約35年前…駿台文庫のある書物の随筆で以下のような文章に遭遇した。最近出版社に問い合わせてみたが、この文章も筆者も残念ながら特定できなかった。ただ…記憶している限り内容は概ねこのようなものであった。
…「二人で居たれど、まださびし、一人になったらなおさびし、真実、二人はやるせなし、真実、一人は堪えがたし。/ 北原白秋」…この文章は、ただ単に文意通りに読んでしまうと「ふ~ん…ただそれだけ…なるほど…。」…である。そこで、この「一人と二人を入れ替えてみる」…事にする。さすれば「一人で居たれど、まださびし、二人になったらなおさびし、真実、一人はやるせなし、真実、二人は堪えがたし。」…こうすれば、「本当のさびしさ」…私達が個々背負わねばならない「生のさびしさ」を実感できるようになるのではないだろうか…。
…この文章をそれ以来ずっと引きずっている…答える術がない…「再構築」…優れた試みであるとしか言いようがない…。