庭にある石や葉のように…
2025.3.5(木)
AM 11:00 観光タクシーに乗り込み『アルカナ』を後にする
観光タクシーで移動する旅スタイルも東京のお客様に教えて頂いたもの。旅の面白さが倍増する。知らない土地の歴史や文化、名所、旧跡、ホットな話題もてんこ盛りの運転手さんに案内して頂きながら、次の目的地へ。多少の割高は逆にお得感に変わること請け合いです。今回は3時間コースでお願いする
海岸沿いに車を走らせ熱海観光と洒落てみましょう…
新幹線では数え切れない位、通り過ごしたのに、一度も降り立つことの無かった「熱海」。生憎の雨ではあるが、それはそれで風情がある。鈍色に波打つ海は何とも安らぎをもたらせる。やっぱり日本の海はいいよね、秘めた生命を感じるよね。計り知れない奥深さがたまらない。所々でサーフィンの練習をしている人たちがいる。ハワイのカラフルなサーファーとは対照的に真っ黒のスエットに身を包み、僅かな波に乗ろうと…あっ!バイキンマンがこけた!
熱海駅周辺に差し掛かる。商店街は若者の観光客で一杯。運転手さんガイド曰く。東京から若い人たちが、昭和レトロがお洒落だと言うことで集まって来るのだそう。名物の熱海プリンや温泉まんじゅうを食べながら商店街を散策するのが流行りとか…お陰で古びた昭和の温泉街はお洒落で便利なレトロカワイイ街に変換したとのこと
市域内のほとんどが丘陵であり、住宅、別荘、ホテル等々高台の上に建つ。打ち捨てられた別荘や空き家の何とも悲惨な様相を目の当たりにしながら、車は勾配の急な坂を登って行く
樹齢2100年の大楠が鎮座する熱海のパワースポット来宮神社(きのみやじんじゃ)、源頼朝と北条政子が結ばれた場所として縁結びで有名な伊豆山神社…ガイド付きでなければ、面白さ半減で終わっているとこ。お勧めです、観光タクシー
(雨の為写真は撮れませんでした、悪しからず…)
湯河原へと向かう
湯河原と言えば…かの某都知事が公用車で毎週末湯治に訪れる位、東京の人にとっては馴染みのある場所なのでしょうけれど、関西人にとってはあまり馴染みがない土地かも。湯河原温泉のお湯は美肌効果抜群の謳い文句に誘われ、足を延ばした次第
温泉街から少し山間に急勾配の道を登る。中腹にひっそりと佇むのは湯河原の名旅館『石葉(せきよう)』
(写真は石葉さんのホームページからお借りしたもの)
白い大きな暖簾が小雨に揺れながら、我々を招き入れる
玄関に入ると、ひな祭りに因んで貝合わせが飾られ(もう少し、センス良く飾れないものか知らん)炊き込められた香がほのかに鼻腔をくすぐる…少し早めに着いた為、待合室にて部屋の準備が整うのを待つ。小ざっぱりした和風建築の建物は、昭和時代の別荘を生かした建築とか
お部屋は『草楽庵』
自然に囲まれた過ねての別荘を改装した離れ。女将さんの殊更想い入れのある部屋とのこと
茶室であったであろうベットルーム。8畳の和室の床の間には「ランドセル兄の背中を追いかけ…」の句がしたためられた掛け軸が…花入れには…なんでお花が椿なの?ここは桃の花といきたかったな
続きにある4畳の広縁、奥まった窓際には書斎スペースが設けてある。眼下の池にはもみじが影を落とし…心地は良いんだけれど、なんか相方の実家に帰ったようで、あんまり変わり映えしないなぁ…庭にある石や葉のようにさりげなく…適度の緊張感が欲しいところ
江戸の粋、京の雅、奈良の鄙(ひなび)…奈良に住んでいると簡素で質朴が常となるのです。茶道の『侘び茶』しかり
ただ、随所に見える気配り、例えば、足の不自由を配慮して和室には腰掛ける椅子タイプのテーブルが用意されていたり、広縁には長椅子が置いてあるなど、お客に寄り添う姿勢は流石、名旅館と言われるに相応しいと感じる
取り敢えず、夕食までお風呂に入って、静かで安らかな時を過ごしましょう。評判の料理を楽しみに…
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