サッカーのワールドカップに比べると、その歴史は浅く、日本での注目度は低いのですが、ワールドカップですから国の威信をかけて、世界一に挑むのは同じです。
アジアでは実力No.1の日本代表は今回も出場するのですが、過去の大会では世界との大きな差を見せつけられています。
通算 24戦1勝21敗2分
しかも、24年間勝っていません。
今大会を最後に退任することが発表された名将エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC・監督;http://blog.goo.ne.jp/full-count/e/5bb517360df9641461aa480c86df9cb6 )に招聘し、日本代表を強化してきただけに、今大会では2勝目どころか、グループリーグ突破に期待したいところではあります。
エディーHCが指揮した2012年当初はフィジー、トンガ、サモアとは接戦の試合となるものの、勝ち切れない試合が続きましたが、秋にはルーマニア(現世界ランク17位)とジョージア(13位)に勝利する力を付けてきました。
2013年にはラグビー強豪国のウェールズ(5位)の勝利を初め、カナダ(18位)、アメリカ(16位)にも勝ちました。
2014年はサモア(12位)、カナダ、アメリカ、イタリア(15位)を相手に連勝してきました。
ワールドカップ出場国相手に勝てるところまで、着実に実力をつけて来ていますので、期待しない訳にはいきません。
エディーHCは、代表チームを編成するに当たって、過去の実績にとらわれず、多くの候補選手を招集して競争をさせ、各ポジションに最も適したスキル、メンタルを持つ選手を選んでいます。この手法は先日まで行われていたU-18ベースボールの米国代表と同じです。
どのスポーツでの日本代表も同じような物ですが、過去の実績を優先して選出しているのとは、やはり違います。
そして、強化ポイントの一つ目として、ウエイトトレーニングや走り込みを徹底して行い、フィジカルを負けないレベルに引き上げて来ました。これは主に体格的に負けてしまう、スクラムへの対応を考えたことです。
また、メンタル面の強化として、アウェーでの試合を多く組みました。世界トップレベルを肌で知ることで精神的にも強くなったと言われています。
今回の日本代表の特徴として、多くの外国人選手がいることが挙げられます。日本国籍ではなく、外国籍を持っている選手ですので、それで「日本代表か?」と問われれば、賛否両論はあることでしょう。
ほとんどのスポーツはその国の国籍を持つ選手しか代表になれませんが、ラグビーはその国のラグビー協会に選手登録されていて、継続して3年以上居住すれば代表になれるルールを採用しています。ですから、日本のトップリーグなどで戦う外国人選手でも日本代表としてプレー出来ます。
つまり、日本で行われているラグビーの実力を試す大会でもあると言ってもいいでしょう。例えるならば、マートン選手(阪神タイガース)がプレミア12の日本代表になるようなものです。
実は日本代表はちょっと違います。
日本代表キャプテンを務めるリーチ・マイケル選手(フランカー)はニュージーランド出身です。
札幌山の手高校から日本でプレーし、20歳で代表入りしました。このままでも代表でプレー出来るのですが、ワールドカップで日本代表として戦うからという理由で二年前日本国籍を取得しています。
他にも日本国籍を取った外国人選手は多く、トンガ出身のホラニ龍コリニアシ選手、ニュージーランド出身のトンプソン・ルーク選手、ツイ・ヘンドリック選手などがいます。
日本が入ったのはプールBです。
対戦相手は南アフリカ(4位・19日)、スコットランド(10位・23日)、サモア(12位・10月3日)、アメリカ(16位・11日)です。
ランク14位の日本代表にとっては難敵揃いです。
エディHCは目標をベスト8(プールBで2位までに入る)としていますが、2勝出来れば快挙、1勝でよくやった、最悪0勝の可能性もあり得ます。
エディHCのお母さんは日系アメリカ人2世で、奥さんは日本人。
指導者としてのキャリアをスタートさせたのは東海大学コーチで、日本をよく知っています。
日本の心を持った外国人選手たちと24年ぶりの勝利を目指して、注目の南アフリカ戦は19日(土)の深夜0時45分キックオフです。