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~私の好きな馬のこと、馬について思うこと~

サンデーサイレンスは、エクリプスになれるのか?

2019-03-05 00:42:37 | 馬全般について
日本の革命的種牡馬、サンデーサイレンス
2002年の死後もその血は日本競馬を席巻し、いまだその勢いは衰えを知りません。
「血の飽和」ということがもちろん議論されていますし、以前書いた「退屈な競馬」の原因、その一つが、サンデー系ばかりがあまりに繁栄している現状にあると私は思います。

そのサンデー系の現状について、あるブログ(名馬エクリプスについての記事です)に書き込もうとした文章があるのですが、あまりに長くなりすぎてしまったので、代わりに自分のブログに載せてみようと思います。
題して、「サンデーサイレンスは、エクリプスになれるのか?」

(分かりやすいように一部改行しています)

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現状、サンデー系の天下ですよね。
いや、ずっと前からそうですよね。
2019年現在ではディープインパクト、ステイゴールド、ハーツクライ、フジキセキあたりがサンデー系を支える柱になっています。
その周りにディープ兄のブラックタイドなどがいますが、それ以外のバブルガムフェローやジェニュイン、タヤスツヨシ、マーベラスサンデーなどは父系の存続、という点ではもはや絶望的です。
スペシャルウィークは私自身はディープが出てくるまではサンデーの「正嫡」だと思って高く評価していましたし、今でも評価自体は変わっていません。
それが、送り出すG1馬達はトーホウジャッカル以外皆牝馬で、期待のゴルトブリッツは斃死、ローマンレジェンドは引退後誘導馬。
父唯一の牡馬クラシック馬であるジャッカル自身も種牡馬としては苦戦中、というのが現状であり現実です。

となると、父系の存続の可能性はディープ・ハーツ・ステイに絞られるのでしょう(フジキセキがいますが、キンシャサノキセキらはまずまずの子を出しているものの存続という点では微妙、イスラボニータに頑張ってもらうしかない)。

ここまで書いてきて、「サンデー系の今後も気になるけど、この記事のエクリプス系はどうだったっけ?」と気になったのです。
そこで、Wikipedia先生のお知恵を拝借してエクリプス系について改めて調べてみました。

エクリプスの直仔で父系を広げたのがポテイトーズ、キングファーガス、マーキュリー、ジョーアンドリュースの4頭。
このうちマーキュリーとジョーアンドリュースは父系としては断絶していて、
残りの2頭のうちポテイトーズはファラリスがファロスを通してネアルコを出し、
ここからナスルーラ(→プリンスリーギフト系など多数)、
ロイヤルチャージャー(→ヘイルトゥリーズン系<→サンデーサイレンス系>)、
ニアークティック(そしてその直子ノーザンダンサー)が出て、現代まで至る主流血脈を広げていますし、
シックルからポリネシアンを通してネイティヴダンサー(→レイズアネイティヴ系→ミスタープロスペクター系)、
直子フェアウェイが自系統を確立、
そしてファラモンド(カブラヤオーの父ではないです)からメノウを通じてトムフールといった傍流血脈を今に伝えています。

もう1頭のキングファーガスは、その7代後にセントサイモンがいて、
このセントサイモン系はメジロパーマーを出したプリンスローズ系、
バンブーアトラスやタップダンスシチーなどを出したリボー系、
シンザンなど多数の名馬の父ヒンドスタンなどを出したボワルセル系を残しています。

ざっと概略だけではあります。しかし、誰かが言っていたように、「エクリプスは人間でいえばアダムのようなものだ」ということが改めて実感できました。

サンデーは果たしてエクリプスになれるのか?
狭い日本で繁栄している限り、日本では残るかもしれないけれどそれではエクリプスのように世界にその血を広げていくのは無理ですよね。
幸い、サクソンウォリアーのように海外で活躍するディープ産駒も最近は増えてきていますし、種牡馬の輸出も盛んですから、今後徐々にサンデー系が増えていくのだとは思います。

それでも…なんですよ。
確かに、競走実績に乏しい種牡馬からも強い馬が出ることもあります。
例えばナタゴラを出したディヴァインライトのように。
でも、やはり競走実績も一流の名馬が世界に出て行かなければ、本当の意味でサンデー系を広げることはできないと思うのです。
競走成績によってあてがう牝馬の質も違うでしょうし。
例えばジャスタウェイクラスの馬をはじめから海外で種牡馬入りさせるというやり方はできないのでしょうか?

このまま日本中心の血統だけに終わらせるのは、私は残念ですし、サンデーサイレンスに対して失礼だと思います。
「日本国内版エクリプス」では、あまりにもったいないのではないでしょうか?

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こんな感じです。
皆さんはどう思われますでしょうか?
なかなか答えの出ない、難しい問題ではありますが、コメントなど頂ければ幸いです。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (runfor4)
2019-03-06 13:21:27
らうすさん、こんにちは。

いや~、これは目からウロコ、逆転の発想ですね~

自分みたいな日本の中央競馬しか見ていないライトファンからすると、ついつい『サンデーの血を薄めよう薄めよう』としか思ってなかったんですけど…

逆に『世界に広めよう広めよう』の考え方!

いいですね!


これはまぁ、お金が関わる事ですから、サンデー系で儲けてる関係者は嫌かもしれませんが、日本でも文句なく人気種牡馬になるようなレベルの競走馬を引退直後に欧米に輸出する必要がありますよね。

正にジャスタウェイレベル…

他ではネオユニヴァース産駒のヴィクトワールピサとかのレベルですかね?

自分自身、日本で活躍した馬が輸出されてしまうのは寂しいって気持ちもあり、実現への壁はたくさんあると思いますが『サンデーの血を世界へ!』と言うのは夢があると思います。


…とりあえず、個人的にはあまり思い入れのないディープインパクト産駒のG1・1勝牡馬をまとめて海外輸出ってのはどうですかね?

ハットトリックやディヴァインライトみたいな活躍をしてくれたら、それはそれで嬉しいです(^_^;)
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このままではもったいないですよね (首都羅臼@管理人)
2019-03-06 14:15:00
runfor4さん、こんにちは。
なんだか催促したようですみません。
でも、これは誰かに聞いてほしい話だったので…。

本当にそうなんですよ。
国内でサンデーの血を薄めるのにも限度があるんですよね。
例えばノヴェリストなんかを輸入してサンデー系牝馬に付けたりしているのですが、これからもサンデー系(特にディープインパクト系)の馬が生産界に続々とやってくるわけです。
こうなると、実績は十分なのに種牡馬になれない馬もますます増えてくることになるんですよね。

海外の生産者だって、サンデーの血は欲しいはずなんです。
それを国内でだぶつかせて十分に活かし切れないのはあまりにもったいなさすぎます。
ヴィクトワールピサなんかも、そこそこ活躍馬は出していますが、もしも海外で種牡馬になっていたら、もっとやれていたんじゃないか?なんて思っています。

もちろん国内で種牡馬にして、高い種付け料を取って、或いは産駒を生産してセリで高値で売却する方がビジネスとしては正しいやり方なのだとは思います。
リスクを冒してまで海外に売却するという選択肢はないのかもしれません。
それでも、と思うのです。
ジャスタウェイが、ヨーロッパで多数活躍馬を出して現地のリーディングサイアーに輝くとか…。
それはとても夢のある話ですよね。

20年後、文字通りサンデー系が世界の主流になっていたら、なんて思ってしまうのです。
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Unknown (テイエムオオハズレ)
2019-03-08 03:32:20
私もこれは思います。

吉沢譲治さんの著書『血のジレンマ サンデーサイレンスの憂鬱』において指摘されていたこと、そのものなんですよね。

この書は、同じく吉沢さんが書いた『競馬の血統学』という書において、過去、競馬の世界を圧倒した種牡馬を見ると、1つの大種牡馬の系統が次々と大レースを制し、一時代を築く。しかし、やがて、その血統が飽和して、近親配合の弊害などもあり、勢いは終息。やがて、その多数派となった馬の血を持つ馬と相性の良い別の血統の種牡馬が一時代を築いていく、というものをベースにしています。
そして、日本は競馬の世界では極東という地理的な条件もあり、海外への遠征、輸出も少なく、とんでもない勢いでサンデーの血が溢れるような状態になっている。このままでは、「セントサイモンの悲劇」のような状況になってしまうのではないか? というものです(それと同時に、社台グループの一人勝ち状態になり、ファンも白けてしまうのでは?、ということも記されていました)

その打開策として吉沢さんが提案していたのは、サンデー系種牡馬を海外へと輸出する、というもの。
これって、まさに、今回の記事で書かれていることですよね。

こういうと何ですが、社台グループとかが、欧米にも生産拠点とかを作れないものですかね?
ますます、社台一人勝ちが進む、という感じはしますけど、日本国内では需要があまりない種牡馬が海外に行けば……、ということは十分にあり得る話だと思いますし、そこでのノウハウを元に、海外の活躍馬で日本に合いそうな種牡馬を、というような形での発展性も期待できるんじゃないかと思うのですが。
返信する
寡占競馬の行きつく先は… (首都羅臼@管理人)
2019-03-08 18:10:26
テイエムオオハズレさん、こんばんは。

実を言いますと、この記事に書いたことの半分くらいはその吉沢譲治さんの2つの著書の受け売りです(^_^;)
既に1997年の『競馬の血統学』の段階で、こう述べられていたことがその後の『血のジレンマ』に繋がっているような気がします。
「サンデーサイレンスもブライアンズタイムも、血統的には世界のどこに出しても堂々と胸を張れる超一流の能力をもっている。これを日本の宝ですますことなく、世界の宝にまで育ててこそ、はじめて日本は認知されるのである。それが、およそ300年にわたって名血をつくり上げてきた過去の人びとへの恩返しにも、現在の欧米の人びとに還元していくことにもなる」

現状は、増え続けるサンデー系種牡馬・繁殖牝馬のために世界の名血を次から次へと輸入しているわけですが、これが問題なのは、その血が日本国内で完結してしまっていて、サンデーという「日本独自の血統」の力を得た優秀な血統が世界に還元されていない、ということにあります。
「この、まさに洪水のような名血の日本流出に、欧米では警戒感を抱き始めている。もし、日本が将来もこのまま一方通行の状況をつづけるなら、いずれは、『サラブレッドの進化そのものに悪影響をおよぼす』という非難まで噴出することになるだろう」
この状況は、20年経ってますます強まってきているように思います。

社台の海外の生産拠点というと、アメリカにフォンテンブローファームを持っていたと思いましたが、今はもう拠点にはしていなかったのかな?
例えばダーレーが日本に種牡馬繋養施設を含めた生産拠点を持っていますが、社台グループとして、アメリカやアイルランドあたりに種牡馬施設を設けて、えりすぐりの種牡馬を連れて行くなんていうのもいいですよね。
欧米だって、血統の行き詰まりには大なり小なり悩まされつつあるような気がしますから。
欧米の血脈と日本の血脈が結びつくことが、また新たな活力を生み出すような気がします。
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浅い知識ですが (りっこ)
2019-04-08 16:44:01
SSと欧州。
先日「よしだみほ」氏の漫画にこんなのありました。
http://futabasha.pluginfree.com/weblish/futabawebmag/Yoshida_Umanari_992_1_7BCDC/index.shtml?rep=1

お題は「ダノンバラード」ディープ産駒種牡馬です。日本→イタリア→(トルコ)→イギリス→日本という感じで渡り歩いていることを初めて知りました。

欧州では今SSの血は結構華やいでいる気がします。
先日ドバイ競馬で馬柱を見たら「ヨシダ」という馬がいて、「日本の馬みたいだ」と思ったら、父親がハーツクライなんでありました。
ディヴァインライトもフランスでナタゴラを出して種牡馬として認められており、また去年の仏ダービー馬はディープ産駒ですね。

SSは日本で飽和状態に。これは牡馬だけじゃなくて牝馬こそ、そんな感じ(特にディープ産駒牝馬)彼女らが欧州に活路を見出したら、なかなか面白いことになるんじゃないかなと思っています。

反対にウオッカ陣営はどうしてそんなに欧州にこだわったのかなぁ~彼女にはSSの血が入っていなかったから、2頭ぐらい国内出産SSとの交配を見てみたかったのに。オーナーの意向か繁殖即欧州。そして15歳にして欧州で星になっちゃいました。残念です。
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ワールドワイドな活躍を (首都羅臼@管理人)
2019-04-08 17:39:27
りっこさん、こんにちは。

私もそのマンガを読んで、「うわ~、ダノンバラードって、そんな流転の人生を歩んできたんだ」とびっくりしました。
調べてみたら、ディープの血を欲しがっていたトルコ人のオーナーに見初められてトルコ行きが決定していたそうで、その後はマンガにあるとおりの経緯でイギリスに行ったのですが、イギリスでも60頭以上の牝馬に種付けをしたそうです。
向こうでの産駒がどんな活躍をするのか、それによってはまた海外に渡る可能性もありますよね。
一昔前には考えられなかった、ワールドワイドな活躍です。

ヨシダは、ノーザンファームの生産馬みたいですね。
G1も向こうで勝っているので、いずれは種牡馬入りすることになると思います。SSのふるさとアメリカにいわば恩返しのようにその血が還流して、後世に残っていくとしたら、非常に意義深いことですし、夢のある話です。

もはやディープインパクトは世界的な存在ですよね。
サクソンウォリアーが本場イギリスのクラシックを勝って、ダービーで1番人気に推されるという、まさかそんな日が来るとは思いませんでした。
ちょっと脱線しますが、そのディープがアクシデントで今年の種付けを中止したことは、もはや日本にとどまらず海外の生産者にまで影響を及ぼすことになるのでしょうね。

SS系牝馬の海外進出も、ぜひ見てみたいですよね。
例えばジェンティルドンナが海外の種牡馬と交配したら…何となくすごく相性がいいような気がします。
昔ダンスパートナーが海外に繁殖留学に行ったことがあって、そこで交配して生まれたのが彼女にとって唯一の重賞勝ち産駒フェデラリストという例もありますよね。
今後SSに加えキングカメハメハなどの日本の主流の血脈を抱えている牝馬も激増するはずで、その相手として実力未知数な種牡馬を連れてくるより、向こうの実績ある種牡馬を相手にしてみる方が、素人考えですがいいような気もします。

確かにウオッカには一度でいいからSS系を試してみて欲しかったですね。
彼女の切れ味を活かせる相手、例えばハーツクライ(敢えてディープではなく)との子供も見てみたかったです。
どうしてシーザスターズにこだわったのかな?と思ってしまいますよね。
フランケルとの子供がまずます活躍しているだけに、余計にそう思います。
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