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読解力>表現力

2007-02-16 | 金・コトバの力
コトバの力とは、すなわちコミュニケーションの力である。これは相手を前にしての直接的なコミュニケーションだけではなく、時間も場所も離れた相手とのコミュニケーションも含まれる。そして、コトバによるコミュニケーションの中核になるのが、表現力と読解力の2つだ。

自分の経験や考え、意見、感情といった言語化されていない頭の中のモノを整理整頓し、筋道立てた的確な文章に変換する表現力がなければ、正しい発信ができないし、正しく伝えることができない。一方でせっかくの発信も、それを受け取る側が文章を正しく解読し理解して発信者の意図を自分の頭の中で再構築できなければ、コミュニケーションの精度はどんどん下がってしまう。従って、コミュニケーションをコトバのキャッチボールと考えると、表現力と読解力はペアの能力として不可分に必要と言える。

ところで、表現力を発揮すべき発信者たる「私」は、この世に1人しかいない。それに対して、「私」が受信者として読解力を発揮しなければならない「相手」は、1人ではなく無限に存在する。実生活で自分をとりまく家族、友人、クラスメイト、地域の人々、職場の人々、仕事やプライベートで出会う人々。本や雑誌、新聞、テレビやラジオから流れる情報。アナウンス、取扱説明書、チラシ、看板……。1対多の関係性の中で、現実世界のコミュニケーションでは、表現力よりもはるかに高い割合で読解力が必要となる。表現力と読解力はペアではなく、圧倒的に読解力なのだ。

また、自分の経験や考え、意見、感情といった表現の素になるものも、外からの刺激や情報を大量に摂取する中で形成されていくものであることを思うと、量的な割合だけでなく順序的にも読解力>表現力であることがわかる。

コトバの力を考えるにあたっては、コトバを正しく自分の頭の中に再構成する力である読解力を避けて通ることはできない。いや、読解力こそがコトバの力の根幹なのかも知れない。そこで、次回からしばらく読解力をテーマにして考えてみたい。


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