午前11時。
今日二回目の出船。
午前船では大惨敗。
これでは新潟まで来た意味ない。
しかし、相手は自然。
思い通りになどなるわけない。解ってる。
しかし………
今回の遠征にはかなりの肉体的代償を払っている。
このままおめおめ帰るわけにはいかないのだ!
ヽ(*`Д´)ノ
午後船は午前中とは違うポイントを選択。
直江津沖ではない。
しかし狙う棚は午前中と同じ上から10m。
棚取りにに厳しい船長。
ずれてると怒られる。
しかし内心他の棚も探ってみたい。
でも船長を信用するしかない。
相変わらず海況はべた凪。しかし………
午前中の時より微かだが細波が見られる……
ちょっとは良いかも。
仕掛けを投入し13mまで沈めコマセを降りながら10mまで上げる。
竿が微妙に上下。
後ろで船長が「当たってねえか!」 と叫ぶ。
あわせてみるが反応なし。船長も必死だ。
しかし……なんか判らない期待感が湧き上がってきた。
その時後ろで真鯛が釣れ始めた。
真鯛の活性が上がってきたようだ。
チャンスタイム到来か!
期待でテンションが上がってくる!
コマセを撒きながら指示棚にビシをセット。
あたりを待つが反応なし……
もう1m棚を上げる。
竿先が一瞬揺れたかと思ったら海中に引き込まれていく。
(*≧m≦*)キター!!!
竿を持ちやり取り開始。
竿を立てるとラインがズルズル出て行く。
デカい( ̄□ ̄;)!!
敵は今まで経験したことのない重量感を竿先から私の腕に伝える。
大型真鯛を掛けたときのシュミレーションはもう何度も頭の中で行ってきた。
竿を45度に立てポンピングはしない。
常にテンションは保っておく。
急激にラインが出ていく引きの時は耐え、それ以外は巻き続ける。
そして、奴は浮いてきた。
まだ姿は見えない。
ハリスを掴むと物凄い力が腕に伝わる。
そう水深10mから上がってきた敵は余力を十分に残していた。
それでもなんとかハリスを手繰り寄せる。
巻き付いたラインが指を締め付ける。
物凄い力だ。ラインが指に食い込み指が取れるかと思った。
そして海中から現れたシルエットは間違いなく真鯛。
隣で真竿さんがタモを持って待ち受ける。
ネット イン………
やっりぃ~ヽ(≧▽≦)/ヤッフォ~イ
68cm 4.5kg
大型真鯛と呼ばせてもらってもよいでしょう!?
嬉しいぃぃぃ~!
今日この感動を得る為に真鯛釣りをしてきた。
新潟くんだりまで来た。
叫びたいほどの感激。
しかし……船中まだ釣れてない人もいる。
嬉しさを包み込み次の仕掛けを投入する。
そして船中真鯛祭りが始まった!
あちらこちらでkgオーバーの真鯛が上がりまくっていた。
私も二尾目を狙うが当たりがこない。
13mまで落としコマセを出しながら8mまで上げてあたりを待つ。
あたりなし。
50cmずつ落としこむ。
9mの所でラインが引き込まれていく。
掛かった!
素早くドラグを調節しやり取り開始。
上がってきたのは2kgクラスの真鯛。
小さく感じたが、このクラスも今まで釣ったことない。
イイネイイネヾ(^▽^)ノ
さっきのと併せてもうクーラーボックスの隙間はあまりない。
大きいのが釣れても入らない。
でも、釣りは続ける。
また落とし込みで狙うがあたらない。
もう一度3m巻き上げ徐々に落とし込み10mで止めてあたりを待つと竿先が海中に引き込まれる。
あわせる……乗った!
結構重い。ラインが出る。
浮いてきたのは綺麗な3kgクラスの真鯛。
さて困った……この大きさではもうクーラーボックスに入らない。
幸い針は綺麗に掛かっておりファイト時間も短かったのでダメージも少ない。卵を持ってるメス。
リリースしよう。
「もっと大きくなって、また新潟にきたら勝負しておくれ」と願いを込め海に帰ってもらった。
充分たのしんだ。
でもまだ釣りはしたい。
仕掛けを棚ピッタリで止めてビシを振らずに放置して煙草に火をつけ一服……旨い……するとあたり!
くわえ煙草でやり取り開始。
こんな事考えられない。今までなら貴重な真鯛とのやりとり。くわえ煙草なんて有り得ない。
無事取り込んだのは2kgクラスの真鯛。
これならまだクーラーボックスに入る。
しかしもう満杯。
当然、真鯛師釣りキチ真竿も本領発揮だ。
2kg、3kgオーバーを釣りまくっている。
失礼ながら先に釣ったものとしてはホッとした。
今まで二人揃って爆釣ということはなかった。
真竿さんが釣れて私が釣れないというパターンばかり。真竿さんには随分気を使わせてきたと思う。
今日は2人で笑顔で帰れる。
これが一番嬉しい(^-^)v
3時過ぎにちょっと帰りの事を考える。
自宅まで400km以上の運転が待っている。
無事帰り着くまでが釣行。
少し寝よう。
仕掛けを回収し目を閉じる。
「あと10分で終了します!」と船長の声で目を覚ます。
あ~! 終わりか………
楽しかった。
地元神奈川での連敗の日々。
昨年末から始まった癖になったような船酔い。乗船直前に胃に違和感を感じるほど体は船に乗ることを拒んでいた。
真冬船酔いで動けなくなった私に容赦なく打ちつける波しぶき。
船釣りにのめり込んで一年半あまり。
真鯛師でもないのに坊主を覚悟して乗り続けた真鯛船。
辛かった日々が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
そのぶん嬉しさもひとしおだ。
これでしばらく真鯛釣りは封印しよう。
船に傾倒した理由は陸から釣れない魚を釣りたいから。
陸からはまず釣れない真鯛は釣れた。
次のターゲットを探す時が来たかもしれない。
しばらくは陸から美味しい魚を狙っていこうと思う。