英語の解説書を読んだのは、(おそらく)40年近くぶりだ。(←最近やたらうん十年ぶりということが多い。)
まず、例題として取り上げている英文の選択に、センスの良さを感じた。バラク・オバマの演説文から、J.S.ミルのエッセイ、そしてトマ・ピケティの論文の一部まで、さまざまな分野、内容の英文が収録されている。
そして、説明が詳しい。詳しすぎて、読むのがおっくうになるほどだ。
この英文解釈のレベルは、翻訳家向けのそれではないか、とさえ思った。本書に収録された英文を暗記するくらい読み込めば、どんな英文でも解釈できるかもしれない。
思えば、語学力の維持という点では、わたしはとても怠惰だった。英語だけでなく、大学生時に「第二外国語」に選んだロシア語、大学院入試のため独学したフランス語も、まったくといっていいほど再学習していない。もったいないことをしたものだ。
目次
第1章 基本的な文の構造
1-1 何がどうする
1-2 文型(SVOC)
1-3 文の中の文(1)
1-4 文の中の文(2)
第2章 情報の流れと特殊な語順
2-1 入れ替わる語順(1)
2-2 入れ替わる語順(2)
2-3 前に移動する名詞
2-4 後ろに移動する名詞
2-5 文法的な倒置
第3章 情報の流れと特殊な構文
3-1 受動態
3-2 thereを用いた構文
3-3 itを用いた構文(1)
3-4 itを用いた構文(2)
3-5 whatを用いた構文とその類例
第4章 省略
4-1 並列関係と省略(1)
4-2 並列関係と省略(2)
4-3 何を比較しているのか?
第5章 構文の擬態
5-1 品詞は何?
5-2 例の構文(熟語)? それとも?
第6章 上級の読解英文法
6-1 名詞句の奥深さ
6-2 複雑な関係詞節
6-3 特殊なso…that 構文
6-4 難度の高い挿入句
6-5 useとmentionの違い
第7章 破格的な構造
7-1 冗長な繰り返し
7-2 構文のブレンド
第8章 文章の構造
8-1 文章構成の基本
8-2 列挙と分類
8-3 比較と対照
「もっと上」を目ざす人のための英文解釈参考書。大学受験レベルの基本文法を習得した人が、さらに力をつけ、多様なジャンルの英語の文章を読み解いていけるようにするための英文解釈参考書。長く支持されている伊藤和夫『英文解釈教室』の伝統を引き継ぎ、英文を読み解くための思考プロセスを重視するアプローチを堅持しながら、文法と情報構造の関係やテキストの構成法についての英語学の知見をさらに盛り込みました。
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