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本と音楽とねこと

恋愛の日本史

本郷和人,2023,恋愛の日本史,宝島社.(5.5.24)

 日本やタイは、宗教による性愛の禁圧がほとんどなかった稀な社会であり、それが、現在の買春天国(地獄かも)につながっていることを思うと、「性のタブーのない日本」をことさら言祝ぐ気持ちにもなれない。

 本書の『源氏物語』の解説では、光源氏のマザコン、ロリコン、B専、監禁、寝取られ、托卵等のエピソードが語られている。
 こんな気色悪い男の性愛遍歴を描いた作品が、高尚な古典文学として現在も愛好されているのは、キリスト教やイスラム教の文化圏では考えられないことなのだろう。

 日本史の教科書の登場人物はほとんど男である。
 しかし、男どもの権力闘争のバックにはつねに女がいたし、闘争に関与しないとしても、人々の暮らしの半分以上を担ってきたのは女性である。
 女性天皇から遊女まで、歴史の担い手としての女性を主人公にした歴史学は、まだまだ未開拓の部分が大きい。

「夜這い」「盆踊りでの乱交」など戦前まで行われていた民俗文化の由来とは? しばしば言われる「性のタブーのない日本」ですが、本当に日本は性に大らかな国と言えるのか。2024年の大河ドラマ『光る君へ』の主役・紫式部と『源氏物語』にも言及しつつ、性愛、恋愛、男女の歴史をひもといていきます。

しばしば「日本は性のタブーがない」といわれるが、本当に日本は性におおらかな国なのか。古代に集中する女性天皇、平安時代の『源氏物語』に見る女性の地位の高さをはじめ、中世の遊女と僧侶の男色、天下人3人や戦国武将の男色といった文化。また、「夜這い」「盆踊りでの乱交」など戦前まで行われていた民俗文化の由来をひもときながら、日本人の性愛、恋愛、男女にまつわる歴史を、人気の東大教授が大胆に解釈する。

目次
第1章 日本は本当に性に大らかなのか?
日本文化の中心は恋である
古代日本における女性の地位は高かった!? ほか
第2章  源氏物語の時代
女流文学の誕生と自由恋愛
日本文学の傑作『源氏物語』が描く赤裸々な恋愛 ほか
第3章 中世の男と女
中世の女性の地位は高かったのか?
女性上位の時代 ほか
第4章 戦国武将の性愛
戦国武将の色好み
天下人の性愛(1) 織田信長 ほか
第5章 江戸時代は「男尊女卑」社会か?
江戸時代は男尊女卑社会だったのか?
江戸に花開く庶民文化 ほか


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