【ネット小説】FREISEIN(フライザイン)~死に対して無碍

なぜ生きねばならないか分からない少女と、なぜ死なねばならぬか分からぬ少女が出会い、ニーチェのツァラトゥストラの謎を追う

★無料メルマガ:仏教講師が書く【あなたが変わる5つの物語(ストーリー)】

2011-12-25 | プチ説明

 

 

★来年(2012年)から、【無料メルマガ】を始めます。

 


 


 

タイトルは、

 


 

■仏教講師が書く

 


 

  あなたが変わる5つの物語(ストーリー)■

 


 


の予定です。



 




 


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●5つの物語とは、




 


1:世界最高水準の智恵を知る物語



 


2:生きる意味を知る物語



 


3:運命の仕組みを知る物語



 


4:自分自身を知る物語



 


5:本当のしあわせを知る物語



 



 



 


●この5つのストーリーを読むと



 


□ 生きる力が湧いてきます。



 


□ 地に足のついた生き方になります



 


□ 本当の意味で、自信がもてます



 


□ 目先の快楽ではなく、本当のしあわせを
  知ることが出来ます



 


□ 世界最高水準の偉人、哲人の教えが
   分かりやすく学べます



 


□ 生きる意味が分かります



 


□ 根拠のない迷信に惑わされることがなくなります



 


□ 他人の評価のためではない、自分の人生を
  歩める
ようになります



 


□ タブーともいえるようなディープな問題に
  真正面から取り組めます
  (死とか、心の内の罪悪感など)




 


そして



 



●あなたが変われば、あなたの大切な人を
 しあわせにすることが出来ます。



 


●あなたの心が変われば、家庭の、職場
 世界の見え方が変わってきます



 


●小手先のテクニックではなく、
 根本的なところから書かれてあります。



 



 


さらに



 


【最新版:フライザイン】という哲学小説の全文をメルマガ読者にだけ、プレゼントしたいと思います。



 


詳細は、後日お伝えいたします。

 


 


 

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◆◇◆ 一期一会の精神で、メルマガを書きますので


     応援よろしくお願いします ◆◇◆

 


 


 

 

 

 

 

 

 


 

 


哲学小説【目次】☆

2011-01-29 | 小説

みなさんはじめまして。



ネット小説を始めました。

何分はじめてのことですので、いろいろアドバイス、

率直な感想、何でも教えて(コメント)いただければと

思います。

簡単なストーリーは、

なぜ生きねばならないか分からない少女と、

なぜ死なねばならぬか分からぬ少女が出会い、

ツァラトゥストラはかく語りき」(ニーチェ

出てくる「死に関して自由。死に際して自由」という心

を求めていく。。。というものです。

どうぞよろしくお願い致します。










■□■ 目次 ■□■

※読まれたいところの言葉をクリックし、続きを読まれるときは、
 記事の右下の「次の記事へ」をクリックしてください

すべての(永遠の)哲学少年・少女に捧ぐ

プロローグ prologe

◆第1章

(1)真中淳子

(2)行方さくら

(3)ともだち

(4)ウェルテル

(5)ウェルテル-2

(6)こころ-1

(7)こころ-2

(8)月日

(9)しあわせ-1

(10)しあわせ-2

(11)しあわせ-3

(12)告白-1

(13)告白-2


【記事一覧1】

http://blog.goo.ne.jp/freiseinmuge/arcv/?page=5&c=&st=0


【記事一覧2】

http://blog.goo.ne.jp/freiseinmuge/arcv/?page=4&c=&st=0


【記事一覧3】

http://blog.goo.ne.jp/freiseinmuge/arcv/?page=3&c=&st=0


【記事一覧4】

http://blog.goo.ne.jp/freiseinmuge/arcv/?page=2&c=&st=0


【記事一覧5】

http://blog.goo.ne.jp/freiseinmuge/arcv




◆プチ説明

(1)ゲーテ

(2)プラトン

(3)夏目漱石

 
   
   (ニーチェ:Wikipediaより)






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● A song today

 竹内まりやで「人生の扉」
  ※特に最後の部分がすきです。






 

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(現代小説部門2位)



第2章(61)【NOT  FOUND ミツカラナイ】 2

2009-06-30 | 小説
【NOT  FOUND ミツカラナイ】 2

やっぱり答えはないのだろうか。

哲学も今は、相対主義・プラグマティズムがひろがってるし、
絶対的な答えなどないのかも。。

いやいやそうじゃない。
本当のプラグマティズムそうじゃないって哲学科の先生が言ってたわ。
プラグマティズムは「絶対的な真理かどうかは完全証明・が出来ない」
と言っているのであって、「絶対的な真理はない」とは言ってない。
だから、

逆に

『絶対的な真理はあるかも知れないけど、それは完全証明出来ない。
だけど、完全証明されたものでないと俺は納得しない』

といってなにも選ばない、何もしないのがナンセンスで、
証明はできなくても、一番妥当で有効なものを選ぶべきだというのが
本当のプラグマティズムの考え方だと教えてもらった。
そして、それはその通りだと思う。
だから、最後、この限りある人生の中で、生きる道を選ばないといけない
のだ。

でも、今は、『こっちの方面かな』という大まかな方向性する見つからない。。
そして、私たちの大学生活は終わりました。
精根尽き果て、私たちの、「死との格闘」の日々は、
無情にも時の流れの速さに敗北を喫したのです・・・・。



 第2章 終


The Beatles - The Long And Winding Road (STEREO)




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(現代小説部門2位)

第2章(60)【NOT  FOUND ミツカラナイ】 

2009-06-10 | 小説
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヨクがヨクをウム

ヨクがヒトをキヅツケル

ヨクがジブンをキヅツケル

キヅツイテモ、キヅツイテモ

キヅツケツヅケル

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【NOT  FOUND ミツカラナイ】          

それから私達は可能性のあるジャンルを片っ端から学びました。

構造主義

ポスト構造主義

プラグマティズム

そして

キリスト教をはじめとした宗教学

儒教

老荘思想

ウパニシャド哲学

など、様々なものを学んだけど、これ!っと感触のあるものはなかった。。。


夏目漱石の『門』よろしく、座禅の体験もしてみました。
心を静めてみていろいろ見えてくるものがありました。

・・・・・・・・・・・・

頭の往来を通るものは、無限で無数で無尽蔵で、けっして宗助の命令によって、
留まる事も休む事もなかった。
断ち切ろうと思えば思うほど、滾々《こんこん》として湧《わ》いて出た。

・・・・・・・・・

ぞろぞろと群がる蟻《あり》のごとくに動いて行く、
あとからまたぞろぞろと群がる蟻のごとくに現われた。
じっとしているのはただ宗助の身体《からだ》だけであった。
心は切ないほど、苦しいほど、堪えがたいほど動いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この『門』の一節が実感される日々でした。
そして、これまた漱石同様、心に光が射すことはありませんでした。
念仏行もやってみましたが、得るものがありませんでした。
死の壁を超えることはできそうになかった。

せめて、せめて、解決の方向だけでも見えれば・・・



ニーチェはいう


「偉大とは方向を示すことだ」

Grosse heisst: Richtung-geben.

(グレーセ・ハイスト・リヒトゥングゲーベン)

(「人間的、あまりに人間的」521)ニーチェ


あぁ、その通り。


だけど、
まったく方向が見つからない。
サルトルの戯曲じゃないけど「出口なし」状態に陥った。

さくらちゃん、「どうしたら死に対して無碍の身になれるのか」の答えが
みつかんないよ。


こんな頭のいい人たちが、生涯かけて
考えたのに、答えがないんだよ。

知のトップアスリートたちが、めんめんとそのバトンを
渡していきながらも、いまだゴールすら見えず、
痛いくらいに苦しみながら、闇の中を走り続けている。
探究している私ももう苦しくなってきたよ。

こんなはずじゃ、なかったな。。。


The Beatles -Let It Be






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第2章(59)【先駆的覚悟】-2

2009-05-25 | 小説
にしのんは、クイッとメガネをあげた。

「さて、ここまでが吾輩の限界だ。
 そなたに教えられるのはここまで。
 これからは、名実共に二人三脚だ。
 ま、サイエンもいれたら三人四脚か。
 方向性は見えないけれど、あきらめたら花が枯れてしまう。
 念ずれば花開く、だ」

にしのんはまた大きな瞳をクリクリさせてニッコリ笑った。
そして深々と頭を下げた。  

「これからも、よろしくたのむ。
 吾輩も父の死を無駄にしたくはないのだ。
 見せかけでなく、本当の幸せになるのが真の娘の務めと思ってるから」

にしのんは、初めて会った時と同じ角度で、サッと右手を出した。
固い握手。
ニコッとにしのんが笑ったあと、頭がカクンと垂れた。

「にしのん!にしのん!?」

まさか!にしのんまで?

ビックリしてにしのんを揺さぶる。



「ああ、すまない」


「どうしたの?大丈夫??」


「うん、大丈夫。なんとか、答えを出さねばと思ってな。

ちょっとだけムリした。
もう『遅かった』ってのは嫌だからな」


「にしのん。。。」


わたしは、にしのんをギュゥーと抱きしめた。
最愛のお父さんを交通事故で亡くしたにしのん
高校時代の親友を自殺で失ったサイエンさん
そして3人共通の友、さくらちゃんと死別した私達。

「死」を通して結ばれた友情だからこそ、こんなにも
固く、優しく、素晴らしい絆で結ばれることができたのでしょう。

本当ににしのん、サイエンさんに巡り会えてよかった。


私は泣きながら「有難う」を100回繰り返した。。。。

止まったはずのワーグナーの曲が耳に聴こえてくるようでした。

静かに私達を応援するかのように・・・・・



John Lennon - Imagine






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第2章(58)【先駆的覚悟性】

2009-05-21 | 小説
【先駆的覚悟性】

「前回、世界-内-存在に大変革が発きてこそ、死を超克できるはずだという
 ところまで話しをしたと思う」   

「うん」

「では、どうすれば、という問題に自然となる」

「そうね」

「しかし、だ」

「しかし?」

「残念ながら、どうしたら世界-内-存在に大変革が発きるのか、それが
分からぬのだ」

「そこまではハイデッガーは語ってないの?」

「ハイデッガー哲学において死に対して自由になるにはどういうプロセスを
 経るか、本当は『存在と時間』を熟読してもらいたいけど、
 今は細かいとこや厳密なところはしょっぴいて説明するぞ」

「うん」

「まずキーワードが二つある。

一つは『(死への)先駆的覚悟性』

一つは『良心の呼び声』

ポイントだけ話すけど、それでもかなり難しいよ。
まず『死への先駆的覚悟』についてはこう書かれてある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「現存在が、先駆することによって死を自分で征服するようになれば、
 現存在は、死に対して自由(自在・無碍)である」

(『存在と時間』74節 152)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


つまり死への先駆的覚悟により、死を自分で征服できれば、

『死に対して自由(自在・無碍)」になれる!』」


「おおーいきなりすごいじゃない!
 で、死への先駆的覚悟ってどういうことなの?」

「そのことについても色々書かれてあるけど、端的に書かれてあるのは

62節(下巻P23)だな。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「先駆的覚悟性は、死を『克服する』ために考えだされた、
 逃げ道ではなくて、良心の呼び声にしたがう了解の働きである」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「つまり『先駆的覚悟性』は『良心の呼び声にしたがう了解の働き』
 だということ。」

「良心の呼び声にしたがう?」

「ちょっと難しいね。
 まず良心の呼び声とは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『良心の呼び声、すなわち良心そのもの』

p277-278              

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 とある。
 では誰の呼び声か。
 これは人間を超越した神などの声ではないと解釈するのがスタンダード
 だね。なぜなら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『呼び声は、わたしから出て、わたしを越えて、わたしに達する
ように発せられる』

58節 中p278

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 とあるから。   
 だから『呼び声』は自分の呼び声。
 そして、この呼び声についてはいろいろ書かれているけど

60節(中p316)にはこうある。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                  

「呼ぶことは、黙することです。
 良心の語りは、決して声にだされることはありません。
 良心はただ黙って呼び、すなわち呼び声は、気味悪さという
 全くの声ないことから出発して、呼び起された現存在を、
 静かに落ち着こうとする現存在として自分みずからの静安へ
 呼び返すのです。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                


「う~ん、よく分からないけど、自分の中なる声なき声を
 聞いて心が平安になるってこと?」

「ここの解釈がいろいろ分かれるところだけど、
 大まかにいうと、そういうことになりそうだね」

「それで、本当に死に対して自由になれるの?」

「そう、この肝心なところが『存在と時間』ではハッキリしない。
 吾輩の感じからいうと、どうもこの部分は他の部分に比べて迫力がない。
 迫力があればいいというわけではないけど、どうもスカッとしない。」

「うん、私もそう感じる」 

「そもそも、ハイデッガーは63節 下巻P28でこう書いている」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「世界-内-存在は、自分の死よりもいっそう高い自分の
 存在可能の法廷をもっているのでしょうか」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「つまり、先ほどの『呼び声』は世界-内-存在の外からの
 声ではなく、内からの声とハイデッガーは書いていたよね。
 もし、それが文字通りの解釈としたら、いったい
 世界-内-存在自体に、死を超える何かをもっているんだろうか、
 が大きな問題になる。
 ハイデッガーが自問しているように、
 『自分の死よりもいっそう高い自分の存在可能の法廷』を
 持っているのか、ということ。 これが甚だ疑問だ」

「そうね」

「キュルケゴールは、自分の中にはその力はないと言っている」

「うん、そうだったわね」

「そもそも、この『存在と時間』は未完成なんだ」

「え、そうなの!」

「うむ、ハイデッガーは37歳で『存在と時間』を世に出し、86歳で亡く

なったが結局完成は出来なかった。」

「そうだったんだ。。。」

「だから吾輩の考えとしては、ハイデッガーはものすごいところまで
 死について探究したが、結局明確な答えまでは出せなかったのでは
 ないかと思う。

多くのヒントを残してくれたのは間違いないが、
残念ながら、ここがハイデッガー哲学の限界だと思う」

「えーそんな」


ジョージ・ハリスン セット・オン・ユー(1987)






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第2章(57)【善悪の彼岸】

2009-05-14 | 小説
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ヒトはシヌ

カナラずシヌ

ナノニ、イツモジブンはレイガイにシテル

キョウニデモシヌノニ

エイエンのイノチをジブンだけがモッテルように

サッカクシテる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


【善悪の彼岸】


次の日、にしのんが私を部屋に呼んでくれた。

「これ、かけていいか?」

二人で紅茶を飲んだあと、にしのんがいつものように突然切り出しました。
手に持たれていたのは、マーラーの『大地の歌』。
いつか、さくらちゃんと一緒に聴いたっていう話を覚えていてくれたんだ。
コクリと私がうなずくと、にしのんは、自分の思いをこめるかのように
丁寧にMDをケースから取り出し、いつもとは違うゆっくりとした動作で
コンポにMDを入れました。

おごそかに始まる「大地の歌」
さくらちゃんの病気を知る前日に聴いた曲。
紅い夕陽に照らされた部屋の中で、さくらちゃんに「何のために生きているか
考えたことある?」と尋ねた日に聴いた曲。
さくらちゃんと一緒に聞いた最後の曲。

さくらちゃんに教えてもらった

『ドゥンケルDunkel ist das レーベンLeben ist der トートTod
(生も暗く、死もまた亦暗い)』

と結びの部分

「エーヴィッヒEwig... エーヴィッヒewig...(永遠に 永遠に……)」
は何とか聴きとることができました。
あの日と同じように拍手喝さいをもって曲は終わった。

しばらくの沈黙。
やがてにしのんがいいました。

「これから、どうする?
 哲学の勉強は続けるのか?」

じっと大きな瞳で私を見つめる。
一呼吸して、  

「うん、
 勉強したい。
 さくらちゃんが私に命の尊さを教えてくれたから、

その命の意味をどうしても知りたいの。

死に対しての自由を求めながら『生も暗く、死も暗く』と

歎いたのは、さくらちゃんだけじゃないもの。

私もそう。

さくらちゃんは後3ヶ月は生きていられると思ってたけど

そうじゃなかった。

私だって、いつどうなるか分からない、いや、さくらちゃんより

私が先に死んでいてもおかしくなかった。

人の命とはそういうものだってやっと分かったの。

だから、だからこの答えは絶対に出さなきゃいけないって思うの、

さくらちゃんが最後に教えてくれた

『念ずれば花開く

あきらめたときが花枯れるとき』って。

だから、私、あきらめたくない、心に花を開かせたい!

お願い、 にしのん、これからも哲学を教えて!」



「うん、もちろんだよ」


その言葉を待っていたとばかりに、ニコッとにしのんは笑った。


「では、さっそく始めよう」


そういって、にしのんはいきなりスケッチブックを広げ、そこに文字を

書きながら『哲学講座』を始めました。


ビートルズ名詞集






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第2章(56)【手紙】-2

2009-05-13 | 小説

駅からしばらく歩いてさくらちゃんの家に着きました。
玄関に立つと『忌中』の黒と白がいやが応にも目に飛びこんできました。
震える手でチャイムを押すと、さくらちゃんのお母さんが出てきました。
いつもニコニコして多くは語らないさくらちゃんのお母さん。
さくらちゃんと同じように、綺麗に眼を細めて出迎えてくれました。

「わざわざ来てくれてありがとう淳子ちゃん、そしてにしのんとサイエンくんね。 ど

うぞ中に入ってちょうだい」

ペコリと頭を下げ、家にあげて頂きました。
仏間に通されると、さくらちゃんのお母さんは、正坐をして
深々と頭を下げました。

「さくらがお世話になりました」

さくらちゃんのお母さんは、あふれる涙を拭こうともされず、何度も私たち
三人の顔を交互に見て笑顔になろうと一生懸命のようでした。

「あの子は、あなたたちのことばかり話ししていたのよ。
 私にはもったいない素敵な友達ができた。
 みんな、優しくて、頭良くって、
 こんな私のために一生懸命頑張ってくれてるのよって」

あぁ、さくらちゃん、私の方こそ、私の方こそ、私にはもったいない
素敵な友達だった。
本当にあなたに会えてよかった。
あの時、声をかけてくれて有難う。
いろんな話をしたね。
一緒の時間が心地よかった。
強さと弱さを両方もっていたさくらちゃん、だからこそ、私に勇気を
与えてくれた、私をまっすぐに押し出してくれた。

「手紙、いつも楽しみにしてたわ、あの子。

最後まで手紙を送ってくれて、ありがとうね」
そういってお母さんは、仏前に置いてあった、さくらちゃんには
届かなかった私の手紙を見せてくれた。
そしてもう一つ、封筒には入れられていない便せんのままの手紙が
お母さんの手にはありました。

「これ、最後まで書きあげることが出来なかったみたいだけど、
 あなたたち宛ての手紙があるの」 
 
そういって、さくらちゃんの最後の手紙を手渡してくれました。
開くと、そこにはまぎれもない、さくらちゃんの字で綴られていました。
しかし、今までと違いか細く、少しだけゆがんだ字でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

淳ちゃん、にしのん、そしてサイエンさん
いつも、本当に、本当に、本当にありがとう。
どんなに感謝しても、感謝しても、まだ足らないです。
こんな、何にも出来ない私に、一生懸命になってくれて、
ただひたすら感謝です。

私は自分が白血病だって知らされたとき、ありとあらゆるすべてを恨んでしまい
ました。
社会も、両親も、自分の存在も、すべてが疎ましく、腹立たしく思えてしま
いました。
どうして私なの、って思いました。
もっと悪いことしてる人たくさんいるのに、そいつが私の代わりに病気に
なればいいじゃないのと、無茶苦茶なことも思ってしまいました。
バカですね。

でも、そんな愚かな私が、何とか心のバランスをとれたのは、間違いなく
みんながいてくれたからです。
そして、お父さん、お母さんがいてくれたから。
ひどいやつあたりもしたのにね、そのたび両親は温かく受け止めてくれました。
お父さん、お母さんが変な遺伝子を残したせいだって、とんでもないことも
言っちゃったね。
あの時は、すみませんでしたって心から謝りたい。
でも、直接いえなくて、手紙でも書けなくて、他の人の手紙に書いてるなんて
こっけいね。

「死」を宣告されて、初めて分かったのは、生命の尊さ、重さ、
そして決して一人で生きているのではないということ。
家族や友人の有難さ、自分の弱さ、見えなかったいろいろのものが見えて
きました。

もちろん「死」は恐怖そのもの。
だけど、目をそらしちゃダメなんだって思う。
「死」から目を逸らすことは「生」から目をそらすことになってしまう。
ニーチェは、「死」から目をそらさないと何もできなくなるぞっていう感じの
ことを言っているけれど、それはそれで当たりの部分もあるけど、
でも、私は、最後まであきらめたくない。
だって、私には親友がいて、あきらめず、毎日、それこそ真剣に、
「死に対して自由、死に際して自由」な世界を探してくれているんだものね。
当事者の私が投げ出すわけにはいかないわ。

だから、今、生きておれるのは、みんなのおかげ。
すでに命の恩人なの。
だから、私、最後まであきらめません。

念ずれば花開く
あきらめたときが花枯れるとき

だから

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


手紙はここで切れていました。
私は、ただ手紙を見つめることしか出来ませんでした。
3人とも、時が止まり、身体を動かすこともできなくなったようになって
しまいました。



「さくらちゃん、ゴメン!」

突然そう言ったのはにしのんでした。
いつもクールなにしのん。
そのトレードマークの大きなメガネをはずし、にしのんは号泣した。
ごめんごめんと何度もいいながら。。。

一度も会ったことがなかった心の友の為ににしのんは泣いた。
泣き続けた。
私たちが初めてあった日、初めてさくらちゃんのことを知った時も
一緒に泣いてくれたにしのん、
本当に優しくって、たよりがいがある、私の親友。
にしのんは、出会ったその日から、一日も休まずに私たちの為に
時間も体力もお金も精神力も、すべてを投入してくれた。
サイエンさんとデートなんてこともなく、ただただひたすら。。。
分厚い哲学書をいったい何冊読破したのだろう。
微妙なニュアンスは原文でないと分からないからとドイツ語や
フランス語の原書まで眼を通していた。
そうなると大きな図書館にも置いてなくて、自分で購入していた
のだ。
私はせめてそのお金だけは捻出したくてバイトをしました。
力がない自分がこんなにうらめしく思ったことはなかった。
だから、少しでも貢献できることがあったら何でもやりました。
でも、最初から最後までにしのんとサイエンさんにおんぶに抱っこだった。
なのに、なのに、そのにしのんが、ごめんごめんって、泣いて
いる。。。
私ももう感情を抑えることができなくなった。
嗚咽しながら倒れふしながらもう泣き叫んでいた。
サイエンさんも泣いていた。
ひたすらさくらちゃんにお詫びしながら。。。。
世界には、さくらちゃんと私たち3人しかいなかったのように、
世界が涙に濡れていました。


John Lennon in Madison Square Garden / Mother






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第2章(55)【手紙】

2009-05-06 | 小説
3日後、にしのんから電話がありました。
にしのんもサイエンさんも、さくらちゃんの家に行きたいのだ
という。
私も葬儀の時は、記憶がとんでて、ほとんど覚えていませんでした。
だからもう一度キチンと挨拶しなきゃと思ってたところだったので、
一緒に行くことにしました。
にしのんもサイエンさんもさくらちゃんとは結局一度も会うことはなかったのだけれど
私たちは、みんな昔っからの親友だったように思えてなりません。
みんな「ハナミズキの精神」なのだ。

「今回のことは残念だったね」

やさしくサイエンさんは言いました。

「実は、俺もさ、去年親友を亡くしてね」

「え、そうだったんですか。。」

私は始めて聞くフリをしました。

「うん、去年の春だ、自殺だった。
 中学高校とサッカー仲間でな、そいつも人生に悩んで、大学1年の
 春に自分で人生に終止符をうっちまった。
 大学合格が決まったあと、そいつ、ミッチーっていうんだけど、
 ミッチーから聞かれたんだ『何のために生きるのか』ってな。
 でもちゃんと答えられなかった。
 それがすごくショックっていうか後悔でな、
 それから俺も少し真面目になって、人生について考えるようになった
 んだ。
 で、俺は科学が好きだったから科学からアプローチした。
 そして、こいつは本格的に哲学の勉強をしてくれたんだ。
 大学受験の真っ最中なのにな、優しいところあるだろ」

「うん、にしのんはとっても優しい」

「余計なことはいいから続けろ」

苦笑いしてサイエンさんは続けました。

「で、こいつのお父さんも交通事故で亡くなってしまて、そんなことが重な
って、こいつ志望大学もお父さんが出た大学に変えたんだ」

「はい、それはにしのんから聞きました。」

「そうか。それでな、こいつから君のことを聞いて、俺も陰ながらずっと応援
 してたんだ。だからな、俺も悔しいんだ、淳子ちゃんの親友が亡くなった
 ことが。。。。」

ああ、人はいろんな傷や哀しみをもちながら生きている。
そして、そんな中、私の知らないところでずっとサイエンさんはずっと前から
応援してくれていたのだ。

人と人とのつながりにホロリときました。


Paul Mccartney & Steve Wonder - Ebony And Ivory





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第2章(54)【Without you】

2009-05-02 | 小説
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヘビはスガタをミラレタダケで

ニクマレル

ゴキブリはスガタをミラレタダケで

コロサレニかかる

ワタシのイニシエのスガタデアロウニ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




【Without you】


さくらちゃんは死んでしまった。


この日、朝から雨だった。
葬儀には、元クラスメイトが集まった。

皆、泣いていた。

一番仲のよかった私が、もっとも悲しみ、泣いていなければ
ならなかったろう。
でも、もう涙を流しつくしたからだろうか、

それとも、冷酷さが本性をあらわしたのだろうか、
葬儀の時は、私には、おどろくほど、悲しい感情がなかった。
すくなくとも、表面にあらわれることはほとんどなかった。

私は悲しいはずだ、あの時はあれだけ泣けたのだし、
本当はもっと悲しいはずだ、
だからもっと悲しむべきだ。

親友が死んだんだよ。
なにしてんの、もっと悲しみなさいよ。
と母親が少女をしかるように、自分で自分に叱りつけた。
無理やりでも悲しもうとしたが、感情は動かなかった。

葬儀が終わり、家に帰り、
「若きウェルテルの悩み」を開いた。
はじめてさくらちゃんに会った時に読んでいた本。
二人を引き合わせた本。
ウェルテルは悲しみにくれ、自殺してしまったけど、
さくらちゃんは最後まで生き抜いた。

そして、さくらちゃんは私に幸せを願ってくれた。
さくらちゃんは、私に死なないでっていってくれた。
さくらちゃんは、生きる屍だったわたしに温かな心を再びおこしてくれた。

以前さくらちゃんと一緒に聞いた曲を流しながら、さくらちゃんとのことを
思い起こしていました。

歩き疲れた 夜にたたずむ
流れる涙を記憶に重ねて
出会いの数だけ 別れはあるけど
限りない時が続くと信じてた
傷つけ合った言葉さえ 今は抱きしめ
振り返るだけ I feel alone
How should I love you
How could I feel you
Without you
数え切れない思い出が時間を
埋めつくす
同じ時代に生まれて出会った
それぞれの愛を 確かめるために

I still remember 答えのない明日に
夢を求めていた日々を
限りなく広がる空に もう一度
生まれた意味
今を生きる意味を
問い掛けて

生きてる事が 時には辛くて
素直になれない 自分を演じてた
貴方を愛して 貴方に傷ついて
愛と言う言葉の 深さに気付いた
Do you remember 初めて出会った日の事
同じ夢を見た時を
限りなく広がる空にもう一度
生まれた意味
今を生きる意味を
問い掛けて
How should I love you
How could I feel you
Without you
終わりのない愛の詩を 今貴方に
Even though I can’t see you anymore
Your memory will live in my heart
Forever
As well as love does
So I won’t say..good bye
(WITHOUT YOU  Xジャパン)



さくらちゃん、私たちが初めて出会った日も雨の日だったね。

今日も雨だよ。



ポツリ

ポツリ


乾いていたはずの涙が夕立ちのようにウェルテルの上に降ってきた。


なんで葬儀の時にはこの涙が出なかったのだろうと

不思議なくらい、ぶわっと涙があふれた。

さくらちゃん、さくらちゃんはもうこの世にいないんだね。


さくらちゃん、ごめんね、

さくらちゃん、ごめんね、



間に合わなかったよ、

私が馬鹿だから、

グズだから、

頭悪いから、

間に合わなかったよ、


さくらちゃん、ごめんね、

さくらちゃん、ごめんね、


何にもできなかった、

何にもしてあげれなかった。


いっぱい、いっぱい、もらうばっかりで、

何もあげれなかった。。。


もうちょっとで分かりそうだなんて調子にのってたけど、


結局何も分かりはしなかった。


さくらちゃん、ごめんね、

馬鹿だね、私って

さくらちゃん、ごめんね、


さくらちゃん、ごめんね、

馬鹿だね、私って

さくらちゃん、ごめんね、


ごめんね、さくらちゃん。。。。


雨は降り続いていました。。。。。。


雨は深い闇の中、やむことなどないかのように降り続いていました。。。。。。

(字幕) X JAPAN - Without You -for HIDE- -2008 I.V. 破壊の夜






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