0 2006年07月10日 16時35分39秒 | 小説 暗い霧を抜けて無数に飛び出した者達は1位を目指して走り出す。 あたりは夕暮れですぐにでも夜を迎えようとしていた。 透明の均整ある体を持ちながらも走りの遅い私が始めだけだと言わんばかりにスタートダッシュするが、後続の重い奴等はそれを許さず次々と走り抜ける。 もはや、あいつ等には勝てない、後はへばった体を預けてトロトロ進むだけだ。 ふと、横を見ると年寄りが私以下の速度で穏やかに歩いていて、始 . . . 本文を読む