イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Raffaello(ラファエロ)の天使ーAccademia di San Luca, Roma

2021年03月31日 18時57分34秒 | イタリア・美術

10数年間作者は誰か?ともめていたフレスコ画の断片が、この度Raffaello Sanzio(ラファエロ)作ということで決着がついた。
作品はこちらのPutto(putto:翼の生えた裸の男児。赤ん坊のような天使像)

写真:https://www.rainews.it/
この花綱を肩にかけたプットは1834年、画家であり、古美術商でコレクターでもあったJean-Baptiste Wicar(ジャン=バティスト・ウィカー)からローマのAccademia di San Luca(アカデミア・ディ・サン・ルカ) に寄贈された。
アカデミア・ディ・サン・ルカは、Federico Zuccari(フェデリコ・ズッカリ)により1593年に公式に設立された、ローマの芸術家協会である。
今回ラファエロの死後500周年の記念事業の1つとして修復され、ラファエロらしいテクニックが用いられていることは分かっていたが、科学的な診断から帰属が決定的になった。

”花綱を巻いたプット”は科学的な根拠は抜きにしても、長い間ラファエロの作品と考えられていた。(18世紀に作られた偽物という説も19世紀にはあったが)
というのも1513年頃にローマのchiesa di Sant'Agostino(サンタゴスティーノ教会)にラファエロが描いたProfeta Isaia(預言者 イザヤ)の両脇に描かれたプッティ(プットの複数)に非常に似ている。

写真:Wikipedia
研究結果は昨年開催された”Raffaello.L'Accademia di San Luca e il mito dell'Urbinate(ラファエロ。アカデミア・ディ・サン・ルカとウリビーノ人の神話)"という特別展で発表されていたらしい。

アカデミア・ディ・サン・ルカはこのほかにも多数の傑作を所蔵している。
San Bartolomeo (1555 circa) di Agnolo di Cosimo, detto Bronzino(ブロンズィーノの「サン・バルトロメオ」)

L’Abbondanza coronata dalle Ninfe (prima metà del XVII sec.) di Pieter Paul Rubens(ルーベンスの「妖精たちの戴冠される豊かさ」)

Ritratto di Ippolito Riminaldi (1528 circa) di Tiziano(ティツィアーノの「イッポリト・リミナルディの肖像画」)

などなど。

全然知らなかったけど、ギャラリーの場所はトレビの泉のそばだった。
更に入場は無料、そしてほとんど人はいないみたい…
https://www.accademiasanluca.eu/it
いつ訪れることができるかなぁ…

参考:https://www.rainews.it/



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