子どもの虐待(死)をテーマにした小説であるが、心理的に追いつめられていく三者三様の母親の人物造形がすばらしい。
はたして、どの子が殺害されることになるのか、一気読みするしかない濃密なストーリー展開が、これまたすばらしい。
これほど完成度の高い小説を読んだのは久しぶりだ。文句なしの名作だ。
静岡在住、専業主婦の石橋あすみ。神奈川在住、フリーライターの石橋留美子。大阪在住、シングルマザーの石橋加奈。小学3年生の「石橋ユウ」を育てるそれぞれの母親たちは、慎ましくも幸せな家庭を築いていたが、些細なことをきっかけに、その生活は崩れ始める。そんなある日、「イシバシユウ」虐待死のニュースが報道され―。ユウを殺したのは、私ですか?どこにでもある家庭の光と闇を描く衝撃作。
映画『明日の食卓』
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