17日の松坂大輔選手のメットライフドームでの古巣・埼玉西武ライオンズ戦での登板を楽しみにしていたのは、中日ドラゴンズファンだけではなく、ライオンズファンにも多かったと思います。それを裏付けるかのように、前日に続いてドームは満員です。
事件はこの日も発生しました。試合開始30分前のスタメン発表は普通に行われ、松坂選手もブルペンで投球練習をしていました。
ところが、試合開始10分ほど前に、「先発ピッチャーの変更をお知らせします。松坂に代わりまして、藤嶋」とアナウンスされるとドーム内には「エーッ」の大反響がこだまししました。ドラゴンズの予告先発が松坂選手からプロ入り2年目のプロ初先発･藤嶋健人選手に変更が発表されたのです。
確かに、お目当ては松坂選手ですが、ある意味「エーッ」は藤嶋選手にとっては失礼だと思うのですが、あまりの驚きで仕方がないことでもあるでしょうか。
でも、ドラゴンズファンとしては「エーッ」ではなく、藤嶋選手のプロ初先発が見られるということで、楽しめました。何しろ「初」は1回しかありませんのでね。初回にいきなり連打で、ノーアウト一・二塁になった場面では「あかーん」と思いましたが、ライオンズの三番・浅村選手、四番・山川選手、五番・栗山選手から三者連続三振を奪って、この回のピンチを切り抜けますと、その後は若手らしい、小気味の良いピッチングを続けました。4回に森選手にホームランを打たれましたが、打線の大量援護もあり、急な先発登板で6回を投げ、プロ初勝利は立派なものです。
まさしく、ドラゴンズにとって「家貧しくして孝子顕わる」です。このまま先発ローテーションの一角に入ってくるかも知れません。さらに気が早いですが、新人王だって狙える可能性だってあるかもしれません。
一方の松坂投手。先発登板を緊急回避の原因は背中の痙攣(けいれん)のためとのことですが、トレーナーに付き添われ５回途中に球場を後にしたそうですが、どうやら、自力で歩くのがやっとの様子で、球場の階段を上がる際は手すりを使う状態とのこと。思ったよりも重症のようです。また、球場を去る際は取材に応じず、球団代表は「今日は病院には行きません。明日以降。とても長時間(新幹線に)乗れない」と話し、このまま関東にとどまり、18日以降に病院で検査を受けるとみられています。
また、松坂選手は球団を通し「ブルペンに入って投げ始めたところで背中がつってしまい、何とか投げようと思ったのですが痙攣がおさまらなかったので、登板を回避させていただきました」と状況を説明し、その上で「たくさんの方が投げるのを楽しみに来てくれた中で、このような形になり申し訳ありませんでした」と球団を通して謝っていました。
ヒジや肩の故障もあり、いろいろなところをかばって投げているうちに、ほかのところにも歪が来ているのかも知れません。
登録を抹消するようですが、長引かなければいいと思うとともに、しっかりと治してから戻ってきて欲しいと思います。
