野球小僧

トライアウト(tryout)

トライアウト(tryout)とは、本来は適性検査・試験興行を意味します。一般的にスポーツ競技などの団体に加入を希望する選手が、団体関係者の前で自己の能力をアピールし、契約を目指す場のことを言います。スカウトとの違いは、チームが相手に“来て欲しい”と頼むのに対し、こちらは希望者がチームに志願する点です。日本ではプロ野球やJリーグなどで行われており、各チームがドラフトやトレードで選手を獲得する以外に、一般から広く選手を募集する手段として用いられています。プロ野球では2001年より全12球団が合同で行う、自由契約選手を対象とした「12球団合同トライアウト」が行われます。

今年の「日本プロ野球12球団合同トライアウト」は11月12日(土)に阪神甲子園球場にて開催され、例年どおり一般の入場も可能です。
開催日時; 2016年11月12日(土) ※当日雨天中止の場合は翌日13日(日)
開催場所; 阪神甲子園球場 ※当日雨天中止の場合は阪神鳴尾浜球場

今年は日本で行われる合同トライアウトはこの一度のみになっています。現役続行を希望する選手にっては、この日に実力を見せられればいいのですが、まだ納得のいかない場合にもう一度チャンスがあります。今年は初めて台湾でも合同トライアウトが開催されることになりました。「戦力外測試會」と中国語では言います。主催は台湾のプロ野球リーグ中華職業大連盟(CPBL)です。ここでは対象を台湾人に限定せず、海外の外国人選手にまで広げています。

台湾のプロ野球は1990年に発足し、多くの外国人選手がプレーしています。かつてはチーム数も多かったため、中山裕章さん(元中日ドラゴンズほか)、横田久則(元西武ライオンズほか)、正田樹さん(元日本ハムファイターズほか)、鎌田祐哉さん(元ヤクルトスワローズほか)、真田裕貴さん(元読売ジャイアンツほか)、高津臣吾さん(現東京ヤクルトスワローズコーチ)などの多くの日本人選手も在籍し、主力として貢献していた時代もありました。

CPBLでは外国人選手まで対象を広げたのは、口コミや代理人に頼る契約だけでなくチームとして多くの選手を見て採用のキッカケにしたかったことだそうです。公募なら、より多くの参加が期待出来るということです。もちろん、CPBLのPRと情報発信の意味もあります。CPBLは今年6月の新人ドラフト会議前にもトライアウトを開催しています。プロチームが指名対象外の選手でも、自己アピールする場を提供し、このトライアウトを経て指名にこぎ着けた選手もいたそうです。中でも、今回CPBLが期待しているのは日本人選手とのことです。オフィシャルサイトには中国語、英語のほかに日本語でも要項を掲載しており、同関係者も「日本人選手は親近感もあるし、レベルの高さもある。多くの参加を期待しているんです」と言っているそうです。

ただし、CPBLでの外国人選手は支配下登録が3名となっており、出場も3名となっています(野手3名の同時出場は認められていない)。高津コーチは「台湾プロは雑なプレーが多くて日本や韓国のプロよりレベルが落ちる」と発言しており、一概には言えませんが、近年ではMLBでの実績もある選手も少なくないです。また現在は4チームしかなく、外国人選手3名ということは、12名枠しかないため、ハードルは想像以上に高いということになります。

また、契約もシビアであり、1年契約する選手はほとんどなく、多くは3ヶ月程度の短期契約であり、その間に成績を出せば延長されるものの、それでも2ヶ月程度の延長で、8月末に再び見直して更新するかどうかが決まるというのが一般的だそうです。だから年俸制ではなく月給制となっています。高額選手になれば月250万台湾ドル(約250万円)といった選手もいるそうですが、平均は150万台湾ドル(150万円)程度です。しかし、故障しても補償はなく、少しでも結果が出なくなれば球団もすぐに新しい外国人選手と交代ということも日常茶飯事だそうです。実際、来台してプレーしたが振るわず、一週間でクビというケースも珍しくないとのことです。

2008年から2シーズン、台湾の兄弟エレファンツでプレーしていた小林亮寛さんの話です。

「まず、日本人が台湾でプレーするということは“外国人選手”として活躍を求められているということを忘れてはいけない」「言語も習慣も違う。食事に関しても慣れない味や、求める栄養素が簡単に摂取できないなんてこともある。計算できないことが殆どですね。考えてみて下さい。日本で外国人助っ人としてプレーするレベルの選手達と外国人選手枠を争うことになる訳ですから、決して簡単なことではありません」

テレビで観ることもありますが、台湾の球場は内外野天然芝で綺麗ですが、整備状態が良くなく、イレギュラーも多いです。そんな中で、外国人選手は常に結果を求められます。
宿舎はチームで用意してくれますが、寮ではなくアパートのため、食事はすべて自炊です。試合前は球場で簡単なバイキング形式の食事も出るが、チームによっては台湾式の弁当のみということもあるそうです。
また、移動はすべてバスであり、北にある首都の台北市から南部の台南市、高雄市までは高速道路で約3時間半から4時間程度かかり、ナイター終了後の移動も多いです。

小林さんは
「トライアウトは、過去の実績も、知名度も関係なく挑戦したいという気持ちを行動に移せる機会です。そうしたトライアウトが、外国である台湾で始まることは画期的だと思います。“台湾プロ野球?行ってやってもいいぜ。いくらくれるの?”などと驕った考えを持つ選手には響かないでしょう。でも“まだ野球を続けたい。台湾でプレーがしたい!”と考える選手にとってはこの上ないチャンスだと思う」と言います。

「一度きりしかない人生の中で野球を極めようとする志がまだあるのならば、ここから先の未来に挑戦して欲しいと心から思います」

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
今年は多くの選手が戦力外通告を受けましたが、なんとなく、再契約される選手は少なさそうな気がします。世代交代と、早々に諦めた選手が多いようにも思えます。

ハイメ選手はドミニカでしょう。再び日本でその雄姿が見られる日が来るかも知れませんぞ。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

今年はどれだけの選手が挑戦しどれだけの選手がNPBに復帰するのでしょう。
某球団自由契約の20代元ドラ1選手なんてどうなんでしょうね!?
ハイメ選手はCPBL受けないっすかね~

西武にFA後にテスト入団し今年自由契約になったあの選手はどうするのでしょうか?注目です!

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