一か月と少し前
のお話です
ちょうど
ニューヨークがコロナウイルスで
医療機関などもパンク状態
逼迫していた最中だったと思います
急なスケジュール変更で
私が呼ばれ
飛ぶことになりました
今もなお
世界中が
感染への恐怖と緊張感
に包まれているとは
思いますが
一か月前は
状況が酷く
マンハッタンは死の街
にすら思えた程
人影はなく
未だかつて見てきた
ニューヨークの姿では
ありませんでした
私が呼ばれたのも
お察しの通り
元々フライトを持っていた乗務員は
何らかの理由で
フライトを切ったのでしょう
この時期に
飛びたくないのは
誰だって同じ
こんな中
ニューヨークに飛び立った
訳なのですが
帰り便のフライトで
思いもよらぬ出来事がありました
便にご搭乗のお客様は
感染リスクを避けるため
ご自身でできる
予防法を実践されていました
お化粧室を利用して
立ち去ろうとした大学生のような男の子が
「コロナ、怖くないんすか?」
と質問されるような場面もありました
本当のことを言えば怖いのは皆同じ
お客様を不安にさせてはいけないと思い
「感染予防をしっかりしておりますので」
という言葉しか
すぐに返すことができなかったのです
そんな時です
お飲み物をギャレー(機内のキッチン)に
取りに来てくださる60代男性と
たまたまお話をすることになりました
その方のお家族のお話、現状、帰国する理由。。。
ご搭乗が始まった時
お一人で乗ってこられていたので
気にはなっていたのですが
お話をしていて
改めて
気づかされました
ご搭乗になる一人一人のお客様が
色々な思いで
そして大変な思いをして
飛行機にお乗りになっているということを
私も国際線を中心に乗務している為
世界の状況がどういったことになっているのか
日本の現状がどうなのか等
お伝えできることをお話ししました
まもなく着陸という頃
その男性から直接
このようなことを言われました
「一人で不安だったが、話を聞いてもらえて少し楽になりました。
いつも○○さんが機内にいてくれたら嬉しいのになあ。」
と
私たちが飛行機に乗っているのは
保安要員でもありサービス要員でもあります
しかし
心に寄り添うこと
これ無しでは
サービスとはいえない
「マニュアル」通りの返答
を男子大学生にしてしまった私は
まだまだ二流だったなと
「あの言葉」より
男性と交わした何気ない会話が
お客様に安心をお届けできていた
私たちの仕事のありかたとは
ただマニュアル通りの言葉、
快適性や品質の高いお食事を
提供するだけではなく
心に寄り添い
不安を取り除くことも
仕事の一つだと
実感したフライトになりました
感染リスクを考慮すれば
お客様とお話しすること自体
懸念されがちなのですが
今、私たちにできることの一つとして
気付かされた一場面でした
このような大切なことを
改めて気付かせてくださったこの方に
感謝しています
お客様とは
またニューヨーク便で会いましょう
と言って
お別れをしました✈
お別れをしました✈
またいつか
機内でお会いできる日が来ますように・・・(^^)