過酷で危険極まりない原発労働。日記というかたちで述べられるその実態は、想像を超えるものであった。
複雑怪奇な原発、とくに原子炉建屋とタービン建屋の内部での定期点検の作業は、読んでいて気が遠くなるほど複雑で困難極まるものだ。
下請け企業と「親方」(手配師)による何重もの賃金のピンハネ、杜撰な被爆と安全の管理。
おそろしく稼働コストが高く、作業員の健康と命を蝕む原発が、いかに理不尽な存在であるのか、本書が克明に明らかにしている。
「これでは事故が起きないほうが不思議だ」。放射能を浴びながらテイケン(定期点検)に従事する下請け労働者たちの間では、このような会話がよく交わされていた―。美浜、福島第一、敦賀の三つの原子力発電所で、自ら下請けとなって働いた貴重な記録、『原発ジプシー』に加筆修正し27年ぶりに緊急復刊。
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