これまでよくわかっていなかった、箱庭療法や絵画療法の意義、効果がとてもよく理解できた。
それもそのはず、最相は、心理療法を会得するために、大学院で学び、自ら心理療法を受け、精神医学の大家、中井久夫と絵画療法に取り組んでさえいる。心理療法家への周到な取材も、本書が専門書に劣らぬ水準の内容となっている理由の一つだろう。
心理療法の歴史と内実のみならず、「心の病」の深層までもを探索する文句なしの傑作である。
『絶対音感』『星新一』の著者が選んだ次なるテーマは、“心の病”だった―。河合隼雄の箱庭療法を試み中井久夫から絵画療法を受け、自らもカウンセリングを学んだ。心の治療のあり方に迫り、セラピストとクライエントの関係性を読み解く。そして五年間の取材ののち、“私”の心もまた、病を抱えていることに気づき…。現代を生きるすべての人に響く、傑作ドキュメンタリー!
目次
逐語録
第1章 少年と箱庭
第2章 カウンセラーをつくる
第3章 日本人をカウンセリングせよ
第4章 「私」の箱庭
第5章 ボーン・セラピスト
第6章 砂と画用紙
第7章 黒船の到来
第8章 悩めない病
第9章 回復のかなしみ
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事