前にも書いたように、わたしは株式の売買で不労所得をあげることにはまったく関心がなかったんだが、イノシシ社長@きっこのブログタイーホ以来、マスコミが手のひら返したように資本主義社会の繁栄の基盤である拝金主義(物神崇拝)自体を叩きだしたのにはさすがにむかついて、ほうほうてめーら自身が視聴率だの購買部数だの、要するに貨幣の擬制のうえできゃんきゃん吠えてるだけなのは承知してんだろーな、もまいらもイノシシ社長と同じ穴の狢だろが、などと思いつつ、ライブドアの株券がみるみるうちに紙くず同然になっていくのがいと面白く、株価が、ファンダメンタルズを反映するにとどまらず、国家権力と闇経済との闘争であるとか、投資市場での大衆心理の揺らぎを見事に映し出していることに興味津々だった。
つーわけで、あくまでシュミの一環として、資金60マソで株式を運用してみることにした。株式の売買がマネーゲーム化した弊害が云々とわけのわからんことを言う椰子がいるが、もともと株なんてギャンブルでしかないわけで、そうなんだけど、面白いのはゲームのやり方を参加者がある程度任意に決められるところだろう。株価の動向や四季報上の業績だけでなく、障害者の雇用、地球環境問題への取り組み、社員の育児支援、各種社会貢献活動、コンプライアンスの徹底等々、企業の価値を判断する物差しはたくさんある。基本的に、株式は、底値で買い、高値で売る、あるいはその企業の社会的価値と将来性を評価して事業資金として出資するのが基本だろうが、もとより株式市場から退場すべきだと判断する企業の銘柄ははなっから手を出すべきではないと考える。
1990年代のライブリー・ポリティクスは、バブル経済の崩壊とともに雲散霧消したが、株主大衆社会は、経済の主導権を民意が掌握しそれが政治変動を促していくことにつながるかもしれない。投資してる分、わしゃ棄権するってわけにはいかんだろ。そんなことを考えると、子ども時代から株式の売買を経験しておくのも悪くないと思う。もとより、子どもにとってはお金より心身の発達と健康とが何より大事だ。スポーツもケンカも勉強も十分やらせたうえで、あくまで生きた経済と投資の社会的意味を体得させる目的で経験させるべきだと思う。
ライブドア株暴落 子供投資家も想定外 授業の合間、一喜一憂
2006年 2月 5日 (日) 02:38
産経新聞
ライブドア株暴落のショックが証券市場を揺るがすなか、中学、高校生の未成年投資家たちも打撃を被っている。ライブドア前社長、堀江貴文容疑者(33)の影響で株投資を始めたという中学一年生は、同社グループ企業の株売買で資金の半分を失った。「子供投資家」たちが売買を始めた時期は、一昨年から昨年にかけてが多く、脚光を浴びたライブドアの躍進がマネーゲームの低年齢化をもたらしたようだ。あこがれだった堀江容疑者の逮捕で「幻滅した」と語る高校生もいる。(伊藤真呂武)
子供投資家に窓口を設けているマネックス証券によると、未成年の投資家は昨年秋ごろから増加傾向で、小中学生の口座開設数は約二千三百件。開設には保護者の同意確認だけで、取引額の制限などはない。
▼株のがっこう
同社は一月六日、小学五年生から中学三年生までを対象にしたセミナー「株のがっこう」を開講。約六百六十通の応募の中から、二十八組の親子が参加した。
松本大社長は「自分にお金があったら、どのように使うか、想像力を養ってもらいたい」とあいさつ。ライブドアのニッポン放送買収劇を例に、株取引の仕組みを解説し、オンライントレードの方法まで指導した。
参加した子供は同社のモニター用の口座に入金された十万円を元手に、三カ月間、株取引を行ってリポートを提出する。
インターネット上ではブログ(日記風サイト)などで、子供投資家が日々の収支を報告し、オススメの銘柄などの情報交換が行われている。
ある女子高校生のブログでは一月十六日に「やっと、四十万円になりました」。十七日にライブドアの強制捜査が待っているとは夢にも思わず、上機嫌の様子だ。
十七日は「前日比マイナス三万円」、十八日は「ヤバイです。ストップ安です」と悲痛な叫びに変わっていく。二十一日には「昨日はショックすぎてパソコンやれませんでした。株って本当に怖いですね」。
別の女子高校生は十七日に「暴落のときに何回もデイトレーディングして結構もうかりました」との書き込み。ライブドア騒動を逆手にとって約四万円の利益を手にした。
二十六日にはライブドア株にもチャレンジ。この日は約二十九万円のマイナスだったが、翌日はマイナス約二万円まで回復し、「ライブドアがようやく反発。かなりうれしいです」と一喜一憂している。
▼学生起業家へ
堀江容疑者の著書を読んで学生起業家になるのが夢になったという長野県岡谷市の男子中学一年生(13)は、そのための勉強として昨年十二月に株投資を開始。ライブドア、ライブドアマーケティングなど四銘柄を約五万円分買ったが、暴落で二万七千円の損失が出た。堀江容疑者について「合法と違法のすれすれをいく手法は賛成でしたが、法を犯してはだめです」とメールでの取材に回答した。
青森市の高校三年の女子生徒(18)は「三十代で配当生活のトレーダーになるのが夢」。
昨年、親から誕生日プレゼントとして売買口座と資金をもらい、売買をスタート。よく行くカラオケ店や洋服店など身近な企業の業績を調べて投資し、資金を増やしたが、一月の全面安で売り時を逸し、マイナスになったという。
「株投資に母は賛成、父は反対でしたが、自己責任の範囲という条件で許された。相場のチェックなど株に一日五時間は費やし、授業の合間にネットで値動きを見て売買することも。授業中は気が気じゃありませんでした」という。
▼正直がっかり
神奈川県の男子高校三年生(17)は、二年前から小遣いなどをつぎこんで売買してきた。投機的銘柄が中心だったので、赤字が続いていたが、ライブドアショックで損失が膨らんだという。「堀江さんは時価総額七千億円の会社をつくり、本当にすごいと思ったが、粉飾決算で投資家をだましていたと知り、正直がっかりでした」
大阪府の中学二年生(14)は、ライブドア事件の影響で値を下げたM&A関連の銘柄をすかさず買った。「一年生のときから親を説得し続け、昨年十一月に初めてダイエー株を買った。現在は二銘柄を保有し、四十五万円の資金が十万円増えた」という。
昨年開設されたサイト「小学生でも株投資できるもん!」の運営者は小学生の女児。父親は「今のところ娘が株を購入したことはありません。株は余裕資金でやるものだと教えています」としている。
◇
■子供の株、勧めない
経済ジャーナリスト、森永卓郎氏の話「子供が株をやることはあまり勧めない。お金の役割を勉強することは必要だが、お金がお金を生むことを子供たちに見せてしまうのは好ましくない。株式市場の役割は本来、リスクのある事業に投資者が出資し、うまくいったら配当を受けるもので、株の売買でもうけるのは本来の姿ではない。堀江容疑者のやり方はマルチ商法に極めて近かったと思う。一昔前はメンコやビー玉など遊びの中にお金の要素が組み込まれていたが、今はそういう遊びがなくなり、教育しなくてはならなくなった。子供たちは一度味をしめてしまうと、真面目に働くことができなくなってしまう。そういう意味で今回の事件はいい教訓を残した。もう二度と堀江容疑者を作り出してはいけない」
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