リチャード・フロリダやサスキア・サッセンなど都市論者をはじめとして、いまなお強い影響力をもち続けるジェイン・ジェイコブズ。
若いときのみずみずしい都市論にはじまり、都市を分断する高速道路建設計画に反対する論考、そして国民国家単位での経済ではなく、「輸入置換」により自律的に発展する都市とその周辺地域の可能性を論じたエッセイやスピーチなど、たんなる都市論者にとどまることなく、社会運動家としても活躍した彼女の魅力が伝わってくる論集だ。
福岡都市圏の醜悪で寒々としたサバービアに住む者として、ジェイン・ジェイコブズの考えには共鳴するところが大きい。机上で都市計画を立案する官僚ではなく、生活者の視点で都市の賑わいをとりもどしていくために彼女から学べることは数多い。
これまでの本には未収録のものも含め、小論・講演・対談を網羅。ジェイコブズが都市の計画・経済・倫理を説く、待望の一冊!都市にかかわる実務家・研究者を始め「都市」に関心のある人必読の書、遂に刊行!!
目次
第1部 都市の博物学者 一九三四~一九五二年
ある本のために詩を練りながら―『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』誌、一九三五年
あなどれないダイアモンド街―『ヴォーグ』誌、一九三六年 ほか
第2部 都市の建物 一九五二~一九六五年
フィラデルフィア再開発の進捗報告―『アーキテクチュラル・フォーラム』誌、一九五五年
二種類のプランナー、ペーブメント・パウンダーとオリンピアン―『アーキテクチュラル・フォーラム』誌、一九五六年 ほか
第3部 新しい仕事はいかにして生まれるのか 一九六五~一九八四年
都市の自生的成長―王立英国建築家協会での講演、ロンドン、一九六七年
市民的不服従について―『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌との往復書簡、一九六七年 ほか
第4部 都市の生態学 一九八四~二〇〇〇年
都市の責務―オランダ王宮での講演、アムステルダム、一九八四年
一緒に自転車に乗ること―広報担当者会議での講演、一九八五年 ほか
第5部 未来の発達のパターン 二〇〇〇~二〇〇六年
近隣の味方としての時間と変化―ヴィンセント・スカーリー賞受賞講演、ワシントン特別区、二〇〇〇年
カナダのハブ都市―C五会議での講演、ウィニペグ、二〇〇一年 ほか
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