャンペーンは失敗だと主張した。
 それは組長がどういう考えを持って居るのかという事が大きく影響する。
 東京都知事は都民に東京から出ない様に要請した。
 東京都がそういう方針なら、当然GoToにならない。
 組長が反対する立場なら、当然GoToの成功には程遠い状況になる。
 でも、それは組長の影響でそうなるのであって、
GoTo自体の問題とは別の問題と考えるべきである。


 今後の推測

 コロナウイルスの感染に関しては、
 第二期はもう収束方向に向かっている。
 しかし、次は秋の拡大第三期、冬の拡大第四期があるだろう。
 一部では集団免疫が出来ていると主張する人も居る様だが、
そこまで感染は広まっていないと思う。
 広島県が3回に分けて延べ1万人の無作為抽出者に対して
抗体検査を実施し、県民の感染状況の実態調査を行なっている。
 おそらく半数も感染しているという様な結果は得られないはずだ。
 従って集団免疫を獲得するには程遠い状況にあると思われる。
 免疫は二ヶ月程しか有効で無いというので、
今の状況を三ヶ月単位で繰り返すだろうと推測している。

 
 感染者数は検査数の増大に伴って、
より実数に近づく方向で増えていくだろう。
 その場合、一度感染したら感染しないとは考えない方が良いだろうが、
悪夢を避ける為に、より用心して感染しない可能性はある。
 従って感染者の延べ人数は意味の無い数字だろう。
 インフルエンザより致死率が低ければ、
 明確な治療薬やワクチンが確立していないだけで、
ただの風邪だという意見も一理あると思う。

 インフルエンザよりも致死率が低く、
 同期間の熱中症死亡率より低い。
 重篤化率が低い水準で留まっている事から、
政府は現在の方針を転換する気はない。
 「逆にその数字が逆転する様な状況なら対策を考えなければならない」
という意味で記者の質問に答えているのに、
「話を熱中症の方に逸らした」等と評する者が居る。
 コロナの恐怖に萎縮してしまって、
話を柔軟に聞く事さえ出来なくなっている様子。
 何でもかんでも批判的に捉える様な報道だと 
言えば言う程批判される状況と判断して、
下手に口数増やして批判の材料を与えない様に
口数を減らす方向になるのも仕方ないだろうと思う。

 後遺症の問題もあるにはあるが、
神経系に作用する前に早めの受診と対処をするしかない。
 感染予防はどんなにルール化しても、
最後は個人がどこまで出来るかという問題に帰結する。
 健康状態、栄養状態に気をつけていれば、
多くの人はそこまで恐怖する必要は無いと思う。

*尚、安倍政権の対応について評価しているわけではありません。
 私個人の考え方から見てこの様に見えていると述べたものです。 


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