新潟遠征から1ヶ月。体調不良、肉体疲労により釣りになかなか行けなかった。
久しぶりに釣りキチ真竿さんと乗り込んだのは小網代湾やまさ丸。
この釣り船はもう三度目。
一応真鯛船。
しかしここに集まる常連釣り師さん達は真鯛を狙っているとは思えない。
生き餌で泳がせ釣りしてるひと、サビキ仕掛け落としている人等々。
そんなわけで私は真鯛船で好き勝手な獲物をねらって好き勝手な釣りする事を「ヤマサる」 と命名していた。
こんなヤマサった船の船長も変わってる。
とにかく喋らない。
「はい、やってくださ~い」「水深○○メートルぐらいです」「はい、上げてくださ~」 この三種類しか喋らない。
あとはアドバイスも反応も何も教えてくれない……
(まったく真鯛釣る気のない客と釣らせる気のないおかしな真鯛船だぜ) と思ってた。
だから今日は色んな魚を釣ろうと色んな仕掛けを用意してヤマサるつもりでいた。
しかし……ひとつ気になる情報が……
実はこの船長、真鯛が釣れる場所を見つけることにかけては凄腕であるということ。
独自に真鯛の居る場所を開拓しその知識と経験は他の追随を許さないらしい。
しかし全く喋らないため船長の思いは釣り人に伝わらず現状に至っているらしい。
マジか………
思い当たる事がひとつ……
過去二回やまさ丸に乗ったとき、釣り場には他に船が全くいない……
何か気になる……
午前9:30過ぎ出船。
10分程で最初のポイントへ到着。
水深20m。
どうする……
ヤマサるか……真鯛にこだわるか……
とりあえず真鯛狙ってみることにした。
底からハリスぶんより2m下でビシを止めコマセをまきながら3m上げてセット。
するとすぐ微妙なあたりが……マキマキすると何か掛かっている。
真鯛………
しかし20cmにも満たないためリリースする。
真鯛はいる?
しばらくこの釣り方続けているとまたあたり。
今度は25cmほど。
今度のはキープ。
今の時期どの釣り船の情報きいても“型見ず”が多い……
何だ真鯛居るじゃん、チッチャいけど♪
その後、場所移動し今度は水深25m。
22mまでビシを沈め5mほどコマセをまきながら上げてくる。
そしてあたり……
横には走らない。鯖ではないな……
斜め下に回るように突っ込む。
真鯛でもないな……
上がってきたのは……やっぱりメジナ。40cm弱。
その後40cm程のイサキを追加。
やまさ丸にしては良い釣果。だいぶ満足した。
そしてアチコチで鯖が上がり始めた。
私の道糸も喰いあげるような不自然な流れかたをしてる。
どっかで掛かった鯖が絡んできたかなと最初思った。
しかし、そうではないらしい。
私の仕掛けに掛かっているようだ。
鯖と思い込んでいる私は電動スイッチオン。
アリャリャなかなか巻けない。
それなら……と電動レベルをMAXにする。
それでもなかなかまけない。
電動が負けてラインが出て行く。ドラグはそんなに緩くしてないはず。
ドンだけ強い鯖なんだ。
獲物は真横に走って行く。
ヤバい!止めないと横一列お祭りだ。
ドラグをギッチリ締め強引に手でまく。
しかし物凄い力だ。
鯖じゃない……
これと似た引き方は……サメ?シイラ?
やっとハリスにたどり着いた。
ハリスを手繰っていくとやっと奴が姿を現した。
それは今まで見たこともない大型真鯛だった(後検81cm、7.05kg)。
マジか~……!
隣の釣り客が慌ててタモ入れしてくれたが目の前に突然現れた獲物に焦ったのかなかなか網に入らない。
そこへ違うタモ持って船長登場。
素早く掬い私の前にゴロン。
そしてまた何事もなかったように操舵室に戻って行く。
シブい………シブ過ぎる……
デカい真鯛を釣り上げたが嬉しさや感動はあまり感じなかった。
釣り方が余りにも間抜け過ぎる……
全てが偶然……
デカ真鯛が掛かった時の心得。
魚と喧嘩せずドラグを利用して決して無理せず強引なやり取りはしない。
真鯛とも思わず真逆のやり取りし鯖扱いで釣れてしまった。
そう、この真鯛を釣り上げたことはマグレと偶然なのだ。
しかし……
偶然で無いことがひとつ……
この真鯛が居る場所に連れてきた船長のポイント選び。
これは偶然ではない。
釣り客のほとんどがヤマサってる中、船長は確かに真鯛を狙っているのだ。
この日はこの後キロオーバーの真鯛を一枚追加した。
これは自分の狙いがバッチリ当たった釣果だったので非常に嬉しかった。
今回の釣行で思ったこと……
真鯛船のクセに真鯛に関しては貧果貧果のやまさ丸。
船長が真鯛釣らせる気がないと思ってた。
それは間違いだった。
やまさ丸長谷川船長はどの釣り船も寄り付かない真鯛ポイントを独自に開拓し、真鯛の居るポイントで真鯛を釣らせるべく繰船する伝説の真鯛船船長であった。
その証拠に私は今日船長が選んだポイントのほとんどで真鯛が釣れた。
これは紛れもない事実。
しかし……喋らな過ぎるが故に釣り客に船長の思いは伝わらずやまさ丸はヤマサった状況になっている。
この船長が釣り客のビシの位置を揃えさせ真鯛の反応を見ながら指示出しながら釣りをさせれば……凄腕船長として世に出ていたかも知れない。
私がよく行く三浦、横須賀の真鯛船は軒並み不調だ。
真鯛船休止中にしてしまった船もある。
そんな中真鯛を釣らせてくれたやまさ丸。
しばらくはここでの釣りが増えることだろう。
もう「自分は真鯛師じゃない…」なんて言わせませんよ~
ヤマサらなくて良かったですね
それにしても、やまさ丸の船長…伝説は本当でしたね
また次回よろしくお願いします〓
キントキの煮付け美味かったですよ~
しばらくは伝説の船長のもとで真鯛修行したいですねー