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本と音楽とねこと

危険社会

Beck,Ulrich,1986,Risikogesellschaft Auf dem Weg in eine andere Moderne,Suhrkamp(=1998,東廉・伊藤美登里訳『危険社会 (叢書・ウニベルシタス 609) 』法政大学出版局)(¥5,250)'09.3.10

 現代を自己回帰的な近代化の過程としてとらえ、科学技術と市民運動のサブ政治化、階級・階層とジェンダー関係の流動化、そして個人が無防備に巨大なリスクに立ち向かわざるをえない状況等について論じる。制御不能なリスクは、環境破壊のみならず、近代家族の解体、雇用の流動化・不安定化にも現れており、富の分配に加えてリスクの分散のあり方が政治的課題となる。
 現代を、近代社会が自ら生み出したリスクに対処するために、さまざまなサブ政治が台頭しせめぎ合う状況としてとらえる観点はおもしろいし有効だとは思うのだが、だったらどうすんだよというところで、エヴァルドみたいに保険原理の批判にいたるわけでもなく、無責任な市民の政治化待望論でお茶を濁すでもなく、まあ要するに自己言及のリスクは検証できないということなんかね。よくわからんちんです。(笑)

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