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女たちのポリティクス

ブレイディみかこ,2021,女たちのポリティクス──台頭する世界の女性政治家たち,幻冬舎.(9.9.2021)

 近年の諸外国における女性政治家たちの動向のみならず、移民問題、人種差別、緊縮財政、そしてコロナ禍への対応と、政治家と世論の興味深いせめぎ合いを知ることができる。
 ブレイディさんは、女性政治家たちを、ことさらもちあげるわけでもなく、もちろんこきおろすわけでもない。たんたんと評価し、批判する。
 硬派な内容ながら、笑わせるネタもしっかり織り込んでいるのはさすがだ。

近年、世界中で多くの女性指導者が生まれている。アメリカ初の女性副大統領となったカマラ・ハリスに、コロナ禍で指導力を発揮するメルケル(ドイツ)、アーダーン(ニュージーランド)、蔡英文(台湾)ら各国首脳たち。政治という究極の「男社会」で、彼女たちはどのように闘い、上り詰めていったのか。その政治的手腕を激動の世界情勢と共に解き明かす。いっぽう、女性の政治進出を阻む「サイバー暴行」や、女性国会議員比率が世界166位と大幅に遅れる日本の問題にも言及。コロナ禍の社会で女性の生きにくさがより顕在化し、フェミニズムの気運高まる中「女たちのポリティクス」はどう在るべきか。その未来も照らす一冊。

目次
EU離脱とメイ首相―おしゃれ番長はパンチバッグ
メルケル時代の終焉―EUの「賢母」か「毒親」か
「ナショナリズム」アレルギーのとばっちりを受けて―スコットランドのスタージョン首相
アレクサンドリア・オカシオ=コルテス―どえらい女性議員がやってきたヤア!ヤア!ヤア!
極右を率いる女たち―新たなマリーヌ・ル・ペンが続々と現れている理由
「インスタ映え政治」の申し子―ニュージーランドのアーダーン首相
「サイバー暴行」と女性政治家たち―叩かれても、踏まれても
サッチャーの亡霊につきまとわれて―メイ首相辞任の裏側
トランプはなぜ非白人女性議員たちを叩くのか―またそんなコテコテの差別発言を
合意なきブレグジットを阻止するのは全女性内閣?
育児のための辞任は反フェミニズム的?―スコットランドの女性党首の決断
英国女王とジョンソン首相の微妙な関係―宿敵のような、でも実は同族の二人
英総選挙を女性問題の視点から見る―辞める女性議員たちと、出馬する女性たち
若き女性たちが率いる国が誕生―フィンランド政治に何が起きているのか
スコットランド独立の悲願―ニコラ・スタージョンの逆襲
日本の右派女性議員をウォッチする―自民党のメルケルになれるのは誰なのか
コロナ危機で成功した指導者に女性が多い理由
「ブラック・ライヴズ・マター」運動を立ち上げた女性たち
小池百合子とフェミニズム
マーガレット・サッチャー再考―彼女はポピュリズムの女王だったのか

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