はな日記

池坊の作品など。

なげいれ

2012年07月25日 | なげいれ
7月5日

なげいれ4杯

       


     


今月は仕事の都合上、お稽古をお休みしているのだが、やはり部屋にお花がないのが心寂しく、久々にお花屋さんへ行った。
ちょっと一輪買うようなつもりで、出かけたのだけど、珍しい八重のトルコキキョウに、大振りの同じくトルコキキョウを見つけ、予定より沢山持ち帰る。
普段のお稽古は、先生にお花選びから教室まで持ち込む手配をお願いしているため、稽古だけではお花屋さんと直接接する機会はない。

花選びをしていて、川瀬敏郎氏が『花の命を水に放つ。端的に言えば、なげいれの花は、ただそれだけ。(中略)花が発する“言の葉”を汲み取ること、これがなげいれに大切なことです』(注1)と
おしゃっていたのを思い出す。これは器に花を生ける段階の話であろうけど、花屋さんでお花選びをするとき、あるいは庭の草花を、道端の草花を選ぶときにも言えることなのではないかと思った。
ショーケースの中で、庭で、道で、草花が何を主張しているのか、その言葉を読み取ることが、結果として生ける段階にも影響を与えるのではないかと。

最近のお稽古では生花が続いていたため、なげいれはほとんどしてなかったし、花器も決まったものばかり使っていて、持っているものを最大限に活用していなかったのだけど、
たまにはお花屋さんに行ったり、違う花器を使うことも楽しいし、花の生かし方を考えるひとつの方法であることを知る。

(注1)『和楽』2012年6月号 小学館発行 60ページより引用