イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ローマ法王フィレンツェに

2015年11月10日 15時06分42秒 | フィレンツェのこと

朝から、いや数日前からおおあらわのフィレンツェです。
というのも今日は29年ぶりにローマ法王がフィレンツェを訪れました。
街中が色々大変なことになるので、一日家から出ない~とも思ったのですが、朝フィレンツェ入りをした時の様子を友人がFBにあげていて、それを見たら、二度とないチャンスなので、行くかと気持ちが変わりました。
キリスト教徒ではない私は、当然信仰心ではなく、単なるミーハー心で。
ということで私は午後、ミサのためにスタジアムへ向かうところを狙うことにしました。
その方が家の近くで待機できるということもあって… 

現ローマ法王はフィレンツェ初訪問ということで、観光もかねてなのでしょうか(失礼!)スタジアムへ向かう道のりが観光地巡りコース。
あっ勿論今回の訪問は観光ではなく、私も詳しいことは分かりませんが全国司教会議がフィレンツェで行われているためです。
去年この話を聞いた時はまだ先のことだと思っていたのになぁ…
Duomoのそばに有るキリスト教の偉い人がいるビルでお昼後、わずかな休憩を取った後、Duomo広場から出発。
Piazza della Signoria→Santa Croceを通ってスタジアムへ向かいました。
この時間(現在15時半を過ぎたところなので)はミサが行われていて、ミサの後17時過ぎにはまたヘリコプターでんぼ返りするそうです。

今回の訪問はPratoとFirenze
個人的に気になったのは法王がPratoのDuomoに張り付いている、Pulpito(説教壇)に上って挨拶をするということ。
これはDonatelloとMichelozzoの作ったもので、現在は年に数回しか使用されておらず、更にたぶん法王訪問のため、75000ユーロ(約1000万円ですかね?)かけて修復されたそうです。
こんな風になっていたそうです。

お昼のニュースではこのシーンは流れてなかったんですよね。

Pratoからヘリコプターでやってきた法王はサンマルコ広場で法王の愛車(?)真っ白のPapa mobileに乗り換え、沿道の信者、そじゃない人たちに手を振りながら洗礼堂へ向かいました。
この道沿いで見ていた友人曰く「一時間以上待っていたのに、通り過ぎるのはあまりにも一瞬過ぎた」と。
車はたぶんかなりゆっくり走っているとは思うんですけどねぇ…
この後私もそれを実感することになります。

そして午前中に洗礼堂を訪れたのですが、ここに法王お気に入りのシャガールの”白いキリスト磔刑図”を運びこんだと聞いていたので、それも気になっていたんです。

法王の隣にいるのは枢機卿でフィレンツェの司教
ニュースでは彼がシャガールの絵の説明もしていて、これはたぶん天井のモザイクを眺めているのでしょう。
天井からの光の差し込み方がとても神々しく見えました。
ここから”天国の門”を通って大聖堂の中に入っていました。
ちなみにこのシャガールは現在Palazzo Strozziで行われている展覧会に出展中の作品の1つです。
ここまでの写真は新聞などから引用させていただきました。

予想に反してうちのあたりは午前中はすごく静かで、時々外から「法王見た?」と話している声が聞こえているくらいでした。
ドイツの首相が来た時に比べたらセキュリティーも甘かったですね。
2時半に動くと聞いていたけど、時間が押していたので、念のために2時過ぎに家を出ました。

思ったより人少ないなぁ…というのが感想ですが。
家から出た側はちょっと混んでいたので、なんとか反対側に渡りました。

目の前の建物からは大勢顔をのぞかせていました。
今か今かと待っていましたが、その時は突然やって来ました。
今回のイベントのため約5000人のボランティアが各所で働いているのですが、
その人たちではなく、いかにも私服警官と思われる人たちが動いたのが合図でしたね。

パトカーや護衛の車が数台通り過ぎたところで、「来た、来た」と周りが騒ぎ出したんです。
でも思っていたより静かなんですよ、周りが。
隣にいた人は「私が写真撮るから、あなたは手をたたきなさい」と友人に言っていました。
いよいよです。
白い車が見えた~と思ってシャッターを切りました。
そして

ああああ、と思っている間に目の前を通り過ぎてしまいました。
この1枚しか撮れませんでした。
シャッター切る速度が遅いんだよ~
次押そうとした時には既に法王は後ろ姿どころか、遠くに行ってしまいました。
一瞬なんて時間もなく、あっということもできず、もちろん「Papaaaa」とか「Francescoooo」なんて叫ぶ暇もありませんでした。
本当に一瞬、でもキリスト教徒ではなくてもちょっと感動したかも。

現法王は、ここ最近色々なスキャンダルに襲われ(その中の1つが脳外科医の福島先生に受診して腫瘍が見つかったというもの)このタイミングでもフィレンツェ訪問に感心する人も多いようですが、減少の一途をたどる信者を食い止めるためになるべく一般市民に近い法王をアピールしています。
それが良いことかどうか、信者ではない私が言うべきことではありませんが、教会が変わる為にはこういう人が必要なのではないでしょうか?

ということで、本当に一瞬でしたが貴重な体験をさせていただきました。

P.S
どうでもいいことなのですが、最近何故かすごくネット回線が遅いんですよ。
動画だけでなく、写真をアップするにもものすごく時間がかかっていて…
もうイライラです。なぜなんだ、おい!



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2 コメント

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名前まで変えちゃうくらいに。 (情報ま。)
2015-11-11 11:56:47
ちょうど1か月前に Prato の説教壇みたとき、ここ使うことあるのかなぁって思ったんですけど、ちゃんと使うんですね~
オリジナルは美術館の中ですけど、修復までしちゃうんですね。

キリスト教徒でない私たちにとっては実感わきにくいですが、イタリア人にとって Papa の来訪ってすごいことなんですよね。
Fabrianoに行ったら、1991年にヨハネ・パウロ2世が大聖堂を来訪したことを今でも町の人は誇りにしてて、大聖堂前の広場も Piazza Giovanni Paolo II になってました。
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結構 (fontana)
2015-11-11 16:56:43
情報まさん
イタリア人のこだわりでしょうね。記事にも本物ではないけどね、と注がありました。(笑)
名前が変わることは結構普通に起きているようです。フィレンツェにはKYOTOという通りが有るのですが、ここも姉妹都市提携をを結んだ時に名前を替えたとか。先日も泥棒を捕まえようとして(だったと思うんだけど)殺された一般人を称えて広場の名前を替えると言っていたのを聞いて驚いたくらい…

日本人が天皇参賀に行くようなものなんだとは思います。ミサも5万3千人くらいいたらしいですが、その中にどれくらい”信者”がいるかは別ですからね。それでもやはりすごいですよ、法王の存在感。というのが感想ですかね。大した混乱が起こらなかったことにびっくり。これが宗教の力かも…(^▽^;)
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